公務員をめざす大学生が知っておきたいのは、国家公務員の大卒程度の試験が春と秋に分かれていて、2027 年の春の試験は 2026 年より約 1 か月早まるという点です。人事院が 2026 年 3 月に発表した日程では、総合職(春)の第 1 次試験が 2027 年 2 月 28 日、専門職(大卒程度)が 4 月 25 日、一般職(大卒程度)が 5 月 2 日です。地方公務員は自治体ごとに日程が違い、民間と同じ 3 月ごろに受けられる早期の試験を設ける所もあります。2026 年度に実際にあった日程を並べて、大学 1〜3 年生の動き方の目安をまとめました(2026 年 10 月 22 日に公式の発表と案内で確かめています)。
国家公務員の試験は、申込から官庁訪問まで 4 段階
国家公務員の大卒程度の試験には、総合職・一般職・専門職があります。どれも、インターネットで申し込み、第 1 次試験(筆記)、第 2 次試験(人物試験など)を受けて最終合格し、そのあと各府省の面接である官庁訪問を経て採用が決まります。最終合格だけでは採用は決まらず、受験案内にも「各府省等に採用されるためには、官庁訪問を行い、各府省等の面接などを受けることが必要」と書かれています(人事院「国家公務員採用総合職試験 受験案内」2026 年度)。
2026 年度に実施された日程は次のとおりです(人事院「国家公務員試験採用情報NAVI」各試験のページ、2026 年 10 月 21 日更新分)。
| 試験(大卒程度) | 申込 | 第 1 次 | 第 2 次 | 最終合格発表 |
|---|---|---|---|---|
| 総合職(春。教養区分の春も同じ申込・第 1 次・最終合格の日) | 2 月 2 日〜2 月 24 日 | 3 月 15 日 | 筆記 4 月 12 日、人物 4 月 20 日〜5 月 15 日 | 5 月 29 日 |
| 総合職(秋・教養区分) | 7 月 31 日〜8 月 24 日 | 10 月 4 日 | 11 月 24 日〜27 日の指定の 2 日間 | 12 月 17 日 |
| 一般職 | 2 月 19 日〜3 月 23 日 | 5 月 31 日 | 7 月 8 日〜7 月 24 日 | 8 月 12 日 |
| 専門職(国税専門官の例) | 2 月 19 日〜3 月 23 日 | 5 月 24 日 | 6 月 22 日〜7 月 9 日 | 8 月 12 日 |
図: 国家・地方の主な試験の 1 年の時間軸(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 人事院、東京都、特別区人事委員会、大阪府人事委員会の公表資料)
官庁訪問の日程は、試験とは別に年度ごとに決まります。2026 年度は、総合職(春)が 6 月 10 日(水)から始まり、内々定の解禁が 6 月 22 日(月)15 時以降でした。一般職は訪問が 7 月 2 日(木)から始まり、内々定の通知は最終合格発表日の 8 月 12 日(水)9 時以降でした。秋の教養区分は、12 月 21 日(月)に訪問が始まり、12 月 24 日(木)に内定が解禁されました(人事院「2026 年度総合職官庁訪問ルール」「2026 年度一般職官庁訪問ルール」)。専門職の採用の流れは、志望する機関ごとの案内で確かめてください。
総合職の「教養区分」とは
教養区分は、総合職(大卒程度)にある区分のひとつです。第 1 次試験は基礎能力試験と総合論文試験、第 2 次試験は企画提案試験・政策課題討議試験・人物試験です。人事院は 2025 年 11 月、教養区分を春の試験でも受けられるようにし、大学 1 年生の 3 月から受験できると発表しました。春と秋を合わせて、大学 4 年生までの間に最大 6 回受けられます。合格の有効期間は 7 年間で、ほかの区分の 5 年間より長くなっています(人事院「2026 年の国家公務員採用総合職試験(春)等の日程について」2025 年 11 月 14 日)。
2027 年の春は、国家の試験が約 1 か月早くなる
人事院は 2026 年 3 月 5 日、2027 年春の試験を前倒しすると発表しました。最終合格が早まるため、内々定の時期も 1 か月ほど早まるとしています。
| 試験(大卒程度) | 2026 年(実績) | 2027 年(予定) |
