学園祭の実行委員会は、学生が自分たちで学園祭を運営する団体で、「局」や「部署」に分かれて 1 年近くかけて準備します。公式のページを確かめた 7 校では、委員会の規模は 100 人台から約 750 人まで、募集は 4〜6 月、本番は 10〜11 月が中心でした。「大変」と言われるのは、仕事の量、本番前の時期、お金や安全の責任があるためです。入る前に、活動の頻度、本番前の忙しさ、掛け持ち、費用を確かめておけば、あとで困りにくくなります。

実行委員会は学生が運営する団体 大学との関係は大学ごと

主な 6 校の公式のページを並べました。実行委員会の名前も、大学との関わり方も、大学によって違います。

大学規模・組織大学との関係(公式の書き方)
東京大学 国立約 280 人、9 局と委員長官房学生有志で構成。委員会が発足すると教養学部の学生委員会と申し合わせを交わし、学部は授業を休止して施設を開放
早稲田大学 私立約 750 人(2025 年)、8 局企画・運営から財源確保まで学生のみで運営(2024 年の記事)
日本工業大学 私立156 名、6 局大学の「学生活動」のページで団体として紹介
広島大学 国立11 の部署総務が大学との連携と申請書類のチェックを担当
横浜市立大学 公立5 局と会計局公認団体。学生自治会中央委員会の専門部
岩手大学 国立新入生対象の委員会決めで立候補・選出大学の公式サイトの団体紹介に掲載

(東京大学「駒場祭」、駒場祭委員会「第 77 回駒場祭」「新歓特設ウェブサイト」、早稲田ウィークリー 2025 年 10 月 27 日・2024 年 10 月 28 日、日本工業大学「大学祭実行委員会」、広島大学大学祭実行委員会、浜大祭実行委員会、岩手大学「不来方祭実行委員会」。2026 年 10 月 22 日に確認)

東京大学の駒場祭委員会は、公式サイトの別のページに約 260 人とも書かれていて、ページによって人数が違います。数字は年度や数え方で変わると考えて、募集の説明会で最新の人数を聞くのが確実です。

部署ごとの仕事 名前は違っても役割は似ている

局の名前は大学ごとに違いますが、仕事は大きく 7 種類に分かれます。「警備局」という名前の局は、今回見たページにはありませんでした。当日の警備は、東京大学では事務局、広島大学では総務が担当と書かれています。

仕事公式のページに書かれていること(例)
企画・ステージ東京大学の企画局は委員会公式企画の立案と運営。広島大学のステージは、メインステージの設営と運営。早稲田大学の企画局は約 90 名で、6 つの大型企画を半年以上かけて準備
模擬店・出展団体の対応広島大学のバザーは出店するサークルなどの管理。早稲田大学の参加対応局は、参加の監督とサポート。横浜市立大学の総務局は、保健所を訪ねて飲食出展のルールを決める
広報東京大学は制作・案内・宣伝。広島大学はチラシ・看板・パンフレットと、公式サイトや SNS
渉外東京大学・早稲田大学・広島大学は、協賛や支援を企業・校友・地域に依頼。広島大学は電話や訪問でお願いする
会計・財務東京大学の財務局は委員会や企画のお金の業務。早稲田大学は祭に関わるすべてのお金を管理。横浜市立大学の会計局は予算・決算と現金の出納
総務・事務東京大学の総務局は資材管理と、火気・食品衛生基準の運用。事務局は学部との交渉。広島大学の総務は申請書類のチェックと当日の警備
会場・環境・システム早稲田大学の会場整備局は会場案内・動線管理・備品電力など。東京大学の環境局はごみの回収と分別、システム局はウェブサイトなどの開発

