図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 2
2 年: 理論の土台をつくる
ミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学という 3 本の柱を、講義と演習で本格的に学ぶ 1 年です。後半からは、3 年で入るゼミ選びも始まります。

ひとことで言うと
山歩きの地図とコンパス
山を歩くには、地図とコンパスの両方が要ります。地図だけでは今いる場所が分からず、コンパスだけでは道が分かりません。2 年で学ぶミクロ・マクロの理論は地図、計量経済学はコンパスにあたり、2 つがそろうと経済という山を自分で歩けるようになります。

01
講義と演習: 理論を問題で確かめる
2 年の中心は、ミクロ経済学とマクロ経済学です。関西大学の経済学部では、2 年からの基本科目に、ミクロ・マクロ経済学や計量経済学入門、ゲーム理論、日本経済史などが並びます。
東洋大学の経済学科では、2 年にミクロ経済学とマクロ経済学に加えて、それぞれの「演習」が置かれています。講義で理論を学び、演習で問題を解いて使い方を確かめる組み合わせです。
2 年の授業は、前の週の内容を前提に次の話が進みます。1 回休むと、次の回のグラフや式が分からなくなることもあります。その週のうちに演習問題を解いておくと、試験の前に慌てずに済みます。
2 年の授業は積み上げ式です。講義と演習を毎週セットで進めるのがこつです。
図解2 年生の 1 週間(例)
- 月ミクロ経済学消費者と企業の選択をグラフで追う
- 火マクロ経済学GDP と物価の関係を学ぶ
- 水ミクロの演習問題を解き、解き方を説明し合う
- 木計量経済学入門パソコンで回帰分析を試す
- 金経済史・英語昔の制度と今を比べる
- 放課後ゼミの説明会3 年からのゼミを見て回る

02
ミクロとマクロ: 小さな選択と国全体
ミクロ経済学は、消費者や企業の 1 つひとつの選択から、市場で値段と量がどう決まるかを考えます。少し値下げしたら売上はどう変わるか、税をかけたら誰が負担するかを、グラフと数式で分析します。
マクロ経済学は、国全体の生産(GDP)・物価・失業を扱います。同じ「値段」でも、ミクロは 1 つの商品の値段を、マクロはたくさんの値段をまとめた物価を見る、という違いがあります。
国全体のお金の流れを、目に見える形にした機械があります。経済学者のビル・フィリップスが 1949 年に発表した「フィリップス・マシン」(MONIAC)です。色を付けた水を透明な管に流し、お金が経済の中をどう回るかを見せました。
税率を下げたり、お金の量を増やしたりすると、水の流れが変わります。変化が大きすぎると、水が床にあふれることもあったそうです。マクロ経済学の式は、この水の流れを数字で書いたものと考えると、ぐっと身近になります。
図解ミクロとマクロの違い
ミクロ経済学
- 1 人・1 社の選択を見る
- 1 つの商品の値段と量
- 例: 値下げで売上はどう変わる?
マクロ経済学
- 国全体をまとめて見る
- GDP・物価・失業
- 例: 金利を上げると景気は?


03
計量経済学: パソコンでデータを分析する
計量経済学は、統計学を使って、理論が現実に当てはまるかをデータで確かめる学問です。中心になる方法は回帰分析で、「一方が 1 増えると、もう一方はどれだけ変わるか」という関係の大きさを測ります。
授業では、パソコンで実際のデータを分析します。関西大学では、1 年の経済学ワークショップで Excel を使った回帰分析の基礎に触れます。2 年からは、計量経済学入門などの科目で本格的に学びます。
練習に使えるデータもあります。統計センターの SSDSE は教育用に整えた無料のデータで、47 都道府県の人口・経済・教育などを 12 年分まとめた版もあります。表計算ソフトで開けるので、2 つの数字を選んで散布図を描くところから始められます。
大事なのは、関係が見つかっても、すぐに原因と決めつけないことです。ほかの原因がないかを話し合うところまでが、計量経済学で身につける分析の作法です。
図解計量経済学の課題(例)
- 1SSDSE から調べたい 2 つの列を選ぶ
- 2散布図を描いて、点の並び方を見る
- 3回帰分析で、線の傾きを求める
- 4ほかの原因がないかを話し合う

04
経済史と、後半から始まるゼミ選び
2 年には、経済史も並びます。関西大学では日本経済史が 2 年からの基本科目に、東洋大学では経済学の考え方の歴史をたどる経済学史が 2 年に置かれています。理論で学んだ市場や制度が、どんな歴史を経て今の形になったかを考えます。
2 年の後半からは、3 年で入るゼミを選ぶ準備が始まります。同志社大学の経済学部では、2 年の秋学期からゼミ(演習)が始まり、4 年の秋学期まで続きます。関西大学では、2 年生向けのゼミ相談会が開かれています。
ゼミを選ぶときは、2 年で学んだ科目のうち、どれが面白かったかが手がかりになります。ミクロが面白ければ理論やゲーム理論、データ分析が好きなら計量経済学のゼミ、という選び方もできます。2 年の授業は、自分の興味を見つける時間でもあります。
高校生のうちに試せること
入門書の練習問題を解く
図書館でミクロ経済学かマクロ経済学の入門書を借り、最初の章の練習問題を解いてみましょう。答えの数字だけでなく、グラフのどこを見て考えたかを言葉で説明できれば十分です。
失業率と物価のグラフを並べて見る
統計ダッシュボードは、国などが出している主な統計をグラフで見られる無料のサイトです。完全失業率と消費者物価指数のグラフを並べ、同じ時期にどう動いたかを見比べましょう。マクロ経済学の入口になります。
統計ダッシュボードオープンキャンパスで模擬授業を受ける
大学のオープンキャンパスでは、教員による模擬授業が開かれることがあります。ミクロやマクロの授業があれば受けてみて、自分が面白いと感じる問いを探しましょう。
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よくある質問
ミクロ経済学とマクロ経済学は、どちらから学びますか?
多くの大学では、2 年に両方を並行して学びます。関西大学のように、1 年でミクロとマクロの入門を学んでから、2 年で本格的な科目に進む形がよく見られます。
計量経済学ではプログラミングを使いますか?
使う授業もあります。関西大学では 1 年の経済学ワークショップで、表計算ソフトの Excel を使って統計データをグラフにし、回帰分析の基礎を学びます。高校の情報 I で学ぶ表計算が、そのまま役立ちます。
経済史は暗記の科目ですか?
年号を覚えることが目的ではありません。昔の市場や制度がなぜ生まれ、どう変わったかを考え、今の経済と比べる科目です。