|---|---|---|
| 総合職(春)第 1 次 | 3 月 15 日 | 2 月 28 日 |
| 総合職(春)最終合格 | 5 月 29 日 | 5 月下旬 |
| 専門職 第 1 次 | 5 月 24 日 | 4 月 25 日 |
| 一般職 第 1 次 | 5 月 31 日 | 5 月 2 日 |
| 申込の期間 | 総合職 2 月 2 日〜、一般職・専門職 2 月 19 日〜 | 総合職は 1 月下旬〜2 月上旬、一般職・専門職は 2 月上旬〜3 月上旬 |
2027 年の申込期間の正確な日付と、第 1 次試験の合格発表以降の日程は、人事院が 2026 年 11 月中旬ごろに公表する予定です。秋の教養区分は 2026 年 12 月下旬の予定です。2027 年度の受験資格(卒業見込みの年など)も、受験案内が出てから確かめてください。2026 年度の案内では、2027 年 3 月までに大学を卒業する見込みの人も受験できると書かれています。
地方公務員は自治体ごとに違う。早期に受けられる試験もある
地方公務員は、都道府県・市区町村ごとに人事委員会などが試験を行います。ここでは、日程と早期の試験が公式に確かめられた 3 つの例を並べます。どれも 2026 年度の実績で、2027 年度の日程は 2026 年 10 月 22 日時点で確かめられた範囲では公表されていません。
| 自治体・試験 | 申込 | 第 1 次 | 最終合格発表 | 試験の内容など |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 1類B 一般方式(春) | 2 月 16 日〜3 月 10 日 | 4 月 19 日 | 7 月 10 日 | 一般教養・論文・専門の記述 |
| 東京都 1類B 新方式(春) | 2 月 16 日〜3 月 2 日 | 3 月 11 日〜24 日の選んだ日 | 5 月 29 日 | 第 1 次は適性検査(SPI3)のみ。名簿の有効期間は 3 年 |
| 東京都 1類B 新方式 第 2 回 | 8 月 25 日〜9 月 7 日 | 9 月 18 日〜10 月 8 日の選んだ日 | 12 月 11 日 | 大学 3 年生相当年齢(21 歳)から受験可 |
| 特別区(東京 23 区)1類 早期SPI枠 | 2 月 5 日〜2 月 18 日 | 3 月 4 日〜17 日の選んだ日 | 5 月 29 日 | 事務(一般事務)のみ。SPI3-U |
| 特別区 1類 春試験 | 3 月 6 日〜3 月 23 日 | 4 月 19 日 | 7 月 15 日(技術系)・7 月 24 日(事務など) | |
| 特別区 1類 秋試験 | 7 月 16 日〜7 月 30 日 | 9 月 13 日 | 11 月 20 日 | |
| 大阪府 行政(大学卒程度) | 3 月 1 日〜3 月 25 日 | 4 月 2 日〜16 日(SPI3) | 7 月 10 日 | 対象年齢は 22 歳から 25 歳 |
(東京都「令和 8 年度 東京都職員 1 類 A、1 類 B 採用試験の日程等」2025 年 12 月 19 日、同「1 類 B 採用試験(新方式・第 2 回)の試験案内の公表について」2026 年 8 月 20 日、特別区人事委員会「令和 8 年度特別区職員採用試験・選考 実施日程」「Ⅰ類採用試験案内【早期SPI枠】」2026 年 2 月 5 日、大阪府「大阪府職員採用試験実施予定」「令和 8 年度大阪府職員採用試験〔行政・警察行政(大学卒程度)〕の実施結果について」2026 年 7 月 10 日)
民間の就活と同じ時期に受けられるのは、東京都の新方式(春)や特別区の早期 SPI 枠のように、第 1 次を SPI だけ(特別区は SPI3-U)で行う試験です。東京都は、新方式は公務員試験のための特別な準備を必要としない適性検査(SPI3)のみと説明しています。専門科目の筆記がないため、国家の一般職や東京都の一般方式とは準備の中身が違います。
併願には決まりがあります。特別区の早期 SPI 枠に申し込んだ人は、同じ年度の特別区Ⅰ類の春試験と経験者採用試験に申し込めません。ただし、秋試験には申し込めます。早期 SPI 枠か春試験で最終合格した場合は、秋試験に申し込めなくなります(特別区人事委員会の案内)。大阪府の行政も第 1 次は SPI3 で、大阪府は 2026 年 8 月 12 日・13 日に、大学 1〜3 年生を対象にした「仕事研究セミナー」を府庁で開きました(大阪府「令和 8 年度 大阪府職員業務説明会」)。
