図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 1
1 年: 経済の見方を知る
経済学入門・経済数学・統計学の入門と、少人数の基礎ゼミから始まる 1 年です。ニュースで見る値段や景気の話を、グラフと数字で考える「経済の見方」を身につけます。

ひとことで言うと
天気図の読み方を覚える
天気図の記号や線の意味が分かると、明日の天気を自分で予想できるようになります。経済学の 1 年も同じです。グラフの読み方や、平均と中央値の違いが分かると、ニュースの数字を自分で読めるようになります。

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1 年の専門科目: 経済学の入口に立つ
1 年の専門科目は、経済学入門・経済数学・統計学の入門が中心です。東洋大学の経済学科では、経済学入門と経済数学 I、統計学 I が 1 年に置かれています。岡山大学でも、ミクロ経済学入門・マクロ経済学入門・統計学入門などが 1 年の専門基礎科目です。
関西大学の案内によると、ミクロ経済学入門は、消費者と企業の行動と、その 2 つをつなぐ市場の役割を考える科目です。マクロ経済学入門は国ごとの経済を分析する科目で、GDP・インフレ・失業がキーワードです。2 年から学ぶ本格的な理論の、予告編にあたります。
東洋大学のように、1 年に経済史や経済政策を置く大学もあります。理論・データ・歴史・政策という経済学の方向に、1 年のうちにひと通り触れられます。
これが分かると、ニュースで見る値上げや景気の話を、グラフと言葉で説明できるようになります。
1 年の科目は、2 年からの理論とデータ分析の土台になります。
図解1 年で学ぶ専門の科目(例)
- ミクロ経済学入門消費者・企業・市場の役割
- マクロ経済学入門GDP・インフレ・失業
- 経済数学関数・グラフ・微分
- 統計学平均・中央値・ばらつき
- 経済史経済のしくみの移り変わり


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経済数学と統計学: 平均だけでは分からないこと
経済数学では、関数とグラフ、微分を使います。日本学術会議の参照基準は、入学したばかりの学生がまず、原因と結果の関係を関数で表し、グラフに描けるようになることを勧めています。微分を使うと、利益がいちばん大きくなる生産量のような「ちょうどよい点」を計算で求められます。
統計学では、平均・中央値・ばらつきなど、データの特徴を数字で表す方法を学びます。総務省の家計調査によると、2025 年の二人以上の世帯の貯蓄の平均は 2,059 万円でした。一方、貯蓄のある世帯を少ない順に並べた真ん中(中央値)は 1,264 万円です。
平均は、ごく一部の大きな値に引っぱられます。そのため、貯蓄が平均より少ない世帯が約 3 分の 2 を占めます。どの数字で表すかで、同じデータの印象が変わると知ることが、統計学の第一歩です。
高校の数学 I で学ぶ「データの分析」が、そのまま統計学の入口になります。
図解平均と中央値の違い
平均
- 全部を足して数で割る
- 大きな値に引っぱられやすい
- 貯蓄の平均は 2,059 万円(2025 年)
中央値
- 少ない順に並べた真ん中
- 大きな値の影響を受けにくい
- 貯蓄がある世帯は 1,264 万円

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基礎ゼミ: 少人数で調べて発表する
1 年から、少人数で学ぶゼミ形式の授業を置く大学があります。名前は大学によって違い、東洋大学ではゼミナール I、関西大学では経済学ワークショップという科目が 1 年に置かれています。
関西大学の経済学ワークショップは、経済学部の全員が受ける少人数のクラスで、専任の教員がクラス担任になります。グループで課題をつかみ、話し合い、調べて、解決策を発表する形で進みます。受講した学生の例では、一泊二日の旅行プランをグループで立てて発表しています。
ノートの取り方、レポートの書き方、プレゼンテーションの方法も、こうした授業で身につけます。関西大学では、自分のパソコンを授業に持ち込みます。2 つ目のワークショップでは、Excel で統計データをグラフにし、回帰分析の基礎も学びます。
人前で話すのが苦手でも、最初から上手な人はいません。質問を受けて直す経験を重ねるうちに、3 年からのゼミで必要な調べて伝える力が少しずつ育ちます。
図解グループ課題の進め方(例)
- 1課題をつかむ誰に何を届けるかを決める
- 2話し合うメンバーの考えを出し合う
- 3調べるデータや資料を集めて整理する
- 4発表する解決策をスライドで説明する
- 5振り返る質問や評価をもとに直す

