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図 2 高校 3 年間の流れ()高校 3 年間の流れ 1

高 1: 中学の英語を使いこなす

高校の英語は、全員が学ぶ「英語コミュニケーション I」から始まります。中学で覚えた単語や文法を、即興の会話や短い発表で何度も使い、自分の言葉として話せる英語に変えていく 1 年です。

英語の授業でペアになり、身ぶりを交えて話す高校 1 年生たちと、雪の積もった夕方の駅で発車した列車を見送る高校生

ひとことで言うと

覚えた技を、練習試合で使ってみる

中学の 3 年間で、単語や文法という技をたくさん覚えました。高 1 の英語は練習試合のようなものです。覚えた技を実際の会話で使ってみると、通じる技と、まだ使いこなせない技が分かってきます。

01

高 1 の科目: 全員が学ぶ英語コミュニケーション I

高校の英語の科目は、英語コミュニケーション I〜III と、論理・表現 I〜III の 6 つです。このうち英語コミュニケーション I は高校生全員が学ぶ科目で、標準は 3 単位です。聞く・読む・話す(やり取り・発表)・書くの五つの領域を、組み合わせながら学びます。

英語コミュニケーション I は、中学で学んだことを確実に身につけることを大切にした科目です。新しく学ぶ語は 400〜600 語程度で、中学までの語に加えていきます。読んだり聞いたりした内容について、自分の考えを話したり書いたりする活動もあります。

論理・表現 I は標準 2 単位の選択科目で、話すことと書くことに力を入れます。スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション、一つの段落を書くことが中心です。開くかどうかや、どの学年で学ぶかは学校によって異なります。

どちらの科目も、使う語句の例や話の進め方など、多くの支援を受けながら取り組む段階から始まります。支援は学年が進むにつれて減り、高 3 では支援をほとんど使わずに伝え合うことをめざします。

英語コミュニケーション I は、中学の英語を使いこなすための、全員が学ぶ科目です。

図解高 1 で学ぶ 2 つの科目

全員が学ぶ科目

  • 英語コミュニケーション I
  • 標準 3 単位・五つの領域
  • 新しい語は 400〜600 語程度

選んで学ぶ科目

  • 論理・表現 I
  • 標準 2 単位・話すことと書くこと
  • スピーチ・ディベート・段落

02

授業は英語で: 全部聞き取れなくても大丈夫

高校の英語の授業は、英語で行うことが基本です。学習指導要領は、英語に触れる機会を増やし、授業そのものを実際のコミュニケーションの場にするためだと説明しています。この決まりは平成 21 年(2009 年)の改訂で高校に初めて入り、今の学習指導要領では中学校にも広がりました。

とはいえ、先生がずっと速い英語で話し続けるわけではありません。解説は先生に、話す速さを調整する、やさしい語に言い換える、くり返したり例を見せたりするといった工夫を求めています。必要なときは、補助的に日本語を使うことも考えられるとしています。

実際の授業では、どのくらい英語が使われているのでしょうか。文部科学省の令和 7 年度の調査では、先生が発話の半分以上を英語で行っている授業は、高校全体で 36.9% でした。英語の教育や国際関係を主とする学科では 74.4% にのぼります。

最初は聞き取れない語があって当たり前です。分かった部分を手がかりに、確かめながら聞くことが力になります。Do you mean ...? のように相手の言うことを確かめる表現は、学習指導要領の解説にも例として載っています。

全部を聞き取れなくても、分かった部分から確かめていけば授業についていけます。

図解英語の授業で、先生と自分ができること

先生の工夫

  • 話す速さを調整する
  • やさしい語に言い換える
  • くり返す・例を見せる

自分の工夫

  • 聞き取れた語をメモする
  • Do you mean ...? で確かめる
  • 分かった部分から意味をつかむ

03

中学の文法から広がる: 過去完了形で「もう出ていた」

中学では、現在完了形や現在完了進行形、助動詞を使った未来の表し方までを学びます。高校ではここに、過去完了形と過去完了進行形が加わります。過去のある時点より、さらに前に起きたことを表す形です。

例えば When I got to the station, the train had already left.(駅に着いたとき、電車はもう出ていた)。駅に着いたのも電車が出たのも過去ですが、had left と言うことで、電車が出たほうが先だと分かります。2 つの出来事の順番を、動詞の形で示せるようになるのです。

今の学習指導要領では、接続詞と前置詞の使い方も、高校で扱う文法事項に新しく加わりました。解説は、the cancellation of the concert(コンサートの中止)のように、動詞を名詞にした語と前置詞を組み合わせる表現を例に挙げています。

新しい文法は、自分の 1 日に置きかえて言ってみると身につきます。When I got home, my sister had already eaten dinner.(家に帰ったら、妹はもう夕飯を食べ終えていた)のように言えれば、もう使える文法です。

過去完了形を使うと、過去の 2 つの出来事の順番をはっきり伝えられます。

図解過去完了形で順番を伝える(例)

