2027 年度入試(2027 年 4 月入学)の大学入学共通テストでは、2 日目の 17 時から『情報Ⅰ』が 60 分・100 点で出題されます(大学入試センター「令和 9 年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等」2026 年 6 月)。国立大学は一般選抜で原則として「6 教科 8 科目」を課す方針なので、国公立大学を受ける高校 2 年生・3 年生は、情報Ⅰも受ける前提で準備します。ただし、点数の重みは大学ごとに大きく違い、私立大学では選択科目になっている例もあります。

国立大学は「6 教科 8 科目」が原則

国立大学協会は、2022 年 1 月 28 日の「2024 年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」で、2024 年度に実施する入学者選抜(2025 年度入学者の選抜)から、全ての国立大学が一般選抜の第一次試験で、これまでの「5 教科 7 科目」に「情報」を加えた 6 教科 8 科目を原則として課すと定めました(国立大学協会、同基本方針)。理由として、文理を問わず全ての学生が身に付けるべき教養として数理・データサイエンス・AI 教育が広がっていることと、高校に「情報Ⅰ」が全員の必履修科目として設けられたことを挙げています。国立大学協会のサイトで確かめられた基本方針はこの文書で、2027 年度向けに改められたという公表は見つかりませんでした(2026 年 10 月 21 日確認)。

この方針は国立大学のものです。公立大学と私立大学は、それぞれの大学が課し方を決めます。国立大学でも「原則」とあるので、大学・学部・日程によって違いが出る余地があります。志望校の募集要項の「大学入学共通テストの利用教科・科目」の欄で、情報Ⅰがあるかを必ず確かめます。

2025・2026 年度入試から変わった点

共通テストの『情報Ⅰ』は、試験時間も配点も 3 年間同じです。変わったのは、旧課程の『旧情報』が選べたかどうかです。

入試の年度情報の出題科目時間・配点根拠
2025 年度(令和 7 年度)『情報Ⅰ』『旧情報』60 分・100 点大学入試センター「令和 7 年度 実施要項」
2026 年度(令和 8 年度)『情報Ⅰ』60 分・100 点文部科学省「令和 8 年度 実施大綱」
2027 年度(令和 9 年度)『情報Ⅰ』60 分・100 点大学入試センター「令和 9 年度 実施要項」

2025 年度は、旧課程で学んだ既卒者のために『旧情報』という選び方がありました。2026 年度と 2027 年度の実施大綱・実施要項の出題科目の表には、『情報Ⅰ』だけが載っています。2027 年度に受ける人は、現役生も既卒者も、情報Ⅰで受けることになります。日程や試験時間は2027 年度共通テストの日程の記事にまとめています。

変わっているのは、むしろ大学の側です。次の節の九州工業大学のように、情報の配点を毎年引き上げる大学が出ています。

大学の課し方は 4 つの型がある

募集要項を見ると、情報Ⅰの扱いは、次の型に分けられます。

  1. 必須で、配点をそのまま使う
  2. 必須で、配点を小さくして使う(傾斜配点・圧縮)
  3. 選択科目の 1 つにする
  4. 課さない(国立大学は原則課すので、例外)

確かめた大学の例は次のとおりです(いずれも 2027 年度入試)。

大学型情報Ⅰの扱い出典
東京大学(前期日程)必須・そのまま100 点を必須で受け、共通テスト 1000 点満点を 110 点に換算して、個別試験 440 点と合わせた 550 点満点で判定東京大学「令和 9(2027)年度 入学者選抜要項」2026 年 7 月
北海道大学(総合入試・前期)必須・小さく100 点を 15 点に換算。共通テスト 315 点・個別試験 450 点で、合計 765 点北海道大学「令和 9(2027)年度 入学者選抜要項」
京都大学(総合人間学部・文系前期)必須・小さく配点 25 点。共通テスト 175 点・個別試験 650 点で、合計 825 点京都大学「令和 9 年度 入学者選抜要項」
九州工業大学(工学部・情報工学部の前期)必須・年々大きく2026 年度入試 25 点、2027 年度入試 50 点、2028 年度入試 100 点の予定九州工業大学「令和 9・10 年度学部入学者選抜『一般選抜』における変更点について」2026 年 3 月
早稲田大学(政治経済学部・共通テスト利用)選択 → 必須2027 年度入試までは選択 2 教科 2 科目の候補の 1 つ(1 科目 100 点)。2028 年度入試から 100 点の必須早稲田大学政治経済学部「2028 年度入試以降の…変更について」2025 年 12 月

