図 2 高校 3 年間の流れ()高校 3 年間の流れ 2
高 2: 論理的に伝え合う
英語コミュニケーション II と論理・表現 II で、読む英文も書く文章も長くなります。理由や根拠を示して意見を伝え合い、ディベートで賛成と反対の両方から考える 1 年です。留学に挑戦する人が出てくるのもこの頃です。

ひとことで言うと
1 本の柱から、骨組みのある家へ
高 1 では、意見を一つの段落で伝えました。高 2 では段落をいくつも組み合わせ、主張・理由・具体例を家の骨組みのように組み立てます。骨組みがしっかりしていれば、長い文章でも読み手に迷わず届きます。

01
高 2 の科目: 支援を少し減らして、詳しく伝える
英語コミュニケーション II は、I を学んだあとに選んで学ぶ科目で、標準は 4 単位です。新しく学ぶ語は 700〜950 語程度に増えます。聞いたり読んだりした内容の概要や要点に加えて、詳細まで目的に応じてつかむことをめざします。
学習指導要領は、どのくらい支援を受けるかで、3 年間の段階を書き分けています。I は「多くの支援を活用すれば」、II は「一定の支援を活用すれば」、III は「支援をほとんど活用しなくても」です。支援とは、話される速さや使う語句、事前の準備などのことです。
論理・表現 II(標準 2 単位)では、書く文章が一つの段落から複数の段落に広がります。主張と理由と具体例を、段落ごとに組み立てる力をつける科目です。スピーチやディベートでも、より詳しく伝えることが求められます。
高 2 は、支援を少しずつ減らしながら、長く詳しく伝える段階です。
図解論理・表現 I〜III の段階
- 1論理・表現 I多くの支援で、一つの段落を書く
- 2論理・表現 II一定の支援で、複数の段落を書く
- 3論理・表現 III支援をほとんど使わず、説得する

02
長い英文を読む: 知らない語を全部は調べない
高 2 でつまずく人が多いのが、長い英文です。英語コミュニケーション II では、概要や要点に加えて詳細まで読み取ることが求められ、扱う文章も長くなります。知らない語が出るたびに辞書を引いていると、読み終える前に疲れてしまいます。
解説は、知らない語に出合うたびに辞書で調べることを勧めてはいません。どの語が文脈から推測できて、どの語は辞書で正確に調べるべきかを判断する力を育てることが大切だとしています。全部の語を調べなくても、文章は読めます。
例えば The village was so remote that the nearest store was two hours away by car. という文で remote を知らなくても、「いちばん近い店まで車で 2 時間」から「遠く離れた」という意味だと見当がつきます。何度も出てくる語や、題名に使われている語は、辞書で確かめる価値があります。
解説は、図表のある説明文を読み、文章と図表を結びつけて要点をつかむ活動も挙げています。グラフの見出しや数字を先に見ておくと、本文で何が説明されるのかを予想できます。
推測する語と調べる語を分けると、長い英文を止まらずに読めます。
図解知らない語に出合ったら(例)
- 1前後の文から、だいたいの意味を推測する
- 2推測できたら、印だけつけて読み進める
- 3何度も出る語・題に関わる語は辞書で引く
- 4読み終えてから、推測が合っていたか確かめる

03
ディベート: 輸入米の関税を英語で議論する
ディベートは、論題について肯定側と否定側に分かれ、根拠を示して議論する活動です。全国高校英語ディベート連盟(HEnDA)は、全国高校生英語ディベート大会を開いています。2026 年度の論題は Resolved: That the Japanese government should eliminate all tariffs on imported rice.(日本政府は輸入米の関税を撤廃すべきである)です。
第 21 回全国大会は、2026 年 12 月に東京都の中央大学多摩キャンパスで開かれる予定です。出場するには、各都道府県の予選を通過する必要があります。論題は年度ごとに決まり、全国の高校生が同じ論題について調べて大会に臨みます。米の関税のように、ニュースで話題になる社会の問題が選ばれることもあります。
授業では、いきなり大会の形で行うわけではありません。解説は、短い時間で行う簡易なディベートを何度も経験するなど、段階を踏むことを勧めています。論理・表現 II では、相手の主張と自分の反論を、ディベートの流れに沿ってメモに書き込みながら議論を追う方法も紹介されています。
決まった言い回しを覚えておくと、話し始めやすくなります。下の表現は、学習指導要領の解説に載っている例の一部です。
ディベートは、賛成と反対の両方から論題を考える練習です。
図解ディベートで使える表現(解説の例から)
意見を言う
- In my opinion, ...
- We strongly believe that ...
確かめる
- Do you mean ...?
- Would you clarify that?
- What do you mean by ...?
賛成・反論する
- I agree on that point.
- I can't agree with you.
- I disagree.

