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図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 3

3 年: 学校の現場に立つ

教育実習で初めて教壇に立ち、生徒指導・教育相談や特別支援教育を学ぶ 1 年です。ゼミにも入り、教育の問いを自分で調べ始めます。

中学校の教室で、生徒たちの前に立って初めての授業をする教育実習生と、教室の後ろで見守る先生たち

ひとことで言うと

教習所のコースから路上へ

自動車の教習では、教習所のコースで練習したあと、指導員を隣に乗せて本物の道路を走ります。教育実習も同じです。大学の模擬授業で練習した授業を、指導の先生に見守られながら、本物の子どもたちの前で行います。

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教育実習: 準備は前の年から始まる

教育実習は、大学で学んだことを実際の学校で試す授業です。教員免許の法令では、小学校と中学校の免許で 5 単位、高校の免許だけなら 3 単位と決まっています。どちらも、大学での事前と事後の指導 1 単位を含みます。

期間や時期は大学によって異なります。静岡大学教育学部では、3 年の 5 月に 3 週間、9 月に 2 週間、別々の学校で実習をします。2 回目は、1 回目とは違う学校の教育を知ることがねらいです。

実習先へのお願いは、前の年から始まります。たとえば福岡県立学校では、実習を希望する年度の前年度の 9 月に、学生が依頼書を学校に持っていき、校長先生と面談して内諾を得ます。実習の 2 週間前までには書類を出し、学校での事前の指導を受けます。

子どもの前に立つ前に、大学と学校の両方で準備を重ねるのが教育実習です。

教育実習は、大学・実習校・学生の 3 者で準備を進めます。

図解教育実習の流れ(例)

  1. 1内諾のお願い前の年に実習校の校長と面談
  2. 2大学の事前指導心構えや指導案の書き方を学ぶ
  3. 3学校での打ち合わせ担当の学級や授業の範囲を聞く
  4. 4観察と参加授業を見て、学級の活動に加わる
  5. 5授業実習指導の先生と相談して授業する
  6. 6研究授業複数の先生に見てもらう授業
  7. 7事後指導大学で振り返り、課題を整理する
市街地の中に建つ中学校の校舎とグラウンドを、山の上から見下ろした景色
静岡大学教育学部附属静岡中学校(静岡市)。国立大学の附属学校は、大学の計画に沿って学生の教育実習を受け入れることも役割の一つです。写真: Lycurgi(CC BY-SA 3.0・Wikimedia Commons)

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実習の 1 日: 教壇に立つ緊張と手ごたえ

実習は、授業の観察から始まります。担当の学級に入り、先生の授業や休み時間の様子を見ながら、子どもの名前と顔を覚えていきます。学級の活動や行事にも加わり、先生の仕事を体験します。

慣れてきたら、指導の先生と相談しながら、自分で授業をする時間が増えていきます。放課後は、先生から授業の感想を聞き、次の授業の指導案を直します。

初めての授業では、準備した問いかけに反応がなかったり、時間が足りなくなったりします。それでも、自分の問いかけで手が挙がり、子どもの考えが広がった瞬間は、模擬授業では味わえない手ごたえになります。

観察から始めて、少しずつ自分で授業をする時間を増やしていきます。

図解教育実習の 1 日(例・中学校)

  1. 7:50出勤・打ち合わせ職員の打ち合わせで予定を確かめる
  2. 8:20朝の会担当の学級で出欠と連絡
  3. 9:00授業の観察指導の先生の授業を見て記録する
  4. 10:50授業実習自分の指導案で授業をする
  5. 12:20給食・昼休み生徒と一緒に食べて話す
  6. 15:20清掃・帰りの会学級の活動に加わる
  7. 16:00振り返り先生の意見を聞き、指導案を直す

03

研究授業: 多くの先生に見てもらう 1 時間

実習の終わりごろには、研究授業があります。法政大学の教職課程の資料によると、研究授業は、実習生の授業を複数の先生に見てもらう授業です。指導の先生や校長、同じ教科の先生などから、意見や助言を受けます。

見られるのは授業の中身だけではありません。同じ資料は、時間どおりに始めて終えたか、板書の文字が読みやすいか、生徒と目を合わせて話しているかなどを、確かめる点に挙げています。教卓から離れ、机の間を回って指導しているかも大切な点です。

実習校の先生たちは、ふだんの仕事に加えて実習生を受け入れ、指導してくれます。授業のあとにもらう意見には厳しいものもありますが、どれも次の授業をよくするための言葉です。指摘を指導案に書き込むことで、研究授業は先生としての出発点になります。

