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図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 3

3 年: 世界に出る

留学や海外の研修で、学んできた言葉を現地で使う 1 年です。日本で学ぶ人も、通訳・翻訳の演習や専門のゼミで、言葉を使って調べ、伝える力を磨きます。

空港の出発ロビーでスーツケースを引きながら手を振る学生と、留学先の大学の芝生で現地の学生と語り合う学生

ひとことで言うと

部活の遠征試合

ふだんの練習で身につけた技を遠征先の試合で試すと、通用するところと足りないところがはっきりします。留学も、教室で覚えた言葉を現地で試し、次に何を学ぶかを見つける場です。

01

留学のかたち: 数週間の研修から 1 年の交換留学まで

日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、2024 年度に海外留学を始めた日本人学生は 9 万 1,054 人でした。期間は 1 か月未満が 6 万 301 人で、全体の約 3 分の 2 を占めます。半年以上の留学は 1 万 1,700 人でした。

専攻分野では、人文科学が 4 万 2,246 人(46.4%)で最も多くなっています。留学先の国は、アメリカ・オーストラリア・韓国の順でした。

大学の制度で行く交換留学では、協定を結んだ海外の大学で学びます。東京外国語大学の派遣留学は 3 か月以上 1 年以内で、授業料は東京外国語大学に納め、留学先の授業料は免除されます。留学先で取った単位は、60 単位まで卒業に必要な単位として認められます。

国際教養大学のように、在学中に 1 年間の留学を全員に求める大学もあります。語学留学ではなく、200 以上ある提携大学から選び、専門の科目を現地の学生と一緒に学ぶ留学です。

図解留学のかたち(例)

短期研修

  • 夏休みや春休みに数週間
  • 語学や文化を集中して学ぶ
  • 1 か月未満が全体の約 3 分の 2

交換留学

  • 協定校で数か月〜1 年学ぶ
  • 授業料は在籍する大学に納める
  • 取った単位を読み替えられる

休学留学

  • 休学して海外の大学で学ぶ
  • 協定校以外の大学も選べる
  • 単位の扱いは大学による
青空の下、広い芝生の奥に建つ、時計塔のある砂岩造りの大学の建物
オーストラリアのシドニー大学。2024 年度の日本人学生の留学先では、オーストラリアがアメリカに次いで 2 番目に多い国でした。写真: Jason Tong(CC BY-SA 3.0・Wikimedia Commons)

02

留学先の 1 日: 現地の学生と同じ教室で

留学先では、言葉を学ぶだけでなく、言葉で学びます。国際教養大学の留学では、専門の科目を現地の学生と一緒に履修し、その単位が卒業に必要な単位の一部になります。

授業の外にも学びがあります。寮の食堂、スーパーのレジ、サークルの練習など、教室で覚えた表現を試す場面が 1 日に何度もあります。聞き取れなかった言い回しをメモし、夜に調べる。その繰り返しで、生きた言葉が身についていきます。

費用の支えになる制度もあります。日本学生支援機構の海外留学支援制度(協定派遣)は、大学のプログラムで 8 日以上 1 年以内の留学をする学生が対象です。奨学金は、地域に応じて月 8 万〜12 万円です。家計の基準を満たす人には、渡航のための 16 万円の支援金もあります。

教室の外の時間も、言葉を使う練習の場になります。

図解留学先の 1 日(例)

  1. 8:00寮で朝食ルームメイトと今日の予定を話す
  2. 9:00専門の授業現地の学生と同じ講義を受ける
  3. 12:00学食クラスメイトと課題を相談する
  4. 14:00グループワーク発表の準備を分担する
  5. 17:00サークル・ボランティア地域の人と話す機会をつくる
  6. 20:00復習と日記聞き取れなかった表現を調べる

03

通訳・翻訳の演習: 聞いて、覚えて、訳す

日本で学ぶ 3 年生にも、言葉を「使う」授業が増えます。その代表が通訳・翻訳の演習です。西南女学院大学の 3 年の英語通訳演習では、シャドーイングやリテンション、サイト・トランスレーションなどの訓練を重ねます。

シャドーイングは、聞こえた音声を影のように少し遅れて繰り返す練習です。リテンションでは、聞いた内容を覚えておく力を鍛えます。サイト・トランスレーションは、原稿を前から順に訳していく練習です。最後に、メモを取りながら区切って訳す逐次通訳に挑みます。

同じ授業では、毎日英語のニュース記事を読み、日本語と英語のニュースを聞いて、両方の語彙を増やすよう求めています。訳す力は、外国語だけでは育ちません。日本語の引き出しも増やすことが、通訳の土台です。

図解通訳演習の 1 回の流れ(例)