入力駅に着いた。その少し前に、電車が出ていた
  1. 1先に起きた出来事を決める(電車が出た)
  2. 2後の出来事は過去形にする(got)
  3. 3先の出来事は had + 過去分詞(had left)
  4. 4「もう」は already で表す
結果電車が先に出たことが had left で伝わる
雪の積もった夕方の駅の構内を、ライトをつけて発車していく普通列車
北海道の島ノ下駅を発車する普通列車。駅に着いたときに列車がもう出ていたら、When I got to the station, the train had already left. と言えます。写真: Asayuzu(CC BY 3.0・Wikimedia Commons)

04

単語のつまずき: 1 語ずつより、まとまりで覚える

高 1 でつまずく人が多いのが単語です。英語コミュニケーション I では、新しい語を 400〜600 語程度学びます。以前の学習指導要領の「コミュニケーション英語 I」では 400 語程度だったので、目安が増えました。

解説によると、400 語は新しく学ぶ数の下限で、600 語は目安です。600 語を上限とする意味ではありません。数え方にも決まりがあり、play・plays・played のように規則的に形が変わるものは、辞書の見出しの 1 語として数えます。

覚え方のコツは、2 語以上のまとまり(連語)で覚えることです。小学校では get up や look at、中学校では in front of や look for を学びました。高校では get over(乗り越える)や go through(経験する)のように、動詞と前置詞の組み合わせで、動きや様子をくわしく表します。

単語帳の 1 語より、例文の中のまとまりのほうが、話すときに口から出てきやすくなります。in addition や at least のような決まった言い回しも、まとまりのまま声に出すと覚えやすくなります。

単語は、例文の中のまとまりで覚えると使いやすくなります。

クイズ高 1 の英語クイズ

このページで紹介した内容から出題します。

  1. Q1高校生全員が学ぶ英語の科目は、どれ?

  2. Q2高校の英語の授業のうち、先生が発話の半分以上を英語で行う授業の割合は?(令和 7 年度)

  3. Q3英語コミュニケーション I で新しく学ぶ「400〜600 語程度」。600 語とは、どんな数?

0 / 3 問に回答

05

高 1 の 1 週間: 即興のやり取りを毎週くり返す

英語コミュニケーション I が週 3 時間、論理・表現 I が週 2 時間なら、英語の授業は週に 5 回ほどです。単位数や、どの学年で何を学ぶかは学校によって異なります。下の図は、高 1 の 1 週間の例です。

授業でよく行うのが、身近な話題についての即興のやり取りです。解説が示す進め方の例では、先生の質問から話題を決め、思いついたことをキーワードでメモします。ペアで伝え合ったあと、クラスの何人かにインタビューし、聞いた内容をグループで伝え合います。

解説は、互いに知らない情報を持ち寄る場面を作ることが大切だとしています。相手の答えを知らないからこそ、聞き返したり質問を重ねたりする本物のやり取りになります。授業の外では、その日に話した話題で言えなかった表現を 1 つ調べておくと、次の授業で使えます。

相手の答えを知らない場面で話すことが、即興のやり取りの練習になります。

図解高 1 の 1 週間(例)

  1. 月週末の話を伝え合う英語コミュニケーション I・ペアで即興のやり取り
  2. 火1 分スピーチ論理・表現 I・好きな季節を理由とともに
  3. 水説明文を読む英語コミュニケーション I・要点を話し合う
  4. 木段落を書く論理・表現 I・理由を 2 つ入れて書く
  5. 金クラスでインタビュー英語コミュニケーション I・聞いた内容をまとめる
  6. 土・日言えなかった表現1 週間分を 3 つ調べて例文を作る

高校生のうちに試せること

  • 過去完了形で自分の 1 日を言う

    今日あったことを、When I got home, ... had already ... の形で 3 文作りましょう。どちらの出来事が先だったかを考えながら言うと、過去完了形が自分の言葉になります。

  • 連語ノートを作る

    教科書から look for や get over のような 2 語以上のまとまりを 10 個集め、例文ごとノートに書きましょう。1 週間後に、例文を見ずに言えるかを確かめてください。

  • インタビューの質問を 5 つ作る

    クラスメイトに聞いてみたいことを、What・Why・How で始まる英語の質問にして 5 つ作りましょう。答えを知らない相手に聞くと、そのまま即興のやり取りの練習になります。

  • 確かめる表現を 1 つ使ってみる

    Do you mean ...? のように相手の言うことを確かめる表現を 1 つ決め、次の英語の授業で 1 回使いましょう。使えたら、ノートに印をつけてください。

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よくある質問

中学の英語に自信がなくても、高 1 の授業についていけますか?

英語コミュニケーション I は、中学で学んだことを確実に身につけることを大切にした科目です。最初は語句の例や話の進め方など、多くの支援を受けながら取り組みます。分からない文法は、中学の教科書に戻って確かめると近道です。

論理・表現 I は、全員が学ぶのですか?

論理・表現 I は選択科目で、開くかどうかや学ぶ学年は学校によって異なります。全員が学ぶのは英語コミュニケーション I です。

高 1 で新しく学ぶ文法は、たくさんありますか?

中学で学んだ文法を、高校ではくり返し使いながら身につけていくのが中心です。新しく加わるのは過去完了形や過去完了進行形などで、接続詞や前置詞の使い方も広げていきます。