図 2 高校 3 年間の流れ()高校 3 年間の流れ 3
高 3: 自分の力で発信する
英語コミュニケーション III と論理・表現 III で、支援をほとんど使わずに、聞き手や読み手を説得できるように話し、書くことをめざします。1 月には大学入学共通テストがあり、リーディングとリスニングで 3 年間の力を試します。

ひとことで言うと
補助輪を外して、自分でこぎ出す
高 1 では、語句の例や話の進め方という補助輪がありました。高 3 では、その補助輪をほとんど外して、自分で言葉を選んで話し、書きます。最初はふらついても、3 年間こいできた足の力が支えてくれます。

01
高 3 の科目: 聞き手や読み手を説得する
英語コミュニケーション III は、II を学んだあとに選んで学ぶ科目で、標準は 4 単位です。新しく学ぶ語は、II までの語にさらに 700〜950 語程度が加わります。話の展開に注意しながら、概要や要点、詳細を目的に応じてつかむことをめざします。
論理・表現 III(標準 2 単位)の目標は、聞き手や読み手を説得できるように話したり書いたりすることです。解説は、読み手を説得するとは、読み手が納得したり、共感したり、さらに深く考えたりするように伝えることだと説明しています。
どちらの科目も、使う語句や事前の準備などの支援をほとんど使わずに取り組むのが高 3 の段階です。ニュースや新聞記事など複数の資料を使って意見を組み立てることも学びます。
高 3 は、支援をほとんど使わずに、相手を説得できるように伝える段階です。
図解高 3 で学ぶ 2 つの科目
読む・聞く・伝え合う
- 英語コミュニケーション III
- 標準 4 単位・新しい語 700〜950 語程度
- 話の展開に注意して読み、聞く
話す・書く
- 論理・表現 III
- 標準 2 単位・聞き手や読み手を説得する
- 複数の資料を使って書く

02
プレゼン: 1 枚 20 秒で話す、日本生まれの PechaKucha
論理・表現 III では、聞き手を説得できるように、理由や根拠を工夫して発表します。解説には、観光地を紹介するプレゼンテーションの例が載っています。聞き手の注意を引き、その場所の様子を描き、行くべき理由や旅程を提案する流れです。
発表の形として面白いのが、PechaKucha(ペチャクチャ)です。20 枚の画像を 1 枚 20 秒ずつ自動で切りかえ、合計 400 秒(6 分 40 秒)で話します。2003 年に日本で、建築家のアストリッド・クラインさんとマーク・ダイサムさんが考えた形で、名前は日本語の「ぺちゃくちゃ」から来ています。
1 枚に 20 秒しかないので、1 枚で言うことは 1 つに絞るしかありません。画像に語らせ、言葉は短くするのがこつです。授業で試すなら、5 枚 × 20 秒のような短い形から始められます。
地元の観光地を紹介するなら、事実を 1 つ入れると説得力が増します。例えば Himeji Castle became one of Japan's first World Heritage Sites in 1993.(姫路城は 1993 年に、日本で最初の世界遺産の 1 つになった)のように、年や出来事を短い文で示します。
1 枚に 1 つのことだけを話すと、短い時間でも伝わります。
図解観光地を紹介するプレゼン(例)
- 1注意を引く写真や問いかけで始める
- 2様子を描く景色や食べ物を具体的に伝える
- 3理由を述べる行くべき理由を事実とともに
- 4旅程を提案する1 日の回り方を示して締める


03
資料を使って書く: 事実と意見を分け、出典を示す
論理・表現 III の書く活動では、ニュースや新聞記事など複数の資料を使い、読み手を説得できる意見文を複数の段落で書きます。解説は、読んだり調べたりして得た事実や情報を、主張を支える根拠として使うことを求めています。
大切なのは、自分の意見と、資料から得た事実を区別して書くことです。例えば According to the National Center for University Entrance Examinations, students have 30 minutes to answer the listening test.(大学入試センターによると、リスニングの解答時間は 30 分だ)は事実です。そのあとに I believe we should practice listening every day. と書けば、意見だと分かります。
資料の文をそのまま使うときは出典を示し、自分の言葉で言い換えるときは、元の意味から外れないように気をつけます。解説も、直接引用するときは出典をはっきり示すよう指導することを求めています。だれが言ったことかを示す習慣は、大学のレポートでもそのまま求められます。
書くのが苦手な人は、According to ... と I believe ... の 2 つの書き出しから始めてみてください。事実と意見を 1 文ずつ並べるだけで、根拠のある文章の骨組みになります。
事実と意見を分け、事実には出典をつけると、読み手を説得しやすくなります。
図解資料を使って意見文を書く(例)
- 1資料から、使える事実を 2 つ選ぶ
- 2According to ... で事実と出典を書く
- 3I believe ... で自分の意見を書く
- 4言い換えた部分が元の意味と合うか確かめる

