交換留学は、大学が海外の協定校と学生を送り合う制度です。応募の条件は大学ごとに違い、成績(GPA)・語学スコア・学内の面接や書類で決まるのが基本です。1 年生から出願できる大学もあれば、3 年次以上の協定校もあります。上智大学・電気通信大学・龍谷大学・神戸市外国語大学・南山大学・北海道大学の募集要項と案内ページを読み、2026 年度時点の条件と時期を並べました。大学 1〜2 年生が準備の時期を決める材料にしてください。

交換留学とは何か

大学どうしの協定にもとづいて学生を相互に派遣する制度です。上智大学は、留学中の学費は上智大学にだけ納め、留学先の授業料は免除と案内しています(「留学ハンドブック 2026」)。電気通信大学と神戸市外国語大学の要項も、在籍する大学に授業料を払い、留学先は免除という扱いです。

認定留学は、神戸市外国語大学の要項によると単位認定留学のことで、交換留学ではなく、出願の手続きも自分で行います(2026 年出発の募集要項)。交換留学は行き先が協定校に限られ、人数にも枠があります。電気通信大学は「各大学につき 1〜数名程度」です(2026 年度春募集の要項)。

6 大学の応募条件を比べる

大学成績(GPA)語学
上智大学全科目の累積 GPA 2.8 以上(4 点満点)。出発前の学期までに 32 単位以上、学科長の承諾も必要協定校ごとの要件を満たす
電気通信大学数値の基準は要項になし。成績・書類・面接を総合判断英語圏は協定校一覧のスコア。事前に国際教育センターの了解があれば、未達でも申請できる
龍谷大学派遣先ごと。2027 年度派遣の一覧では RMIT 大学 2.0 以上、カーティン大学 2.75 以上、レイクヘッド大学 2.8 以上英語圏は TOEFL iBT 48・IELTS 4.5・TOEFL ITP 460 未満だと応募できない。派遣先の基準は別(レイクヘッド大学は iBT 80・IELTS 6.0)
神戸市外国語大学留学希望大学の成績の要件を満たす。学内選考は 100 点満点で、2027 年度派遣から全科目 GPA を使う予定留学希望大学の要件を満たす。英米学科などは TOEFL・IELTS が選考の点数にも入る
南山大学GPA の要件あり(数値は公開ページになし)語学要件のある大学を希望するなら、所定の期間内に受験して満たす
北海道大学数値の基準は要項になし。計画書・成績・語学能力で選考派遣先の要件のとおり。スコア不要で英語の授業を受けるなら TOEFL iBT 70 程度・IELTS 5.5 程度・TOEIC 730 程度のいずれか以上

(各大学の募集要項・案内ページ。上智大学「留学ハンドブック 2026」、龍谷大学「2026 年度(2027 年度派遣)募集要項」2026 年 7 月 21 日版、北海道大学「令和 9(2027)年度 交換留学募集要項」など)

違いは 2 つあります。1 つは、学内の条件と派遣先の条件が二重にあることです。上智大学は学内の GPA 2.8 に協定校ごとの語学要件が加わり、龍谷大学は学内の最低ラインの上に派遣先ごとの GPA と語学の基準が乗ります。もう 1 つは、数字の使い方です。上智大学は GPA を出願の条件と順位の両方に使い、神戸市外国語大学は点数に組み込み、電気通信大学や北海道大学は計画書や面接も含めて見ます。

龍谷大学は、語学と GPA は学内の出願時点で満たしていなくてもよいが、内定後に派遣先の期限までに満たせなければ派遣できないとしています。北海道大学は、スコアが要件なら学内の申請期限までに取っておく必要があるとしています。同じ交換留学でも、スコアをいつまでに取るかが大学で逆になります。

選考の時期・授業料・単位の扱い

大学選考と時期授業料単位
上智大学書類審査と面接。GPA と面接点の総合点が高い順に志望先へ。2026 年度は春派遣(2027 年 2〜3 月出発)が 6 月下旬面接・7 月合否、秋派遣(2027 年 8 月出発)が 9 月末〜10 月初旬願書・11 月面接・12 月合否上智大学に納め、留学先は免除最高 30 単位まで上智大学の基準で換算
電気通信大学書類選考と面接。2027 年 1〜3 月開始分の申請は 2026 年 7 月 6 日まで本学に払い、留学先は免除学域・研究科などの判断で認定
龍谷大学2026 年度は 4 期。第 3 期は願書 10 月 5〜16 日・一次(語学)結果 10 月 23 日・面接 11 月 4 日。面接は 1 人 5 分程度の集団面接協定で相互免除。龍谷大学には「留学在籍料」を納める(一部学科は通常学費)要項に基準なし。願書の前に Campus HUB か教務課で単位認定の事前指導を受ける
神戸市外国語大学2026 年出発分は第Ⅰ期(2025 年 6 月応募・7 月面接)と第Ⅱ期(10 月応募・面接)本学に払い、留学先は免除認定が可能。帰国後に学科教員が審査し、事前の個別の判定はできない
南山大学学内選考は出発の約 1 年前公開ページになし公開ページになし
北海道大学2027 年度出発分は 2026 年 11 月 24 日締切(4〜6 月開始は 8 月 27 日)。書類審査が原則で、必要なら面接。結果は 2027 年 2 月上旬ごろ要項になし認定の手続きは自分で事前に確認。単位を取ることが前提