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1 年生の 1 週間: 時間割を自分で組む
下の図は、経済学部の 1 年生の 1 週間の例です。経済学入門・経済数学・統計学に、英語などの外国語、教養の科目、少人数のゼミが加わります。実際の科目や曜日は大学によって異なります。
高校との大きな違いは、必修の科目を軸に、選べる科目を足して時間割を自分で組むことです。同じ学部の友だちでも、曜日ごとの授業が少しずつ違います。
空きコマには、図書館で課題を進めたり、友だちと統計の問題を教え合ったりします。夕方からのサークルやアルバイトも含めて、限られた時間をどう配分するかは、それ自体が身近な経済の問題です。
図解1 年生の 1 週間(例)
- 月経済学入門・英語需要と供給のグラフを描く
- 火経済数学・教養関数と微分の問題を解く
- 水基礎ゼミグループで調べて発表の準備
- 木統計学・第二外国語平均と中央値を表計算で求める
- 金経済史・体育昔の市場のしくみを学ぶ
- 土・日課題・サークル週明け締め切りのレポートを書く


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つまずきやすい点と乗り越え方
1 年でつまずきやすいのは、数学の使い方です。参照基準も、入試で数学を課さない経済学部が多く、高校で数学を学んでこなかった学生も多いことを、大きな課題に挙げています。そのため導入の授業では、特に数学が重要だとしています。
グラフの意味が分からなくなったら、自分の行動に置き換えてみます。需要の線なら「この値段なら何個買うか」と考えると、線が右下がりになる理由が見えてきます。
参照基準は、大人数の授業では TA(ティーチング・アシスタント)などが手伝う演習のクラスを設けることも勧めています。分からない点は、その週のうちに聞くのが近道です。
高校生のうちに試せること
レシートで平均と中央値を比べる
家の 1 週間分のレシートの金額を書き出し、平均と中央値を計算しましょう。大きな買い物が 1 回あるだけで、平均が大きく動くことを実感できます。
自分の県の家計の特徴を探す
統計センターの「SSDSE-家計消費」には、47 都道府県庁所在市の 1 世帯あたりの食料などへの支出が、品目別に入っています。表計算ソフトで開き、自分の県の市が全国より多くお金を使っている品目を探しましょう。
SSDSE(統計センター)志望校のカリキュラムで時間割を組む
多くの大学は、学年ごとの科目を並べたカリキュラムの図を公開しています。1 年の経済学入門や統計学を探して、自分ならどんな 1 週間になるか、時間割を組んでみましょう。
入門書を読んで 1 枚にまとめる
図書館で経済学の入門書を 1 冊借り、気になった章を A4 の紙 1 枚に要約しましょう。基礎ゼミで最初に練習する「読んでまとめる」の先取りになります。
「1 年: 経済の見方を知る」に関連するコミュニティ
研究室・部活・サークルなど、全国の 121 件から探せます。
行動経済学・集団行動研究室
筑波大学(茨城県)
情報メディア・藤崎 樹
農業問題研究学研究分野
九州大学(福岡県)
農業資源経済学・渡部 岳陽 准教授
農業農村経営学
神戸大学(兵庫県)
食料環境経済学・中塚 雅也 教授
協同組合学研究室
北海道大学(北海道)
農業経済学・板橋 衛 教授

国際食料情報学
神戸大学(兵庫県)
食料環境経済学・石田 章 教授
五十嵐研究室
東京大学(東京都)
情報理工学系研究科数理情報学専攻・計算的社会選択理論・アルゴリズム的ゲーム理論・五十嵐 歩美 准教授
よくある質問
経済学部の 1 年で、数学はどのくらい使いますか?
関数とグラフ、微分の基礎を使います。日本学術会議の参照基準は、関数とグラフから始める導入の授業を勧めていて、東洋大学のように 1 年に「基礎数学」を置く大学もあります。高校で数学 II まで学んでおくと、授業についていきやすくなります。
1 年から経済学の専門の授業はありますか?
あります。東洋大学では経済学入門、関西大学や岡山大学ではミクロ経済学入門とマクロ経済学入門が 1 年に置かれています。英語や教養の科目と並行して学ぶのが一般的です。
パソコンは必要ですか?
大学によって異なります。関西大学の経済学ワークショップのように、自分のパソコンを授業に持ち込む形の科目もあります。必要かどうかや求められる性能は、入学する大学の案内で確かめてください。