04
共通テストの英語: 読む 80 分、聞く 30 分
大学入学共通テストの英語は、リーディング(80 分・100 点)とリスニング(解答 30 分・100 点)の 2 つです。2027 年 1 月の試験の出題範囲は、英語コミュニケーション I・II と論理・表現 I です。リスニングの試験時間は 60 分で、解答する 30 分のほかに、配られる IC プレーヤーの作動確認や音量の調節の時間が含まれます。
大学入試センターの問題作成方針では、問題の英文や語彙、課題の難しさは、CEFR のおおむね A1〜B1 レベルが目安です。問題のレベルは、出題範囲の 3 科目の目標や内容に対応させるとしています。教科書で学ぶ範囲の英語が土台です。リスニングでは、多様な話者による現代の標準的な英語が使われます。
共通テストの点数を合否判定でどう使うかは大学によって異なります。リーディングとリスニングの比率を変えて換算する大学もあるので、志望校の募集要項で確かめてください。

05
高 3 の 1 週間: 過去問と発信の練習を組み合わせる
大学入試センターのサイトでは、過去 3 年分の試験問題が公開されています。リスニングは問題の冊子に加えて、音声とスクリプト(読み上げた英文)も見られます。時間を計って解き、どの大問で時間を使ったかを記録すると、残りの数か月で何を復習すればよいかが見えてきます。
受験の準備が中心になると、話したり書いたりする機会が減りがちです。個別試験で英作文を出す大学もあり、論理・表現 III で学ぶ意見文やプレゼンの力は、入学後に英語のレポートや発表に取り組むときにも生きます。下の図は、高 3 の 1 週間の例です。
時間を計って解き、どこで時間を使ったかを記録すると、復習の順番が決まります。
図解高 3 の 1 週間(例)
- 月論説文を読む英語コミュニケーション III・展開を追う
- 火意見文を書く論理・表現 III・資料を 2 つ使う
- 水リーディング演習過去問を 80 分で 1 回分解く
- 木ミニ・プレゼン論理・表現 III・5 枚 × 20 秒で話す
- 金リスニング演習30 分で解き、スクリプトで確かめる
- 土・日見直し間違えた問題の英文を音読する
高校生のうちに試せること
リーディングの過去問を 80 分で解く
大学入試センターのサイトで、過去 3 年分の問題を見られます。リーディングを 80 分で解き、大問ごとにかかった時間を記録しましょう。時間が足りなかった大問の英文は、あとで音読して見直しましょう。
大学入試センター 過去 3 年分の試験問題5 枚 × 20 秒のミニ・プレゼン
地元の好きな場所の写真を 5 枚選び、1 枚 20 秒ずつ英語で紹介しましょう。注意を引く・様子を描く・理由を述べる・旅程を提案するの順に並べ、スマートフォンで録画して見直してください。
事実と意見を 1 文ずつ書く
ニュースや統計から数字を 1 つ選び、According to ... で始まる事実の文と、I believe ... で始まる意見の文を書きましょう。出典を必ず書き添えるのがルールです。
「高 3: 自分の力で発信する」に関連するコミュニティ
研究室・部活・サークルなど、全国の 107 件から探せます。
よくある質問
論理・表現 II・III の内容は、共通テストに出ますか?
令和 9 年度の共通テストの英語の出題範囲は、英語コミュニケーション I・II と論理・表現 I です。論理・表現 II・III と英語コミュニケーション III は範囲に入りませんが、個別試験の英作文や大学の授業で生きてきます。
リーディングとリスニングは、大学ではどう扱われますか?
共通テストの配点はどちらも 100 点ですが、合否判定でそれぞれをどう換算するかは大学によって異なります。志望校の募集要項で、英語の配点の比率を確かめてください。
英語の意見文で、根拠に何を書けばよいか分かりません。
ニュースや公的な統計から、主張に関係する事実を 1 つ探してみてください。According to ... で出典とともに事実を書き、そのあとに自分の意見を書くと、根拠のある文章になります。


