令和 9 年度(2027 年 1 月 16・17 日)の大学入学共通テストで、病気・負傷や障害などのための「受験上の配慮」を出願前に申請する期間は、2026 年 10 月 2 日(金)に終わっています(大学入試センター「令和 9 年度 受験上の配慮案内」)。いまから申請できるのは、出願したあとのけが・発病などで配慮が必要になった場合だけで、期間は 12 月 10 日(木)から 2027 年 1 月 12 日(火)17 時までです。高校 2 年生は、令和 10 年度試験に向けて、来年の出願前の申請から準備します。どの場合も、まず高校の先生に相談することから始められます。

令和 9 年度の申請の時期と、いま使えるもの

受験上の配慮の申請は、郵送だけで受け付けられます。出願前の申請には第 1 期と第 2 期があり、審査結果が届く時期が違います。出願後の不慮の事故などによる申請は、別の窓口と手順です(大学入試センター「令和 9 年度 受験上の配慮案内」2 申請方法等・6 出願後の不慮の事故等による受験上の配慮)。

申請の時期申請期間審査結果・通知
第 1 期(出願前)7 月 1 日(水)〜8 月 28 日(金)必着(8 月 26 日(水)消印有効)「受験上の配慮事項審査結果通知書」が 9 月 24 日(木)までに届く
第 2 期(出願前)8 月 31 日(月)〜10 月 2 日(金)必着(9 月 30 日(水)消印有効)出願した人に、11 月下旬に審査結果通知書が届く
出願後の不慮の事故等12 月 10 日(木)〜2027 年 1 月 12 日(火)17 時「受験上の配慮事項決定通知書」を本人に送付

受験上の配慮の申請だけでは、共通テストに出願したことにはなりません。出願は、申請書をダウンロードしたのと同じアカウントで行います(同案内)。

共通テストの受験上の配慮の申請の時期と流れ。第 1 期・第 2 期・出願後の 3 つの時期、相談から当日までの 6 つの手順、3 種類の通知書、高 3 と高 2 の次の行動を並べた図

図: 受験上の配慮の申請の時期と流れ(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 大学入試センター「令和 9 年度 受験上の配慮案内」)

出願前の申請を済ませた高 3 は、出願した人に 12 月上旬〜中旬に「受験上の配慮事項決定通知書」が郵送されます。高校に在学している卒業見込みの人(通信制課程を除く)の通知書は、在学している高校に送られ、高校から本人に渡されます。届いたら記載事項を確認し、誤りや漏れがあれば大学入試センター事業第 1 課へ連絡します(同案内 5)。

出願前に申請しなかった高 3 は、出願後の申請を使えるかどうかが分かれ目です。この申請は、申請する理由が出願後に発生した場合に限られ、出願時までに申請すべき内容だった場合は対象になりません(同案内 6)。案内には、交通事故、負傷、発病、症状の悪化が挙げられています。

配慮の対象と例

配慮案内は、対象を視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・病弱・発達障害・その他の 6 区分に分けています。次の表は案内の「主な配慮事項の例」から一部を抜き出したものです。表の例以外の配慮事項も、障害等の種類や程度にかかわらず申請できます(同案内 3-1 主な配慮事項)。

区分主な配慮事項の例(案内の表から一部)
視覚障害点字解答、文字解答、試験時間の延長、拡大文字問題冊子(14 ポイント・22 ポイント)の配付
聴覚障害手話通訳士等の配置、注意事項等の文書による伝達、座席を前列に指定、補聴器または人工内耳の装用
肢体不自由チェック解答、代筆解答、試験時間の延長、介助者の配置、車椅子・杖・特製机・椅子の持参使用
病弱1 階またはエレベーターが利用可能な試験室で受験、座席を試験室の出入口に近いところに指定、別室の設定
発達障害試験時間延長(マークシート解答)、チェック解答、拡大文字問題冊子の配付、注意事項等の文書による伝達、別室の設定
その他トイレに近い試験室での受験、座席を試験室の出入口に近いところに指定、別室の設定

案内には、「配慮事項は、高等学校等での配慮の実施状況にかかわらず、必要に応じて申請することができる」とあります。大学入試センターの Q&A でも、高校で受けていない配慮事項を申請できるかという問いに「申請できます」と答えています(大学入試センター「受験上の配慮 Q&A」)。決定した配慮事項の再審査は行われないため、第二希望を申請することもできます。

サポーター・包帯・ギプス・コルセットや白杖のように、申請せずに使えるものもあります(同案内 3-4)。何が必要か、申請が要るのかは、診断を受けている医師と相談して決めます。

申請の書類と、高校の先生に最初に相談する理由

出願前の申請には、次の 3 つの書類がすべて必要です(同案内 2 申請方法等)。

書類中身だれが書くか
【A】受験上の配慮申請書氏名・住所と、希望するすべての配慮事項志願者本人(様式は本人のマイページからダウンロード)
【B】診断書診断名、現症、配慮が必要な理由。区分に応じて B1〜B5 の様式医師
【C】状況報告書高校等でのこれまでの配慮の実施状況卒業見込みの人は高校の学校担当者

試験時間を 1.5 倍に延長したい場合は、これに加えて、必要な具体的理由やこれまでの取り組みを示した資料(校長または専門家が作成。個別の指導計画・個別の教育支援計画の写しでも可)が必要です。

高校の先生への相談から始める理由は、この表にあります。令和 9 年度から、【C】状況報告書は受験上の配慮を申請する全員の必須書類になりました。令和 8 年度までは、特定の配慮事項や発達障害の区分で申請する場合だけでした(大学入試センター「令和 9 年度大学入学共通テスト 障害等のある方への受験上の配慮について」)。卒業見込みの人の分は学校の担当者が書き、書類は学校経由または個人で提出できます。高校がこれまでどんな配慮をしてきたかが、書類の中身になります。