図解研究授業で見られる点(例)

研究授業
  • 時間時間どおりに始めて終える
  • 板書文字が丁寧で読みやすい
  • 話し方はっきりした発音と声の大きさ
  • 目線生徒と目を合わせて話す
  • 机間指導教卓を離れて机の間を回る
  • 準備指導案と資料を前もって渡す
木の腰板が張られた新しい教室の前方。緑色の黒板と小さな机があり、窓から光が差し込んでいる
秋田県由利本荘市の中学校の、使い始める前の新しい教室。研究授業では、黒板の前に立つ実習生の授業を、指導の先生や校長先生などが見学します。写真: Douglas P Perkins(CC BY 3.0・Wikimedia Commons)

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生徒指導・教育相談・特別支援教育: 一人ひとりを見る

3 年では、子ども一人ひとりの悩みや困りごとに向き合う科目も学びます。生徒指導の授業では、文部科学省の「生徒指導提要」を読みます。小学校から高校までの生徒指導の考え方と方法をまとめた、先生向けの基本書です。

生徒指導提要は 2010 年に初めて作られ、2022 年 12 月に 12 年ぶりに改訂されました。改訂版はデジタルテキストとして公開されていて、文部科学省のサイトで誰でも読めます。

今の教職課程では、特別な支援が必要な子どもを理解する科目も必修です。小学校と中学校の免許を取る人は、特別支援学校や高齢者・障害者の福祉施設で、7 日間以上の介護等体験もします。時期は大学によって異なります。

文部科学省は、介護等体験のねらいを、一人ひとりの尊厳と、社会で支え合うことへの理解を深めることだとしています。教室にはさまざまな子どもがいます。一人ひとりに合わせた支え方を考える力は、すべての先生に必要です。

授業の力と同じくらい、子ども一人ひとりを理解する力が求められます。

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ゼミ: 教育の問いを自分で調べる

3 年からは、多くの大学でゼミ(専門演習)が始まります。教育哲学・教育史・教育社会学・教育方法学・特別支援教育など、関心のある分野の先生のもとで、少人数で文献を読み、調べたことを発表します。

日本学術会議の参照基準は、教育学の演習として、文献を読み解く講読演習や、アンケートやインタビューで調べる研究法の実習を挙げています。学習支援のボランティアや模擬授業、教育実習のように、現場で学ぶ演習も大切だとしています。

教員にならず、教育そのものを研究したい人にとっても、ゼミは学びの中心になる場です。教育実習で感じた「なぜ」を持ち帰り、4 年の卒業論文のテーマにすることもできます。

クイズ3 年の学びクイズ

このページで紹介した内容から出題します。

  1. Q1教育実習の終わりごろ、指導の先生や校長など複数の先生に見てもらう授業を何という?

  2. Q2介護等体験が必要なのは、どの教員免許を取る人?

  3. Q3先生向けの基本書「生徒指導提要」が 2022 年 12 月に改訂されたのは、何年ぶり?

0 / 3 問に回答

高校生のうちに試せること

  • 教育実習生の授業を観察する

    高校にも、教育実習生が来ることがあります。授業の始め方や板書、問いかけの工夫を観察し、ふだんの先生の授業と比べてみましょう。

  • 生徒指導提要をのぞく

    文部科学省の「生徒指導提要(改訂版)」は、誰でも読めます。目次から気になる項目を 1 つ選び、先生が子どもとどう関わろうとしているかを読みましょう。

    生徒指導提要(改訂版)(文部科学省)
  • 最初の 1 分を考えて教える

    友だちに数学や英語の問題を 1 つ教えるとき、最初の 1 分で何を言えば興味を持ってもらえるかを考えましょう。問いかけから始めるか、身近な例から始めるかで、相手の反応が変わります。

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よくある質問

教育実習は、どの学校で行いますか?

大学によって異なります。大学の附属学校や大学の近くの公立学校で行う場合と、自分の出身校(母校)にお願いする場合があります。福岡県立学校のように、前の年に受け入れのお願いを受け付ける学校もあります。

実習中に授業で失敗したらどうなりますか?

授業がうまくいかないことは、実習ではよくあります。大切なのは、指導の先生の意見を聞き、次の授業で直そうとすることです。遅刻をしない、あいさつをするといった社会人としての態度も、大切に見られます。

教育実習は 1 回だけですか?

大学や取る免許によって異なります。静岡大学教育学部のように、2 年で 1 週間の観察の実習をし、3 年で 3 週間と 2 週間の実習を重ねる大学もあります。