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図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 1

1 年: 基礎をかためる

プログラミングと数学の基礎を中心に、英語や教養の科目も並行して学ぶ 1 年です。高校との違いに慣れながら、2 年から始まる専門の土台をつくります。

春のキャンパスで講義棟へ向かう新入生と、計算機室でプログラムを動かす学生たち

ひとことで言うと

部活に入って最初の数か月の基礎練習

サッカー部でも吹奏楽部でも、入ってすぐは走り込みや基本の音出しが中心です。地味に見えても、この時期の練習が試合や本番で効いてきます。情報系の 1 年も、プログラミングと数学の「基本の型」を身につける時期です。

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専門の入口: プログラミングと数学

多くの大学では、1 年の専門科目はプログラミングと数学が中心です。筑波大学の情報科学類では、プログラミング入門・微分積分・線形代数・情報数学・情報リテラシーなどを 1 年で学びます。京都大学の情報学科でも、プログラミング入門や微分積分学・線形代数学が 1 年に置かれています。

プログラミング入門では、計算や文字の処理をする小さなプログラムを毎週のように書きます。使う言語は大学によって異なり、Python や C 言語がよく使われます。最初は画面に 1 行の文字を出すところから始まり、授業が進むと並べ替えや簡単なゲームのような、少し大きなプログラムに取り組みます。

数学は、2 年からの専門科目を読むための言葉です。線形代数で学ぶ行列は、画像の拡大や回転、AI の計算にそのまま使われます。離散数学では集合・論理・グラフを学び、プログラムが正しいことを筋道立てて説明する力をつけます。

情報リテラシーの授業では、大学のネットワークやメールの使い方、レポートの書き方、著作権や個人情報の扱いを学びます。4 年間ずっと使う、基本の作法です。

プログラミングと数学は、4 年間のすべての科目の土台になります。

図解1 年で学ぶ専門の科目(例)

1 年の専門科目
  • プログラミング入門小さなプログラムを毎週書く
  • 微分積分変化の速さや量をとらえる
  • 線形代数画像や AI の計算の土台
  • 離散数学集合・論理・グラフ
  • 情報リテラシーレポート・著作権・情報倫理
パソコンが何列も並んだ大学の計算機室
台湾の国立雲林科技大学の計算機室。プログラミングの演習は、こうしたパソコンの並んだ部屋で行うことが多くあります。写真: S099001(CC BY 4.0・Wikimedia Commons)

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英語・教養との両立: 高校との違い

1 年の時間割には、専門科目のほかに、英語、体育、人文・社会の教養科目が並びます。大学によっては、第二外国語や、大学での学び方を身につける少人数のゼミもあります。筑波大学では、英語・初修外国語・体育・ファーストイヤーセミナーなどが 1 年に置かれています。

高校との一番の違いは、時間割を自分で組むことです。必修の科目を軸に、選べる科目を足して 1 週間を組み立てます。1 コマの長さも大学によって異なり、90 分の大学が多いなか、筑波大学のように 75 分の大学もあります。

大学の単位は、授業の外での勉強も含めて数えます。大学設置基準では、1 単位を 45 時間の学修とするのが標準です。たとえば筑波大学では、講義 1 単位を、授業 15 時間と授業の外の学修 30 時間で計算しています。授業 1 時間につき、予習・復習が 2 時間という計算です。

卒業には 124 単位以上が必要です。英語や教養の単位を 1・2 年のうちにそろえておくと、3・4 年で専門と研究に時間を使えます。

図解高校と大学の違い

高校

  • 時間割は学校が決める
  • 授業は 1 コマ 50 分が標準
  • 宿題は先生が出す
  • クラスで同じ授業を受ける

大学

  • 時間割を自分で組む
  • 1 コマは 75〜90 分など大学による
  • 授業の外の学修も単位に含む
  • 科目ごとに受ける人が変わる

03

1 週間の時間割の例

下の図は、情報系の学科の 1 年生の 1 週間の例です。実際の科目や曜日は大学によって異なりますが、専門・数学・英語・教養が毎日少しずつ入る形が一般的です。

プログラミング入門は、講義のあとに計算機室で演習をする形が多く、その日のうちに課題を出すこともあります。数学には、講義とは別に問題を解く演習の時間があり、黒板の前で解き方を説明する場面もあります。

