サークルや学生団体は、仲間がそろえば今日からでも始められます。ただ、大学の教室を借りる、新歓のブースを出す、活動中のけがに大学の保険を使うといったことは、大学への届け出や「公認」がないとできないことが多く、条件と時期は大学ごとに大きく違います。北海道大学・京都大学・福知山公立大学・早稲田大学・慶應義塾大学の公式ページ(2026 年 10 月 20 日に確認)を例に、公認までの道のりと、公認を取らずに活動するときの注意を整理しました。

「公認」「届け出だけ」「無届」の 3 つがある

学生がつくる団体は、大学との関係で 3 つほどに分かれていることがよくあります。早稲田大学では、約 500 ある「公認サークル」、届け出は済ませたものの公認の要件を満たしていない「登録(未公認)サークル」、そのどちらでもない「無届団体」の 3 つです。公認サークルは部室や練習室の利用、課外活動補助金の申請、新歓ブースの優先割当などを受けられ、登録サークルも教室の貸出や新歓期間のラウンジ使用ができます。無届団体は、原則として教室や新歓ブースを使えません(早稲田大学「課外活動における基本的ルール」)。

慶應義塾大学も「公認学生団体」「登録学生団体(未公認)」「無届団体(非公認)」の 3 つです。登録学生団体は将来の公認を目指す段階で、毎年組織届を出します。施設や備品の貸出、部室、保険の適用といった便宜は公認学生団体にだけあります。他大学の学生が会員に入っている団体は無届団体の扱いで、公認を目指せません(慶應義塾大学「学生団体」)。

呼び方は「登録」「結成届」「仮申請」など大学によってさまざまです。立ち上げの最初の一歩は大学に団体として届け出ることで、公認はその先にある、と考えると分かりやすくなります。

公認の条件を 5 大学で比べる

大学人数顧問・会長公認までの活動申請の時期(2026 年度)
北海道大学(国立)本学の学生 10 名以上・2 学部以上顧問教員3 年以上の活動実績と、3 年程度続けた公認申請5 月 29 日締切
京都大学(国立)公開ページに記載なし常勤教職員 2 名以上・うち 1 名は教授3 年間の仮申請のあと、4 年目に本申請新規の時期は公開ページに記載なし(更新は毎年 5 月 15 日まで)
福知山公立大学(公立)公開資料に記載なし(構成員名簿を提出)顧問教職員の署名年数の条件は公開資料に記載なし(教授会が承認)前期 5 月 15 日・後期 10 月 23 日締切
早稲田大学(私立)早大生のみで 21 人以上・2 学部以上会長は本学の専任教員など1 年以上の活動実績と、1 年以上の会計報告春学期と秋学期に案内
慶應義塾大学(私立)正会員(学部生)5 名以上会長は教授・准教授などの専任の教員登録学生団体として 1 年以上3 月 26 日〜4 月 17 日

表の元は、北海道大学「令和 8 年度 学生団体の公認手続きについて」、京都大学「全学公認団体について」と「全学公認団体の要件などについて」(2025 年 1 月 24 日回答)、福知山公立大学「課外活動団体 新規・継続申請書類リスト」、早稲田大学「公認サークルになるには?」、慶應義塾大学「2026 年度版 公認申請の手引き」です。

人数の条件を公開している大学では 5 名から 21 人までと幅があり、2 学部以上にまたがることを求める大学もあります。公認までにかかる時間も違い、北海道大学と京都大学は 3 年以上の実績が前提です。京都大学は、仮申請の 1〜3 年目の団体は大学の施設を使えないと答えています(京都大学「全学公認団体の要件などについて」2025 年 1 月 24 日回答)。

出す書類はどの大学も似ています。北海道大学の新規申請では、顧問教員就任承諾書、学生団体誓約書、学生団体届(今年度の活動計画)、公認申請理由とこれまでの主な活動状況、部員名簿、団体の規約、事故防止対策マニュアルを出し、さらに事故防止に関する講習会の受講が公認の条件です(北海道大学「令和 8 年度 学生団体の公認手続きについて」)。慶應義塾大学では、規約や活動計画書に加えて前年度の収支決算報告書と本年度の収支予算案を出し、役職者全員がオンライン授業「大学生活における責任と危機管理」を履修することが条件です(慶應義塾大学「学生団体」「2026 年度版 公認申請の手引き」)。

立ち上げから公認までの進め方

  1. 似た団体がないか確かめる。 北海道大学は活動内容が既存の団体と似ていないこと、京都大学は既にある公認団体と設置の目的が同じでないことを条件にしています。大学の公式ページのほか、大学カタログのサークルの一覧や学生団体の一覧で同じ大学の団体を見ておくと、窓口での説明もしやすくなります。
  2. 学生支援の窓口に相談する。 慶應義塾大学は、新しく団体をつくるときは各キャンパスの学生生活の担当に相談するよう案内しています。所定の書類が受理されると、未公認の団体として活動できます。
  3. 顧問(会長)になってくれる教員を探す。 慶應義塾大学は、後任の会長の紹介や取り次ぎを大学ではしていないと手引きに書いています。授業やゼミでお世話になっている先生に、活動の目的と頻度、顧問として頼みたいことを伝えて相談するのが近道です。
  4. 届け出て、記録を残し始める。 早稲田大学の公認の要件には「領収証を添付した 1 年間以上の会計報告」があり、領収証はサークル名を宛名にすることになっています(早稲田大学「公認サークルになるには?」)。名簿・規約・活動の記録・会計を最初の年から残しておくと、あとで申請するときに困りません。
  5. 申請の時期を逃さない。 締切は春に集まりやすく、2026 年度は北海道大学が 5 月 29 日、慶應義塾大学が 4 月 17 日でした。福知山公立大学のように、後期にも新規設立の申請を受け付ける大学もあります(2026 年度後期の締切は 10 月 23 日)。

