日本学生支援機構(JASSO)の「予約採用」は、大学などに進む前、高校 3 年生のうちに在籍する高校を通じて奨学金を申し込むしくみです。2027 年度に進学する人の高等教育の修学支援新制度(給付奨学金と授業料・入学金の減免)の申請期間は 2026 年 4 月下旬〜7 月末で、締切は高校ごとに決められていました(JASSO・文部科学省のリーフレット「高校生のみなさんへ」2027 年度進学予定者向け)。選考結果は秋から冬にかけて高校を通じて届きます(JASSO「給付・貸与奨学金早わかりガイド」)。すでに申し込んだ高校 3 年生と、来年申し込む高校 2 年生に向けて、しくみを確かめます。
給付奨学金と貸与奨学金の違い
| 給付奨学金 | 貸与奨学金(第一種) | 貸与奨学金(第二種) | |
|---|---|---|---|
| 返還 | 原則不要 | 必要(利子なし) | 必要(利子あり) |
| 大学の月額の例 | 第Ⅰ区分で国公立・自宅通学 29,200 円、私立・自宅外通学 75,800 円 | 最高月額で国公立・自宅通学 45,000 円、私立・自宅外通学 64,000 円 | 2 万〜12 万円(1 万円単位) |
| 学力の基準 | 評定平均 3.5 以上、または学ぶ意欲の確認 | 評定平均 3.5 以上(経済的に特に困難な人は緩和あり) | 平均水準以上など |
| 家計の基準 | 収入と資産 | 収入 | 収入 |
(JASSO「給付・貸与奨学金早わかりガイド」2027 年度進学予定者向け)
給付奨学金に採用されると、授業料・入学金の減免もあわせて受けられます(進学先での手続きが別に要ります)。給付奨学金や減免と第一種を同時に使うと、第一種の月額が減ったり 0 円になったりします。第二種の利率は貸与が終わるときに決まり、参考として 2026 年 1 月に貸与が終わった人は、利率固定方式で年 2.512%、利率見直し方式で年 1.700%でした(同ガイド)。
家計の基準の考え方
家計は、本人と生計維持者(原則として父母)の所得で判定します。給付奨学金は所得から計算した額で第Ⅰ〜第Ⅳ区分に分かれ、支給額は満額・3 分の 2・3 分の 1・4 分の 1 になります。第Ⅳ区分で給付奨学金が出るのは多子世帯だけです(多子世帯でなくても、私立の理工農系の学科などに進む場合は授業料などの減免を受けられます)。資産も見られ、本人と生計維持者の預貯金や有価証券などの合計が 5,000 万円未満であることが条件です。土地や建物は含みません。
同ガイドの目安では、本人・会社員の親・収入のない親・中学生の 4 人世帯の場合、給付奨学金は年間の総収入 271 万円までが第Ⅰ区分、635 万円までが第Ⅳ区分です(第Ⅳ区分の給付は多子世帯だけ)。貸与奨学金の基準はもっと高く、親 2 人が会社員の 4 人世帯(一方の収入 300 万円)の例では、第一種が 803 万円、第二種が 1,250 万円までです。どれも目安で、家族の構成によって変わります。JASSO の「進学資金シミュレーター」で自分の世帯を試算できます。扶養する子どもが 3 人以上の世帯は、授業料・入学金の減免に所得制限がありません。
申し込みの流れと要るもの
- 高校から申込書類を受け取る(スカラネットのユーザ ID とパスワード、「奨学金確認書兼地方税同意書」と提出用の封筒)
- スカラネットで申込内容を入力する。期限は高校が決めます。最初のログインでメールアドレスを登録します
- 本人と生計維持者のマイナンバーをインターネットで提出する。コピーを学校に出したり郵送したりはしません
- 「奨学金確認書兼地方税同意書」と本人の身元確認書類を、マイナンバーの提出から 1 週間以内に JASSO へ簡易書留で送る。学校には出しません
- 日本国籍でない人、生計維持者が海外に住んでいる人などは、JASSO から案内が届いたら追加の書類を出す
- 選考結果は高校を通じて「採用候補者決定通知」で届く。再発行されないので大切に保管する(なくした場合は、スカラネットから簡易版を印刷して手続きに使えます)
- 進学後に通知を進学先に出し、スカラネットで「進学届」を出す。ここで奨学生として採用され、振込が始まります
(JASSO「申込みのてびき」2027 年度大学等予約採用、JASSO「申込手続きについて(予約採用)」)
振込は進学後なので、入学金など進学前に払うお金には使えません。進学前にまとまったお金が要る場合は、日本政策金融公庫の国の教育ローンなどほかの制度を検討することになります(同ガイド)。
申し込めなかったとき、使わなくなったとき
申込期限は高校が決めるので、まだ申し込んでいない高校 3 年生は、いまから申し込めるものがあるかを高校に確かめます。予約採用に申し込まなかった人や、選考で対象外だった人も、進学後に大学などで申し込む在学採用があります。高等教育の修学支援新制度(給付奨学金と授業料・入学金の減免)の在学採用は、春は 4 月から、秋は 9 月から受け付けます。予約採用は、高校を卒業して 2 年以内なら卒業した高校を通じて申し込めるので、浪人して翌年に進学する人も使えます。採用候補者になっても必ず使う必要はなく、進学時の手続きをしなければ辞退したものとして扱われます。一部だけ辞退することもできます。
給付奨学金を使えるのは、国などが対象と確認した学校に限られます。大学の一覧で進学先の候補を絞ったら、文部科学省の対象校の一覧と、自宅から通えるかどうか(月額が変わります)をあわせて確かめておきます。
