2027 年度入試(2027 年 4 月入学)の総合型選抜は、2026 年 9 月 1 日以降に出願を受け付け、11 月 1 日以降に合否を発表します。学校推薦型選抜は 11 月 1 日以降に出願を受け付け、12 月 1 日以降に合否を発表します(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項」2026 年 5 月)。国公立・私立を問わず、大学はこの決まりの中で日程を組みます。10 月下旬のいまは、総合型選抜の選考が進み、学校推薦型選抜の出願が 11 月に始まる時期です。2027 年度入試からは、どちらの選抜でも面接による評価を必ず行うことが原則になりました。ただし、前から行われている選抜区分には 2029 年度入試までの猶予があります。

出願と合否発表の決まり

総合型選抜と学校推薦型選抜の違いを、実施要項の決まりで並べると次のようになります。

総合型選抜学校推薦型選抜
出願の受付2026 年 9 月 1 日以降2026 年 11 月 1 日以降
合否の発表2026 年 11 月 1 日以降2026 年 12 月 1 日以降で、一般選抜の試験日の 10 日前まで(共通テストを使う推薦は、一般選抜の試験日の前日までのできるだけ早い日)
出願のしかた本人の意思で出願できる出身高校の校長の推薦が要る
必ず評価に使うもの本人が書く資料(活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書など)と面接推薦書・調査書と面接
学力の確かめ方小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技、教科・科目のテスト、資格・検定試験の成績、共通テストのうち少なくとも 1 つ同じく少なくとも 1 つ

実施要項は、二つの選抜を「一般選抜とは異なる観点や方法により、時間をかけて丁寧に」選ぶ入試と位置づけています。出願や発表の日に下限があるのは、そのための時間を取るためです。学校推薦型選抜の募集人員は、学部などの入学定員の 5 割を超えない範囲で大学が決めます。

国公立大学は、国立大学協会・公立大学協会の実施要領で、合格発表と入学手続の期限も決めています(いずれも 2026 年 6 月改訂)。

国公立大学合格発表の期限入学手続の締切
総合型選抜2027 年 2 月 10 日2027 年 2 月 17 日
学校推薦型選抜(共通テストを課さない)2027 年 1 月 22 日2027 年 2 月 17 日
学校推薦型選抜(共通テストを課す)2027 年 2 月 10 日2027 年 2 月 17 日

2027 年度入試から面接が原則必須に

文部科学省が 2026 年 5 月 27 日に出した通知は、前の年度からの主な変更点の一つとして、総合型選抜と学校推薦型選抜で面接による評価を必ず行うことを挙げています。ここでいう面接には、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問なども含まれ、オンラインで行う場合もあります(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項及び大学院入学者選抜実施要項等について(通知)」2026 年 5 月 27 日、実施要項)。

ただし、例外が 2 つあります。

  • 非公募の学校推薦型選抜: 高校と大学が緊密に連携していて、合格したら入学すると約束して受けるものは、面接を行うかどうかを大学が判断できます
  • 前から行われている選抜区分: 通知と実施要項の原文は「令和 8 年度に既に実施されていた選抜区分であって、令和 9 年度大学入学者選抜から面接を導入することが難しいもの」について、「遅くとも令和 11 年度大学入学者選抜までに面接を導入する」としています。2029 年度入試(2029 年 4 月入学)は、いまの高校 1 年生が現役で受ける入試です

この猶予は、すでにある選抜区分に向けたものです。2027 年度入試で新しく設けた区分は「既に実施されていた」区分に当たらないので、猶予の対象外と読むのが自然です。このため、2027 年度・2028 年度入試では、前からある区分の中に、面接がまだないものが残っている場合があります。たとえば近畿大学の推薦入試(一般公募)は、試験教科の得点、事前課題(小論文)、調査書を合わせて合否を決め、面接は一部の学部だけが行います(近畿大学 入試情報サイト「推薦入試(一般公募)」)。面接があるかどうかは、選抜区分ごとに募集要項で確かめてください。

同じ通知は、2026 年度入試で、一部の大学の総合型・学校推薦型が 2 月 1 日より前に行う教科・科目のテストの配点をとても高くしたり、ほかの要素を点数にしなかったりして、実質的に学力試験の成績に大きく偏って合否を決めていた例があったとして、大学入学者選抜協議会がまとめた「実施要項の遵守についてのお願い」を各大学に伝えています。実施要項は、総合型・学校推薦型で 2 月 1 日より前に教科・科目のテストを行うこと自体は認めていますが、高校での基礎的な学習の成果を問う内容にし、ほかの評価方法とバランスの取れた配分で使うことが条件です。

準備するもの:書類・面接・小論文

出願書類の中身について、実施要項は次のように示しています。総合型選抜では、このうち本人が書く資料(活動報告書や志望理由書など)が必ず評価に使われます。

  • 活動報告書: 「総合的な探究の時間」や理数探究での課題研究、生徒会・部活動・ボランティア、資格・検定、大会・コンクール、留学など
  • 大学入学希望理由書・学修計画書(志望理由書): 入学を希望する理由、入学後に学びたい内容と計画、卒業後を見据えた目標
  • 推薦書(学校推薦型選抜): 高校の校長が、本人の学習歴や活動歴をふまえて書く
  • 調査書: 高校が作る成績や活動の記録

