2027 年度入試(2027 年 4 月入学)は、総合型選抜で面接による評価を必ず行い、学校推薦型選抜でも原則として面接を行う入試です(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項」2026 年 5 月)。11〜12 月に面接を受ける高校 3 年生は、何を聞かれるのかが気になる時期だと思います。ただ、募集要項に書かれているのは質問そのものではなく、面接の形式と評価の観点です。この記事では、6 つの大学の 2027 年度の資料から拾い、志望理由と学びたいことの整理につなげます。質問と回答の例文は載せていません。必須化の経緯と日程は2027 年度の推薦・総合型選抜の記事にまとめています。
実施要項は「面接」に何を含めているか
実施要項は、総合型選抜について、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接を「必ず行う」と定めています。この面接には「ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む」と書かれています。討論や発表、口頭試問も面接として扱われます。
面接は一般選抜でも行われます。次の表の広島大学や順天堂大学がその例です。
6 校の面接の形式を比べる
国公私立 6 校の 2027 年度の資料から拾いました。すでに出願が終わった選抜も含むので、形式と観点の例として読んでください。
| 大学・選抜 | 面接の形式(資料のとおり) | 面接の進め方で書かれていること |
|---|---|---|
| 大阪大学 医学部医学科 学校推薦型選抜 | 個人面接(30 分)を 2 回。2027 年 2 月 7 日 | 志願者が提出した書類(特に自己 PR 資料、志望理由書)に基づく |
| 大阪大学 医学部保健学科 学校推薦型選抜 | 看護学専攻は口頭試問、放射線技術科学専攻は面接、検査技術科学専攻は小論文及び面接(集団面接を含む)。2027 年 2 月 6 日 | 口頭試問又は面接のときに、所定様式の自己 PR 資料を使う |
| 大阪大学 歯学部 学校推薦型選抜 | 個人面接。必要に応じ英語で行う場合がある | 第 1 次選考(提出書類)の合格者に実施 |
| 北海道大学 医学部医学科 フロンティア入試(総合型選抜) | 個人面接(MMI 形式を含む)。課題論文とあわせて実施 | 自己推薦書、諸活動の記録等も参考にする |
| 北海道大学 理学部地球惑星科学科 フロンティア入試 | 総合問題を課し、面接を行う | 第 2 次選考日は 2026 年 11 月 15 日 |
| 広島大学 医学科 一般選抜(前期日程) | 個別面接。複数の面接員で評価 | 調査書及び履歴書に記載された活動等も参考にする |
| 順天堂大学 医療看護学部 総合型選抜・学校推薦型選抜 | 小論文・総合問題のあとに個人面接。一般選抜は一次試験の合格者だけが二次試験で個人面接 | 志望理由書、調査書、推薦書等を参考にする。総合型選抜は、達成したことを示す資料(3 点以内)を持参する |
| 国際基督教大学 総合型選抜(4 月入学専願) | 2027 年度から第二次選考を対面面接に(2026 年度はオンライン)。2028 年度入学からは、10 分間のプレゼンテーションを含む個人面接(対面) | 探究学習で取り組んだ課題や自主研究の成果についての発表 |
| 香川大学 教育学部 総合型選抜Ⅰ | 2027 年度入試からグループ・ディスカッションを廃止。面接・調査書等の評価と、口頭試問もしくは実技試験 | 2025 年 3 月に変更を公表 |
(各大学の 2027 年度の募集要項・入学者選抜に関する要項・入試のお知らせ。一覧は記事の下)
形式は大学・学部・年度で変わります。同じ大阪大学でも、医学科は個人面接を 2 回、保健学科は専攻ごとに口頭試問、面接、集団面接を含む形に分かれます。香川大学は、前の年度まで行っていたグループ・ディスカッションをやめました。去年の体験談は、形式が今年も同じとは限りません。今年度の要項で確かめてください。