04
高校生の留学: 3 か月以上は 1 年で 3,174 人
高 2 になると、夏休みの研修や長期の留学に挑戦する人も出てきます。文部科学省の調査によると、令和 5 年度に 3 か月以上留学した高校生は 3,174 人でした。行き先は多い順にカナダ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、イギリスです。
3 か月未満の研修旅行で海外へ行った高校生は 3 万 1,711 人で、留学と合わせると約 3.5 万人でした。国は、これを 2033 年に 12 万人にする目標を掲げています(第 4 期教育振興基本計画)。
費用を支える制度もあります。文部科学省と日本学生支援機構の「トビタテ!留学JAPAN」には、高校生等対象のコースがあります。第 12 期は 14 日以上 1 年以内の留学が対象で、600 人を募集します。返済不要の奨学金は、留学先に応じて月 12 万円か 16 万円です(家計の基準を超える場合は 6 万円)。
応募に、学業成績や語学力の要件はありません。その代わり、語学の学習だけの留学計画は対象外で、探究活動を含む計画が求められます。英語を、留学先で自分の問いを調べるための道具として使う計画です。
留学は、英語を使って自分の問いを探究する機会です。


05
高 2 の 1 週間: 読む・話す・書くをつなげる
英語コミュニケーション II が週 4 時間、論理・表現 II が週 2 時間なら、英語の授業は週に 6 回ほどです。どちらを選ぶか、何単位にするかは学校によって異なります。下の図は、両方を学ぶ場合の 1 週間の例です。
学習指導要領は、読んだことについて意見を述べ合うなど、複数の領域を結びつけた活動を重視しています。月曜に読んだ記事を水曜に話し合い、木曜に意見文にまとめる、という流れです。同じ話題を、読む・話す・書くで 3 回使うと、新しい語も表現も定着しやすくなります。
同じ話題を読む・話す・書くでくり返し使うと、表現が身につきます。
図解高 2 の 1 週間(例)
- 月社会の話題を読む英語コミュニケーション II・記事の詳細をつかむ
- 火簡易なディベート論理・表現 II・短い時間で賛否を述べる
- 水読んだ内容を話し合う英語コミュニケーション II・意見を伝え合う
- 木複数の段落を書く論理・表現 II・主張と理由 2 つ
- 金聞いて要点をメモ英語コミュニケーション II・講義形式の音声
- 土・日英語のニュース 1 本知らない語は推測してから辞書で確かめる
高校生のうちに試せること
論題の両側の理由を書き出す
HEnDA の 2026 年度の論題について、肯定側と否定側の理由を 2 つずつ英語で書きましょう。自分の意見と反対の側の理由も考えると、論題を多角的に見られます。
全国高校英語ディベート連盟(HEnDA)推測してから辞書で確かめる
国連のニュースサイト UN News の記事を 1 本選び、知らない語に印をつけて、意味を推測しながら最後まで読みましょう。読み終えてから辞書で確かめ、推測が当たった数を数えてみてください。
UN News(英語)留学の計画を 1 枚にまとめる
トビタテ!留学JAPAN の高校生向けページで、募集の内容を読みましょう。行きたい国と、そこで探究したい問いを 1 枚の紙に書き出すと、留学が自分のこととして考えられます。
トビタテ!留学JAPAN 高校生の留学
「高 2: 論理的に伝え合う」に関連するコミュニティ
研究室・部活・サークルなど、全国の 124 件から探せます。
よくある質問
英語でディベートなんて、できる気がしません。
授業では、短い時間で行う簡易なディベートを何度も経験するところから始めます。意見を言う、確かめる、反論するといった決まった表現を覚え、メモを見ながら話せば大丈夫です。
長い英文を読むのが遅くて困っています。
知らない語が出るたびに辞書を引くのをやめ、前後から意味を推測して読み進めてみてください。何度も出てくる語や題に関わる語だけを、読み終えてから辞書で確かめると、止まらずに最後まで読めます。
留学するには、英語の資格が必要ですか?
制度によって異なります。トビタテ!留学JAPAN の高校生等対象には、学業成績や語学力の要件はありません。学校や留学先が独自に条件を決めていることもあるので、募集要項で確かめてください。