受験上の配慮の主な例と必要書類、大学の個別試験は別に申請することを整理した図。6 つの区分ごとの配慮の例、A・B・C の 3 書類と書く人、共通テストと大学ごとの申請の違いを並べている

図: 配慮の例・必要書類・大学ごとの申請(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 大学入試センター「令和 9 年度 受験上の配慮案内」・東京外国語大学・九州大学の入学者選抜要項)

出願後の申請は、書類が少なくなります。大学入試センター所定の【B】診断書(原本)に、医師が発症等の時期と配慮が必要な理由を書きます。【A】申請書と【C】状況報告書の作成・提出は要りません。手順は次のとおりです(同案内 6)。

  1. 希望する配慮事項を、案内の 3-1・3-2 で確かめる。
  2. 【B】診断書を医師に書いてもらう。
  3. 12 月 4 日(金)10 時以降に、共通テスト出願サイトで受験票を取得して印刷する。
  4. 受験票に書かれた「問合せ大学」に電話し、申請窓口の場所を確かめる。
  5. 本人か代理人(保護者等)が、診断書の原本と受験票を問合せ大学に持参し、窓口で申請書を書いて申請する。
  6. 大学入試センターから届く「受験上の配慮事項決定通知書」で結果を確かめ、試験当日に持参する。

試験は受験票に書かれた会場で受けるため、試験直前の申請や会場の設備の状況によっては、希望した配慮ができないことがあります。準備ができ次第すぐに申請するよう案内に書かれています。決定通知書が試験の前日までに届かないときは、大学入試センターから電話で結果が伝えられます。令和 9 年度の日程は、令和 9 年度共通テストの日程の記事にあります。

大学の個別試験の配慮は別に申請する

共通テストの配慮を申請しても、大学が自分で行う個別試験の配慮を申請したことにはなりません。大学入試センターの案内は、「大学入学共通テストの受験上の配慮の申請を行っただけでは、各大学が実施する教科・科目に係る個別テスト等での受験上の配慮を申請したことにはなりません」と注意しています。志望大学が定めている期日までに、志望大学へ相談します。入学後の修学上の配慮も、あわせて相談する内容です(同案内 7)。

文部科学省の「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項」も、障害のある入学志願者への合理的配慮を各大学に求めています。事前相談の体制をつくり、申請手続きを明確に示しておくことが望ましいとされ、配慮の例として、点字・拡大文字による出題、試験時間の延長、文書による注意事項の伝達などが挙がっています(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項」第 13 の 2(2))。

大学の資料から、2 校の例を見ます。東京外国語大学の 2027 年度入学者選抜要項では、障害等のある入学志願者の事前相談の受付期間が 2026 年 12 月 11 日(金)までです。所定の様式と、医師の診断書(原本)などを郵送または窓口で出し、共通テストの受験上の配慮事項決定通知書を受けている人は、その写しも付けます。受付期日のあとに配慮が必要になった人は、電話等で相談するよう書かれています。

九州大学の 2027 年度入学者選抜要項は、受験上の配慮について、各入学者選抜の募集要項で別に定めた期日までに相談がない場合は、配慮が講じられないことがあると書いています。点字解答のように準備に時間がかかる配慮は、早めの相談を求めています。共通テストの配慮の決定を受けた人は、申請書の写しと決定通知書の写しも出します。期日は各選抜の募集要項で確かめます。志望大学は大学の一覧から探せます。

高 3 と高 2 が次にすること

高 3 で出願前に申請した人は、12 月上旬〜中旬の決定通知書を待ち、届いたら内容を確かめます。同時に、志望大学の個別試験の配慮の相談期日を、募集要項で確かめます。申請しなかった人は、出願後にけがや病気が起きた場合に限り、12 月 10 日〜1 月 12 日 17 時の申請を使えます。

高 2 は、令和 10 年度試験(本試験は 2028 年 1 月 15 日(土)・16 日(日))が対象です。2026 年 10 月 24 日の時点で、大学入試センターの令和 10 年度試験のページには、受験上の配慮案内と申請期間は載っていません。令和 9 年度は、案内の公開が 6 月下旬、申請期間が 7 月 1 日〜10 月 2 日で、第 1 期に出すと出願期間中に結果が届きました。令和 10 年度の日程は、公表されたものを確かめてください。高 2 のうちにできるのは、担任や進路指導の先生に、配慮を希望していることと、いま高校で受けている配慮を伝え、状況報告書を誰が書くかを確かめておくことです。

Q. 高校で配慮を受けたことがなくても申請できますか。

できます。案内にも Q&A にも、高校での配慮の実施状況にかかわらず、必要に応じて申請できると書かれています。高校での状況は状況報告書に書きます。

Q. 申請するかどうか迷っています。どこに聞けばよいですか。

大学入試センターが事前相談を受け付けています。志願者問合せ専用電話は 03-3465-8600 で、受付は 9:30〜17:00(土・日曜、祝日、12 月 29 日〜1 月 3 日を除く)です。診断や症状の判断は、受診している医師と相談します。この記事は医療の判断を示すものではありません。

Q. 共通テストで配慮が決まれば、大学の試験でも同じ配慮が受けられますか。

自動では受けられません。大学の個別試験は、大学ごとに事前相談をします。決定通知書の写しの提出を求める大学もあります。

Q. 入学後の支援はどこで受けますか。

大学の障害学生支援の窓口で、申し出から面談へ進みます。窓口の探し方は学生相談室の記事にあります。