図: 大学入試の面接 形式・観点・配点・準備の 5 段(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 文部科学省の実施要項と各大学の 2027 年度募集要項)
大学が面接の評価の観点として書いている言葉
観点の言葉を細かく書いていたのは、確かめた範囲では医療系の学部が中心でした。原文は次のとおりです。
| 大学・学部 | 面接で評価・確認すると書かれていること(原文) |
|---|---|
| 大阪大学 歯学部 | 「医療人になるための適性や明確な目的意識を持っている者を積極的に受け入れることを目的に行い、①全般的態度 ②受験の動機、目的、意識 ③意欲、積極性 ④協調性、柔軟性 ⑤生命科学の勉学・研究に必要な適性と能力を評価します」 |
| 大阪大学 薬学部 | 「一般的態度、思考の柔軟性、発言内容の論理性等及び提出書類の内容を含めて評価します」。個人面接を 2 回 |
| 大阪大学 医学部医学科 | 学校推薦型選抜の面接で、「求める人材像」のうち、倫理観に裏付けられた人間性とリーダーシップ、医学への貢献の信念と行動力、柔軟性と探究心、協調性と責任感に関する資質を評価する |
| 北海道大学 理学部地球惑星科学科 | 面接は「意欲、目的意識、論理的思考力を問う」 |
| 北海道大学 医学部医学科 | 「自己推薦書、諸活動の記録等も参考として、意欲、目的意識、実行力、適性等を問う。さらに、医療における『研究』と『臨床』を包括的に踏まえて研鑽していける、優れた資質・能力を問う」 |
| 広島大学 医学科・歯学科 | 医学科は「医療人としての適性」、歯学科は「歯科医療人としての適性」を複数の面接員で評価する |
| 順天堂大学 医療看護学部 | 「受験生の人となりや感性と教養を見極める方法として、小論文試験や面接試験を実施する」(入学者選抜の基本方針) |
共通する言葉があります。「意欲」「目的意識」「受験の動機」は、北海道大学と大阪大学の複数の学部に出てきます。「論理的思考力」「発言内容の論理性」は、話の筋道を見る言葉です。「協調性」「柔軟性」「全般的態度」は、人との関わり方や面接中の様子を見る言葉です。実施要項が面接に求めているのも「志望する学問分野に対する意欲や適性等」の確認なので、大学が観点に置く中心は、なぜこの学部で学びたいのか、入学後に何をしたいのかを自分の言葉で説明できるかどうかだと読めます。
ICU のように、面接で何を評価するかが資料に書かれていない大学もあります。その場合は、募集要項の選抜方法の欄と、志望学部のアドミッション・ポリシーを読むのが近道です。
面接の配点と、合否にどう関わるか
面接の点数や、評価が低いときの扱いを書いていた大学もあります。
| 大学・学部 | 面接の配点・評価の方法 | 合否について書かれていること |
|---|---|---|
| 大阪大学 医学部医学科 学校推薦型選抜 | 第 2 次選考の総合計 300 点(共通テスト 100 点、提出書類・小論文・面接を合わせて 200 点) | 「面接の結果によって、医師及び医学研究者になる適性に欠けると判断された場合は、不合格とします」 |
| 大阪大学 歯学部 学校推薦型選抜 | 面接 200 点(総合計 300 点。共通テストは 100 点に換算) | 「面接の得点が概ね 80%以上であることが必要です」 |
| 大阪大学 法学部 総合型選抜 | 面接 30 点(総合計 200 点) | 共通テストの得点合計が満点中概ね 80%以上であることが必要(面接についての条件は書かれていません) |
| 北海道大学 理学部地球惑星科学科 | 面接 25 点(第 2 次選考で総合問題等が 75 点) | 面接についての足切りは書かれていません |
| 広島大学 医学科 前期日程 | 面接 200 点満点 | 面接の点数が 50 点以下の場合は、総合点の順位に関係なく不合格 |