神戸市外国語大学の要項の「留学パターン」では、3 年の秋に出発する場合、応募は 2 年の 6 月と 10 月にあたります。早い大学では、1〜2 年生のうちが準備の時期です。

選考の流れを図で見る

交換留学の流れと応募条件を 1 枚にまとめた図。説明会、語学試験、学内選考、派遣先の決定、出発の順と、成績・語学・面接や書類の 3 つの条件、上智大学・龍谷大学・北海道大学・電気通信大学の応募から出発までの時期の例を並べている

図: 交換留学の流れと応募の条件(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 各大学の募集要項・案内ページ)

学内選考に通ってもそこで終わりではありません。電気通信大学は「学内選考の合格は、留学先大学の受入を保証するものではありません」と書き、神戸市外国語大学も受け入れの最終決定は留学先だとしています。上智大学は、留学先の入学許可と、合格後も GPA が留学先の要件を満たすことを正式決定の条件にしています。出願の基準は GPA 2.8 以上ですが、GPA が 3.0 未満だと留学先の審査で入学を断られる場合があるとも注意しています(「留学ハンドブック 2026」)。

応募の前にすること

  1. GPA を確かめる。 学務のページで累積 GPA を見ます。累積の数字は 1 学期では大きく動かないので、応募したい学期を先に決めて、そこまでの履修を考えます。
  2. 語学試験を逆算する。 神戸市外国語大学は、スコア証明書が届くまで約 1 か月かかり、結果が間に合わず応募を断念する学生が例年いると注意しています。龍谷大学はスコア証明書の有効期限を 2 年間とし、TOEFL iBT の MyBest スコアは使えません。受験は余裕を持って、応募の締切の 2 か月前には終える計画にします(2 か月は編集部の目安です)。
  3. 学内の説明会や相談に行く。 電気通信大学は、申請書類を出す前に国際教育センターへの相談を必須にしています。龍谷大学は事前指導を受けないと願書を出せません。
  4. 公的な支援は別に調べる。 日本学生支援機構(JASSO)の「海外留学支援制度(協定派遣)」と「トビタテ!留学 JAPAN 新・日本代表プログラム」があります。別の記事で詳しく扱います。

よくある迷い

GPA が足りないときは、応募できませんか

上智大学は累積 GPA 2.8 以上が出願の条件です。龍谷大学は派遣先ごとに基準が違い(2027 年度派遣の一覧で 2.0〜2.8 の例)、学内の出願時点で満たしていなくても応募できます。基準の低い協定校も候補に入れ、学科や国際センターに早めに相談するのが現実的です。

語学のスコアの有効期限は何年ですか

大学で違います。龍谷大学は 2 年間で、願書の締切の時点で有効なものを出します。上智大学は、合格後に留学先へ出すスコアは有効期限に余裕のあるものが望ましいとしています。

留年しませんか

留年するとは要項に書かれていませんが、単位の扱いは大学と学科で決まります。上智大学は最高 30 単位まで換算でき、必修の履修が免除されることもあると案内しています。電気通信大学は、3 年次の研究室配属や大学院進学への影響を指導教員と話すよう求めています。科目ごとの認定は帰国後に審査される大学が多いので、出発前に学科へ確認します。

費用はどのくらいかかりますか

授業料は在籍する大学に払い、留学先は免除という大学が多く、渡航費・滞在費・保険は自己負担です。上智大学は、1 年間で必要な経費を 200〜400 万円ほどと見込み(留学先や為替で大きく変わる)、指定の保険と危機管理サービスに約 15 万円かかるとしています。

大学のページで志望校の留学制度を探し、国際センターの募集要項を読むところから始めます。留学に関心のある人は国際交流のジャンルのコミュニティでも探せます。例に出した大学は上智大学・電気通信大学・龍谷大学・神戸市外国語大学・南山大学・北海道大学です。