1 年の流れ 募集は春、忙しくなるのは本番の 1〜2 か月前

東京大学の駒場祭委員会は、昨年度の予定として 1 年の流れを公開しています。本番は 2026 年 11 月 21〜23 日です。

時期東京大学の例
4 月新歓説明会(4/15〜21)、入会フォーム(4/15〜24)。5 月 5 日ごろに配属が決まる
5〜6 月5 月に発足総会。6 月に講習会と夏合宿総会
7〜9 月7 月に企画の報告会、8 月に予算総会と合宿、9 月に秋合宿総会
10 月補正予算総会。ほとんどの担当が、この頃から忙しさを増す
11 月立看板づくり、資材の移動、当日、撤収。12 月にブルーシートの片付けで終わり

早稲田大学の 2024 年は、1〜2 月に役員決定、4〜6 月の新歓で約 300 名が加入、8 月に参加団体の募集と運営計画、9 月以降は調整とリハーサルで「1 日 24 時間では足りない」ほど忙しかったと書かれています。日本工業大学は、4 月の勧誘、5 月の新入生の正式加入、10 月に若杉祭という流れです。

学園祭実行委員会の部署と仕事の一覧、本番までの 1 年の流れ。東京大学・早稲田大学・広島大学などの公式のページをもとに、7 種類の仕事と、4 月の募集から 12 月の片付けまでの流れを並べた図

図: 実行委員会の部署と仕事、本番までの 1 年の流れ(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 各大学・実行委員会の公式のページ)

入る前に確かめること

公式のページから見える「大変さ」は、量・時期・責任の 3 つです。岩手大学の紹介には「小さな仕事から数十万のお金が関わる大きな仕事まで、そのほとんどを委員主体で行なっています」とあります。会計、飲食の衛生、火気、当日の警備、大学への申請は、間違えると本番に影響する仕事です。その分、4 つを入会前に聞いておきます。

  • 活動の頻度: 日本工業大学は隔週木曜 19〜20 時、長崎大学の工学祭実行委員会は月曜 18 時から。岩手大学は不定期で、8〜10 月が特に多い。東京大学は担当で大きく変わるので、説明会で聞くよう案内している
  • 本番前の忙しさ: 東京大学は 10 月から、早稲田大学は 9 月以降。この時期の授業・試験・アルバイトの予定を先に見ておく
  • 掛け持ち: 東京大学は五月祭常任委員会との両方は可能、駒場祭のクラス代表は当日の拘束が長いので遠慮してほしいと案内している
  • 費用: 東京大学は入会費なし。昨年はっぴなどに 1 万円程度、担当により制作ソフト費が数千円。岩手大学は部費なし、長崎大学の工学祭実行委員会は年約 2,000 円

得られるものは、公式のページではこう書かれています。長崎大学は「自分たちで 1 から作り上げて実行するという達成感」、横浜市立大学の渉外局は「地域と交流しながら自分のビジネススキルを磨けます」。感じ方は人によって違いますが、入る理由の例として読めます。

よくある迷い

1 年生でも入れますか。

募集は新入生向けの新歓が中心です。東京大学は駒場生であれば 2 年生以上でも入会できます。早稲田大学は 4〜6 月の新歓で約 300 名が加わりました。ただし東京大学は、応募が多いと抽選で人数を絞ります。

授業やアルバイトと両立できますか。

活動の量は、日本工業大学のように隔週で 1 時間の団体もあれば、本番前に急に増える団体もあります。東京大学は「週にどれくらい活動しますか」という質問に、担当によって大きく変わると答えています。希望する担当の頻度を、説明会で具体的に聞いてください。

途中でやめられますか。

東京大学は、原則として当日前に退会できないと書いています。入会は、他団体や学業との兼ね合いを考えてからにしてください。団体ごとの決まりは、入会前に必ず確かめます。

どうやって団体を探せばいいですか。

大学カタログに掲載している学園祭の実行委員会などの団体は 456 件(2026 年 10 月 22 日時点)です。学園祭のジャンルで探せます。生協や自治会のような組織は組織の一覧にもあります。部活とサークルの違いはサークルと部活は何が違う?、新歓の回り方は新歓の時期と回り方、自分で団体をつくる場合はサークル・学生団体の立ち上げ方を読んでください。