| 広島大学 歯学科 前期日程 | A(受入可)・B(受入不可)の評価 | B の場合は、共通テストと個別テストの総合点に関わらず不合格 |
| 広島大学 保健学科 理学療法学・作業療法学専攻 | A(可)・B(不可)の 2 段階評価 | 面接員全員が B と評価した場合は、総合点の順位に関係なく不合格 |
面接の配点は、25 点から 200 点満点まで選抜ごとに違います。点数の割合が小さい選抜でも、広島大学の歯学科のように、評価が一定を下回ると合計点に関係なく不合格になる決まりがあります。面接は、大学が求める適性があると伝わるかを確かめる場だと考えて準備するのがよいと思います。指定校推薦の面接の評価の書き方は指定校推薦で落ちる? 面接・欠席日数・書類の条件と合格取り消しに書きました。
面接は出した書類をもとに行われる:準備の 5 段
表のとおり、大阪大学の医学科は提出書類(特に自己 PR 資料、志望理由書)に基づいて、広島大学は調査書及び履歴書の活動等も参考にして、順天堂大学は志望理由書や調査書等を参考にして面接を行うと書いています。北海道大学は自己推薦書や諸活動の記録等を参考にし、ICU は探究学習の成果の発表そのものが面接に入っています。多くの大学で、面接は出願書類に書いたことを、本人の言葉で確かめる場になっています。準備は、書いたことを説明できるようにするところから始まります。志望理由書の材料の集め方は志望理由書の記事、総合型選抜の仕組みは総合型選抜とはにあります。
面接の準備の助言を載せた大学の資料は、今回は見つかりませんでした。次の 5 段は、上の資料に合わせた編集部の提案です。
1. 受ける選抜の要項で、形式と持ち物を確かめる。 個人かグループか、時間と回数、対面かオンラインか、持参する資料はあるか。30 分を 2 回行う選抜も、資料を持参する選抜も、発表が入る選抜もあります。
2. 大学が使っている観点の言葉を書き出す。 募集要項の選抜方法の欄と、アドミッション・ポリシーから、「意欲」「目的意識」「適性」のような言葉を拾い、ノートに写します。
3. 出した書類を読み返す。 志望理由書、自己推薦書、活動の記録に書いたことを、どれも自分の言葉で説明できるか確かめます。書いたけれど説明できないところは、材料集めに戻ります。
4. 志望理由と学びたいことを、順序を決めて話してみる。 なぜその学部か、入学後に何を学びたいか、そのために高校でどんなことをしてきたか。声に出して話し、高校の先生や家族に聞いてもらうと、つながりの弱いところに気づけます。大学の個別の学びは、大学カタログの大学の一覧から志望校のページを開いて、学部や研究室を見て確かめられます。
5. 当日の流れを確かめる。 集合時間、場所、持ち物、オンラインなら接続の方法。
11〜12 月に面接を受ける人は、手順 1 と 2 を今週中に済ませ、3 と 4 に時間を使うのがよいと思います。
よくある迷い
想定質問集を覚えれば足りますか。
大学の募集要項に載っているのは、観点と形式です。質問と回答の一覧は載っていません。大阪大学や広島大学、順天堂大学は、提出した書類をもとに面接を行うと書いています。書類に何を書いたかで話す内容が変わると読めるので、まず自分の書類を説明できるようにするのが先です。
志望理由書と違うことを話してもよいですか。
書類をもとに行う大学では、食い違うと伝わりにくくなります。書いた内容を土台に、書ききれなかった経験や考えを足す形がよいと思います。
グループ討論や口頭試問になることはありますか。
あります。実施要項は、面接に集団討論や口頭試問を含められるとしています。大阪大学の保健学科看護学専攻は口頭試問でした。
面接がない選抜もありますか。
あります。非公募で入学を確約して受ける学校推薦型選抜は、面接の要否を大学が判断できます。前からある区分には 2029 年度入試までの猶予もあります。詳しくは2027 年度の推薦・総合型選抜の記事にまとめています。