公認を取らずに活動するときの注意

公認は義務ではなく、慶應義塾大学も「公認申請は任意」としています。ただ、公認や登録がないと、次のような場面で困ることがあります。

活動の場所。 早稲田大学の無届団体は原則として教室や新歓ブースを使えず、慶應義塾大学の未公認の団体には施設や備品の貸出、部室がありません。

けがの補償。 学生教育研究災害傷害保険(学研災)が課外活動中のけがで対象にするのは、「学校の規則にのっとった所定の手続きにより学校の認めた学内学生団体・サークルの管理下で行う文化・体育活動」の間です(日本国際教育支援協会「学生教育研究災害傷害保険(学研災)」)。早稲田大学は、公認ではないサークルは大学の学生補償制度(傷害補償)の対象外とし、他大学の学生が参加するときは個人で民間の任意保険に入るよう求めています(早稲田大学「提出書類について」「公認サークルになるには?」)。公認団体でも、学外の活動の届けを出さないと学研災などの保険が使えない大学があります(京都大学「全学公認団体について」)。公認を取らないなら、合宿やスポーツの前に民間の保険を検討してください。

名前と宣伝。 慶應義塾大学では 2026 年 4 月 1 日から、Web サイトや SNS などで団体名に「慶應義塾大学」「KEIO」などの大学名を補って表記できるのは、公認学生団体だけになりました。掲示物、印刷物の配布、物品販売などは、事前に窓口へ問い合わせるよう求めています(慶應義塾大学「学生団体」)。

お金。 早稲田大学の課外活動補助金のように、大学の補助を申請できるのは公認の団体です。会費を集めるなら、公認の有無にかかわらず、領収証と出入りの記録を残し、複数の人で確かめられるようにしておくと、代替わりのときのトラブルを防げます。

よくある迷い

Q. 他大学の友だちとインカレで作っても、公認を受けられますか。

大学によります。慶應義塾大学では他大学の学生が会員に入ると公認を目指せず、早稲田大学は人数を「早大生のみで 21 人以上」と数えます。自分の大学の扱いを窓口で確かめてください。

Q. 公認まで何年かかりますか。

年数の条件が公開資料に見当たらない大学(福知山公立大学)から、1 年以上(早稲田大学・慶應義塾大学)、3 年以上(北海道大学・京都大学)まであります。その間は、届け出や登録をして活動の記録を積み上げる期間になります。

Q. 公認を目指さないなら、届け出もしなくていいですか。

早稲田大学は、公認になる予定がないサークルでも、登録(未公認)サークルとして大学に登録するよう呼びかけています。登録は毎年度必要で、登録すると教室の貸出などを受けられます。

大学カタログでコミュニティを作る

大学の公認とは別に、大学カタログにも団体のページ(コミュニティ)を作れます。在学中の大学生・大学院生は、ログインして「コミュニティを作成」からその場で作れます。作成した人がオーナーになります。

入力するのは、種類(研究室・部活・サークル・学生団体・その他)、名前、紹介、活動日・場所、人数の目安、公式サイト、X(旧 Twitter)、Instagram などです。他大学の学生と活動する団体は「インカレ(複数の大学の学生で活動)」にチェックを入れると、参加している大学を 20 校まで選べて、選んだ大学のページにもコミュニティが表示されます。参加の方式は「自由参加」「承認制」「招待のみ」から、掲示板の公開範囲は「誰でも閲覧できる」「メンバーのみ」から選びます。メールアドレスの確認や、大学のメールアドレスに届く確認コードで在学中を確かめる「学生確認」が済んでいないときは、画面に案内が出ます。卒業予定の 60 日前と 14 日前にはお知らせが届き、在学中のメンバーを後継者に指名できます(大学カタログ「よくある質問」)。

すでに大学カタログに載っている自分の団体は、団体のページの「この団体の関係者の方(オーナーの申請)」から申請すると、運営が確認してオーナーとして登録します。まだ載っていない団体は、掲載の依頼の「掲載を申請する」からも申請できます。団体の紹介まで入れると、運営が確認したあと、その内容がそのまま団体のページになります。学生確認が済んだ在学中の大学生・大学院生は申請と同時にオーナーになれ、OB・OG や教職員の方は掲載だけを申請できます(どちらもログインとメールアドレスの確認が必要です)。

大学カタログに載ることと、大学の公認とは関係がありません。公認や届け出は、それぞれの大学の窓口で手続きしてください。大学カタログの使い方はよくある質問にもまとめています。