  1. 1内容をつかむ音声を聞いて要点を確かめる
  2. 2シャドーイング少し遅れて同じ音をまねる
  3. 3リテンション聞いた内容を覚えて言い直す
  4. 4サイトトランスレーション原稿を前から順に訳す
  5. 5逐次通訳メモを取り、区切って訳す
マイクが並ぶ長い机の奥に、ガラス窓の小部屋がいくつも並ぶ教室
ベルギーの KU ルーヴェン大学ブリュッセル・キャンパスにある通訳の練習室。奥のガラス張りの小部屋(ブース)に入り、ヘッドホンで聞きながら訳す練習をします。写真: FrDr(CC BY-SA 4.0・Wikimedia Commons)

04

専門ゼミ: 地域と言葉を深く調べる

3 年からは、1 人の先生のもとで学ぶ専門のゼミも始まります。東京外国語大学の言語文化学部では、2 年の秋に届け出た指導教員のゼミ(本ゼミ)を 3 年で必ず履修します。同じ先生の指導が、4 年の卒業研究まで続きます。

所属するコースは、指導教員がどちらのコースでゼミを開いているかで決まります。地域コースでは専攻語の地域を歴史・社会・文化から多面的に学び、超域コースでは言語学や通訳・翻訳などの分野を地域を超えて学びます。

派遣留学に行く人は、留学の前に希望する指導教員を決め、承諾を得ておきます。留学先で集めた資料や体験が、卒業研究の材料になることもあります。

図解地域コースと超域コース(東京外国語大学)

地域コース

  • 専攻語の地域を多面的に学ぶ
  • 東アジア・中東など 10 の地域
  • 歴史・社会・文化を横断する

超域コース

  • 地域を超えて分野で学ぶ
  • 言語学・言語教育学・通訳翻訳
  • 文学・文化理論・人間科学

05

つまずきやすい点と乗り越え方

留学の初めに戸惑いやすいのは、聞き取りの速さです。授業で慣れた先生の話し方と、現地の学生どうしの会話は大きく違います。最初の数週間は、分からなくて当たり前と考えて構いません。

慣れない食事や習慣で疲れ、気持ちが落ち込むこともあります。異なる文化に触れたときの戸惑いは、カルチャーショックと呼ばれます。一人で抱え込まず、留学先の大学の留学生の窓口や、日本の大学の担当者に早めに相談します。

出発前の準備も大切です。大学の事前の説明会で、緊急時の連絡先や保険を確かめておくと安心です。相談できる窓口を先に知っておくことが、留学を楽しむ土台になります。

クイズ3 年の学びクイズ

このページで紹介した内容から出題します。

  1. Q12024 年度に留学を始めた日本人学生で、いちばん多かった留学の期間は?

  2. Q22024 年度の日本人学生の留学先で、アメリカ・オーストラリアに次いで多かった国は?

  3. Q3国際教養大学が全員に求める 1 年間の留学は、どんな留学?

0 / 3 問に回答

高校生のうちに試せること

  • トビタテ!留学JAPAN を調べる

    文部科学省と日本学生支援機構の「トビタテ!留学JAPAN」には、高校生が対象のコースがあり、在籍する学校を通じて応募します。募集要項を読み、自分ならどの国で何を学ぶ計画を立てるか考えてみましょう。

    トビタテ!留学JAPAN
  • ニュースでシャドーイングをする

    英語のニュースを 1 分ほど選び、少し遅れて声に出して追いかけてみましょう。最初は原稿を見ながらで構いません。慣れたら見ずに挑戦すると、聞き取れていない音がはっきりします。

  • 留学の統計を読む

    日本学生支援機構の「日本人学生留学状況調査」では、留学先の国や期間、専攻分野ごとの人数が分かります。興味のある国に、毎年どのくらいの学生が留学しているか調べましょう。

    日本人学生留学状況調査(日本学生支援機構)

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よくある質問

留学しないと卒業できませんか?

大学によって異なります。国際教養大学のように在学中の 1 年間の留学を全員に求める大学もあれば、東京外国語大学のように、希望する人が派遣留学や短期の研修を選ぶ大学もあります。

留学には、どのくらいお金がかかりますか?

留学先と期間で大きく変わります。東京外国語大学の派遣留学のように、在籍する大学に授業料を納め、留学先の授業料は免除される交換留学があります。日本学生支援機構の協定派遣の奨学金は、地域に応じて月 8 万〜12 万円です。

通訳者になるには、3 年の演習だけで足りますか?

演習は入口です。学部では、通訳に必要な語学力と基礎の訓練を身につけます。仕事にするには、大学院や専門の訓練でさらに技術を磨く人もいます。