学年ごとの動き(公式の日程から逆算した目安)
下の表は、2026 年度の実績と 2027 年の予定から逆算した目安で、公式に決まった行動の指示ではありません。学年は 2026 年 10 月時点です。民間企業の就活の日程は大学の就活はいつからいつまでで説明しているので、ここでは繰り返しません。
| いまの学年 | 公式の日程から見た時期 | 動き方の目安 |
|---|---|---|
| 1 年生 | 総合職の教養区分は、大学 1 年の 3 月から受けられる(2026 年度の実績) | 受験案内が出る時期(春の試験は 2〜3 月に申込)と、受験資格を確かめる。志望先の仕事を知る説明会に行く |
| 2 年生 | 国家は 11 月中旬、教養区分の秋は 12 月下旬に 2027 年の日程が出る | 国家・地方のどちらを考えるかを決める。受験案内で試験の科目を見る。夏休みなどに自治体のセミナーを探す |
| 3 年生 | 2027 年の春: 総合職の第 1 次 2 月 28 日、専門職 4 月 25 日、一般職 5 月 2 日。地方の早期の試験は 2〜3 月に申込・3 月に第 1 次(2026 年度の例) | 2026 年 11 月中旬に出る国家の申込期間を確かめる。地方は志望先の採用ページで、前年度の日程と今年の案内の出る時期を見る |
| 4 年生 | 春は第 1 次(4〜5 月)、第 2 次(6〜7 月)、官庁訪問(6〜7 月)。秋は第 1 次(9〜10 月) | 最終合格のあとは官庁訪問や自治体の面接。秋の試験(特別区は 7 月、東京都の新方式第 2 回は 8 月に申込)もある |
法学部の人は、総合職に法律区分があります(受験案内)。学部ごとの学びの内容は法学のページで見られます。自分の大学のキャリア支援や公務員試験の講座の有無は、大学のページから公式サイトで確かめてください。
次にすること
- 志望する官庁・自治体の採用ページを開き、2026 年度の日程と、2027 年度の案内がいつ出るかを確かめる。人事院は 2026 年 11 月中旬に国家の春の日程を公表する予定です。
- 説明会の案内を探す。2026 年度の一般職の官庁訪問ルールでは、人事院が第 1 次試験の合格発表の前後に説明会を開く検討をするとされていました。
- 受験資格の年齢や卒業見込みの年を、受験案内で読む。自治体ごとに「生年月日」で決める所、「大学卒業見込み」で決める所があります。
よくある迷い
民間企業と併願できますか
民間企業との併願を禁じる決まりは、確かめた資料には出ていません。人事院の官庁訪問ルールでは、民間企業の面接などがある人の行動を過度に制限しないよう、各府省に配慮を求めています。ただし、公務員の試験どうしには、特別区のような併願不可の条件があります。
3 年生でも受けられる試験はありますか
あります。総合職の教養区分は大学 1 年の 3 月から、東京都の新方式(第 2 回)は大学 3 年生相当年齢(21 歳)から受けられます(人事院、東京都の発表)。特別区の早期 SPI 枠も、2026 年度は 2027 年 3 月までに卒業見込みの人が対象で、第 1 次は 3 月でした。ただし、大阪府の行政のように年齢だけで決める試験や、年度で条件が変わる試験もあるので、受験案内の受験資格を必ず見てください。
いつから勉強を始めればいいですか
公的な資料に「いつから勉強を始めるべきか」は書かれていません。確かめられるのは、試験の内容です。総合職(大卒程度)の第 1 次試験は、基礎能力試験(知能分野 24 題と、時事・情報などの知識分野 6 題)と専門試験などで行われます(人事院の受験案内)。東京都の新方式や特別区の早期 SPI 枠は SPI のみなので、準備の中身は違います。先に受けたい試験の日程と科目を決めると、逆算しやすくなります。
地方は自治体ごとに違いますか
違います。日程も、早期の試験があるかも、自治体の人事委員会が決めています。東京都は一般方式と新方式、特別区は早期 SPI 枠・春・秋、大阪府は春の SPI3 と、同じ大卒程度でも形が分かれていました。