小論文や面接は、教科の知識をそのまま問うものにしないよう求められています。

大学ごとの例を見ると、日程と書類の幅がよく分かります。

東京大学の学校推薦型選抜は、出願期間が 2026 年 11 月 1 日(日)正午ごろ〜11 月 6 日(金)17 時で、書類は高校が出願サイトにアップロードします。入学志願票、調査書、志願書、推薦書、学部が求める書類・資料などを出します(東京大学「学校推薦型選抜」2026 年 10 月 15 日更新、同「学生募集要項等」2026 年 7 月 10 日)。

京都大学の特色入試は、学部によって総合型選抜と学校推薦型選抜に分かれています。出願は理学部と医学部人間健康科学科が 10 月 1 日〜7 日(締め切り済み)、ほかの学部・学科が 11 月 5 日〜11 日です。最終合格発表は 2 月 10 日(医学部医学科は 1 月 22 日)、入学手続の締切は 2 月 17 日です。高校が作る学業活動報告書や推薦書のほか、志願者が書く「学びの設計書」を出します(京都大学「令和 9 年度 京都大学 特色入試 学生募集要項」2026 年 7 月)。

私立大学の例として近畿大学を見ると、総合型選抜は学部ごとに主に 9 月に出願を受け付け、第 2 次審査が 10 月、最終の合格発表が 11 月です。選考は書類審査のあと、小論文と口頭試問、プレゼンテーション、グループディスカッションなど、学部によって異なります。推薦入試(一般公募)は 11 月 1 日から出願で、試験は 11 月 21 日・22 日または 12 月 5 日・6 日、原則 2 教科 2 科目の試験があります(近畿大学 入試情報サイト「総合型選抜」「推薦入試(一般公募)」)。

一般選抜との併願と「専願」の意味

「専願」は、合格したら必ずその大学に入学すると約束して出願することです。京都大学の特色入試は、出願できる人を「合格した場合に入学することが確約できる人」に限っています。一方、近畿大学の総合型選抜は看護学部だけが専願で、ほかの学部や推薦入試(一般公募)は他大学との併願ができます。同じ「推薦」「総合型」という名前でも、専願か併願できるかは大学・学部ごとに違うので、募集要項で必ず確かめます。

国公立大学には、全国共通の決まりがあります(国立大学協会・公立大学協会の実施要領)。

  • 学校推薦型選抜: 推薦を受けられるのは、共通テストを課すものと課さないものを合わせて 1 人 1 大学・1 学部まで。合格したら 2 月 17 日までに入学手続をし、ほかに出願した大学・学部を受けても合格者になりません。入学手続をしなかった場合も同じです。辞退できるのは特別な事情があり、出身高校の校長が 2 月 17 日までに「推薦入学辞退願」を出して大学が許可した場合だけで、そのときは出願済みの一般選抜で合格者になれます
  • 総合型選抜: 合格して入学手続を済ませると、前期日程・後期日程(公立は中期日程も)の合格者になりません。2 月 17 日までに「入学辞退届」を出さなければ、一般選抜の合格者になれません
  • どちらも: 不合格に備えて、一般選抜の前期・後期(公立は中期も)に出願しておけます

推薦や総合型の結果が年明けから 2 月に出る大学もあります。一般選抜で共通テストを使う予定の人は、2027 年度の共通テストの出願が 2026 年 10 月 2 日に締め切られているので、出願済みであることが前提です。合否が分かるまで、共通テストと個別試験の勉強を並行して続けることになります。

お金の面では、文部科学省の実施要項が、3 月 31 日までに入学辞退を申し出た人には授業料などを返すよう大学に求めています。ただし、専願や学校推薦型選抜で合格して在学契約を結んだ人は、この決まりの対象から外れています。私立大学の併願できる推薦でも、入学手続の期限は早めです。近畿大学の推薦入試(一般公募)は、一括手続なら 2026 年 12 月 24 日、分割手続なら第一次が 12 月 24 日・第二次が 2027 年 2 月 17 日です。

10 月下旬からの動き方

  • 志望校の募集要項で、出願期間、出願書類、面接の有無、専願か併願できるかを確かめる。学校推薦型選抜は推薦書を高校が作るので、担任や進路の先生に早めに伝える
  • 志望理由書や学修計画書は、大学・学部が公表している「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)」を読んでから書く
  • 面接で話す内容を、活動報告書や志望理由書と食い違わないように整理しておく
  • 合否が出るまで、一般選抜の準備を止めない

「入学後に学びたいこと」を具体的に書くには、学部の授業や研究室で何をしているかが手がかりになります。大学カタログの研究室の一覧で、関心のある分野の研究室を探してみてください。得意な科目から大学で学べることを考えたい人は得意な科目から発見する、志望校の候補を広げたい人は大学の一覧も使えます。