国公立の情報Ⅰの課し方を、必須で配点そのまま、必須で配点を小さくする、選択にする、課さないの 4 つの型に分け、東京大学・北海道大学・京都大学・九州工業大学・早稲田大学政治経済学部の例を並べた図

図: 情報Ⅰの課し方の型と大学の例(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 各大学の令和 9 年度入学者選抜要項ほか)

東京大学の情報Ⅰは 100 点が共通テストの 1000 点満点の 1 割にあたります。1000 点を 110 点に換算するので、最終の 550 点満点では約 11 点分です(換算は編集部の計算)。北海道大学の 15 点は共通テスト 315 点の約 5%、京都大学の 25 点は合計 825 点の約 3% です。同じ「必須」でも、合否に響く大きさはかなり違います。

配点が小さい大学でも、油断はできません。京都大学の要項には、第 1 段階選抜(志願者が多いときに共通テストの得点で絞る選考)の配点の表にも、情報の欄があります。東京大学・北海道大学も、第 1 段階選抜の得点に情報を含めています。一次の足切りで、情報Ⅰの得点が使われる場合があります。

九州工業大学は、配点を引き上げる理由を、共通テストの内容と高校での学びの状況を踏まえ、自校のカリキュラムとの接続を高めるためと書いています。志望校の配点は、年度ごとに変わっていないか確かめておきます。

志望校が決まっていない人の動き方

高校 2 年生・3 年生は、国公立大学を受けるかもしれないなら、情報Ⅰを受ける前提で動くのが安全です。具体的には次の順です。

  • 高校の情報の授業をそのまま受験の準備にする。学校の情報Ⅰは、共通テストの出題範囲の土台です。大学入試センターのサイトに載っている過去の問題を、時間を計って解く(高校の学びは高校の情報の学びで確かめられます)
  • 志望校の募集要項で、情報Ⅰの扱いと配点を確かめる。2027 年度入試の募集要項は、各大学が 12 月 15 日までに発表することになっています(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項」)
  • 情報系の学部・学科を考えているなら、大学の情報学で学ぶ内容をのぞいて、学びたい学科の配点を調べる
  • 大学は大学の一覧から、国立・公立・私立と都道府県で絞って候補を並べ、情報Ⅰの欄を見比べる

よくある迷い

情報は配点が小さいから、後回しでいいですか?

配点が小さい大学が多いのは事実です。ただ、東京大学のように 100 点がそのまま使われる大学もあり、第 1 段階選抜で使われる場合もあります。情報Ⅰは 2 日目の最後の科目で、数学のあとに 60 分解きます。早めに時間配分に慣れておきます。

私立大学は情報Ⅰを受けなくてもいいですか?

大学・学部・方式によります。早稲田大学政治経済学部の共通テスト利用は、2027 年度入試までは、情報Ⅰを選ばなくても出願できる形でした。2028 年度入試からは全教科が必須になります。私立大学志望でも、共通テスト利用を考えるなら、情報Ⅰの扱いは年度ごとに募集要項で確かめます。

情報Ⅰを受けないと、国公立大学には出願できませんか?

国立大学は原則として課すので、多くの大学では必要になります。公立大学や、課さない大学・日程もありえるので、志望校の募集要項で確かめます。2027 年度の共通テストの出願は 2026 年 10 月 2 日に締め切られています。出願した高校 3 年生と既卒者は、12 月 4 日から取り出せる受験票で、受験する教科に「○」が付いているかを確かめます。高校 2 年生は、来年の出願のときに、志望校に必要な科目を登録します。