短期大学(短大)の数は、文部科学省の「学校基本調査」によると 1996 年度の 598 校がいちばん多く、2026 年度は 290 校(速報値)です。学生の数は 1993 年度の 530,294 人をピークに、2026 年度は 65,684 人(速報値)まで減りました。それでも、幼稚園教諭や保育士、栄養士を育てる場としては、いまも大きな役割を持っています。短大への進学を考えている人や、短大の募集停止のニュースが気になっている人に向けて、数字で流れを追います。
学校数は半分、学生は 8 分の 1 に
| 年度 | 学校数 | 学生数(在学者数) | 入学者数(本科) |
|---|---|---|---|
| 1993 | 595 校 | 530,294 人(最多) | 254,953 人(最多) |
| 1996 | 598 校(最多) | 473,279 人 | 220,875 人 |
| 2006 | 468 校 | 202,254 人 | 90,740 人 |
| 2016 | 341 校 | 128,460 人 | 58,225 人 |
| 2024 | 297 校 | 78,295 人 | 33,477 人 |
| 2025 | 292 校 | 71,196 人 | 30,183 人 |
| 2026(速報値) | 290 校 | 65,684 人 | 未公表 |
数字は学校基本調査の年次統計と、「令和 8 年度学校基本統計 速報値」(2026 年 8 月 26 日)によります。2026 年度の入学者数を含む確定値は、2026 年 12 月に公表される予定です。
表の学生数には、専攻科や科目等履修生なども含まれます。本科の学生だけでみると、2025 年度は 67,540 人でした。2026 年度の 290 校は公立 14 校・私立 276 校で、国立の短大はありません。2026 年度(速報値)の学生のうち 82.9% は女性です。1998 年度には短大が 588 校、4 年制大学が 604 校となり、1953 年度から 45 年続いた「短大のほうが多い」状態が終わりました。
女子の進学先が 4 年制大学へ移った
短大の学生の多くは女性です。そのため、女子の進学先の変化がそのまま短大の数字に表れています。
| 年度 | 女子の短大進学率 | 女子の大学(学部)進学率 |
|---|---|---|
| 1990 | 22.2% | 15.1% |
| 1994 | 24.8%(最高) | 20.9% |
| 1996 | 23.6% | 24.5% |
| 2005 | 13.0% | 36.7% |
| 2015 | 9.2% | 47.1% |
| 2025 | 4.7% | 56.5% |
女子の短大進学率は 1994 年度がいちばん高く、1996 年度に大学(学部)と逆転しました。2025 年度は 4.7% です。文部科学省は 2025 年 12 月の確定値の公表で進学率の計算式を見直し、過去の年度もさかのぼって計算し直しています。表はその新しい計算式の数字(浪人を含む)で、古い資料の数字とは少し違うことがあります。
中央教育審議会は、2005 年 1 月の答申「我が国の高等教育の将来像」で、短大を取り巻く変化として「18歳人口の減少や女子の4年制大学志向の高まり」を挙げました。2023 年 9 月の総会の資料でも「四大化や廃止により短期大学数は減少」としています。短大が 4 年制大学に変わったり、学生の募集をやめたりしてきたことが、学校数の減少につながっています。
学ぶ分野は「人文」から「教育」へ
学生が学ぶ分野も大きく変わりました。学校基本調査の「関係学科別 学生数」(本科)で、1993 年度と 2025 年度を比べます。割合は大学カタログ編集部が計算しました。
| 分野 | 1993 年度 | 2025 年度 |
|---|---|---|
| 教育(幼児教育など) | 78,538 人(15.0%) | 21,679 人(32.1%) |
| 家政(食物・栄養など) | 122,254 人(23.4%) | 11,797 人(17.5%) |
| 社会 | 71,764 人(13.7%) | 7,806 人(11.6%) |
| 保健(看護など) | 29,682 人(5.7%) | 6,883 人(10.2%) |
| 人文 | 141,331 人(27.0%) | 5,421 人(8.0%) |
| そのほか(教養・工業・農業・芸術など) | 79,049 人(15.1%) | 13,954 人(20.7%) |
| 計 | 522,618 人 | 67,540 人 |
1993 年度にいちばん多かったのは人文(文学など)で、2025 年度は教育がいちばん多くなりました。2025 年度の教育のうち 18,221 人は幼稚園教育の学科です。どの分野も人数そのものは減っていますが、教育と保健は全体に占める割合が大きく伸びました。家政は、「そのほか」にまとめた分野を除くと、いまも 2 番目に多い分野です。
短大で学ぶ意味が残っている分野
文部科学省は、短大が「幼稚園教諭や保育士,栄養士や介護福祉士など,地域の専門的職業人の養成の面で重要な役割を担っています」と説明しています(「短期大学について」)。数字で確かめられることは次のとおりです。
幼稚園教諭: 中央教育審議会の幼児教育作業部会の資料(2026 年 2 月 17 日)によると、いま働いている幼稚園教諭の約 66% が短大で学んだ人です(2022 年度の教員統計調査)。2023 年度に新しく幼稚園教諭の免許状を取った人のうち、主に短大で取る二種免許状は約 58% でした。ただし同じ資料は、二種免許状を取れる大学などが 2014 年度の 214 から 2024 年度の 195 に減ったことも示しています。
卒業後の仕事: 2025 年 3 月に短大(本科)を卒業した 34,684 人のうち、就職した人は 27,365 人(78.9%)でした。就職先の産業は「医療,福祉」が 41.1%、「教育,学習支援業」が 17.5% です。職業では「専門的・技術的職業」が 61.4% で、幼稚園教員は 1,981 人、栄養士は 2,006 人でした(学校基本調査 2025 年度)。
栄養士: 厚生労働省の資料(2026 年 7 月 21 日)では、栄養士養成施設(管理栄養士養成施設を除く)128 のうち 103 が 2 年制です。2 年制の養成施設には、短大と専門学校があります。
地元で学ぶ場: 中央教育審議会の答申「我が国の『知の総和』向上の未来像」(2025 年 2 月 21 日)は、短大の入学者の約 7 割が、その短大と同じ都道府県の高校などの卒業生だとしています。答申のもとになった諮問も、短大が「地方の進学機会の確保に重要な役割を果たす」としています。家から通える範囲で資格を取りたい人にとって、地元の短大はいまも選択肢の一つです。
募集停止が続くなかで短大を選ぶなら
短大が学生の募集をやめる動きは、いまも続いています。同じ答申も「近年多くの短期大学が4年制大学への転換や、学生募集停止をしていく中で」と書いています。大学カタログが公式の発表で確かめただけでも、2027 年度から新入生を募集しない短大が 14 校、2027 年度の入試を最後に 2028 年度から募集をやめる短大が 3 校あります。学校の名前と時期は、募集停止・閉学・統合のまとめに載せています。
短大を志望するときは、学校の名前だけでなく学科ごとの募集の状況を確かめてください。学科によって募集をやめる年度が違う学校もあります。取りたい資格(幼稚園教諭二種免許状・保育士・栄養士など)を取れる学科か、4 年制大学への編入学の道があるかも、学校の案内で見ておくと安心です。大学カタログの大学一覧で短期大学を選ぶと、都道府県ごとに短大を探せます。教育学など学問ごとの学びは、科目のページでも紹介しています。