空きコマは、図書館やラウンジで課題を進める時間になります。夕方からはサークルやアルバイトに使う人も多く、時間の使い方を自分で決めるのが大学生活の特徴です。

図解1 年生の 1 週間(例)

  1. 月微分積分・英語午前に数学、午後に英語の授業
  2. 火プログラミング入門講義のあと計算機室で演習と課題
  3. 水線形代数・教養午後は空きコマで課題を進める
  4. 木離散数学・体育体育で体を動かしてひと息
  5. 金情報リテラシーレポートの書き方と情報倫理
  6. 土・日課題・サークル週明け締め切りの課題を仕上げる
長い机と椅子が並び、正面に黒板がある大学の講義室
東京大学 本郷キャンパスの工学部 6 号館の講義室。数学や専門の講義の多くは、こうした講義室で行われます。写真: Stck w(CC BY-SA 4.0・Wikimedia Commons)

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つまずきやすい点と乗り越え方

1 年で多くの人がつまずくのは、プログラムのエラーです。かっこを 1 つ閉じ忘れただけで、プログラムは動きません。エラーの文は英語で出ますが、何行目で何が起きたかが書かれているので、最後まで読むのが近道です。

数学では、高校より抽象的な証明が増えます。線形代数の「ベクトル空間」のように、すぐに具体例が浮かばない言葉も出てきます。小さな数で例を作って手を動かすと、意味がつかみやすくなります。

課題の締め切りが重なる時期もあります。授業の日のうちに少しでも手をつけておくと、分からない点を次の授業や質問の時間に聞けます。多くの大学には、演習を手伝う大学院生の TA(ティーチング・アシスタント)や、教員に質問できる時間があります。

分からないことを早めに聞くのは、恥ずかしいことではありません。同じところでつまずいている人は、たいてい教室にほかにもいます。

つまずいたら「読む → 調べる → 聞く」の順で進めると、1 人で抱え込まずに済みます。

図解エラーが出たときの手順

入力エラーが出てプログラムが動かない
  1. 1エラーの文を最後まで読む
  2. 2書かれた行の前後を見直す
  3. 3エラーの文で検索して調べる
  4. 4解けなければ TA や友だちに聞く
結果原因が分かり、次からは自分で直せる

高校生のうちに試せること

  • Python の入門教材を最後まで解く

    AtCoder の「APG4bPython」は、Python の基本を順に学べる無料の教材です。変数・条件分岐・くり返しなど、大学のプログラミング入門で最初に習う内容を先取りできます。

    APG4bPython(AtCoder)
  • 志望校のシラバスで時間割を組む

    多くの大学は、授業の内容や成績の付け方を書いたシラバスを公開しています。1 年の必修科目を探して、自分ならどんな 1 週間になるか、時間割を組んでみましょう。

  • 方眼紙で図形を 90 度回す

    点 (x, y) を原点のまわりに左回りに 90 度回すと、(−y, x) に移ります。方眼紙に三角形を描き、3 つの頂点を計算で回して描き直してみましょう。線形代数で学ぶ「行列による変換」の入口です。

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よくある質問

ノートパソコンは自分で用意しますか?

大学によって異なります。筑波大学の情報科学類のように、自分のパソコンを実習室に持ち込み、大きな画面につないで使う大学もあります。必要な性能や OS は大学から案内があるので、それを見てから選ぶと安心です。

1 年の成績は、あとで関係しますか?

関係することがあります。2 年の終わりに決まった単位数がないと 3 年に進めない大学があり、芝浦工業大学の情報工学コースでは 62 単位以上が条件です。研究室を決めるときに成績を参考にする大学もあります。

プログラミングの経験がなくても大丈夫ですか?

多くの大学では、入門の授業を経験がない人に合わせて始めます。筑波大学の情報科学類の案内でも、専門的なコンピュータ教育は、ほとんどの学生が大学で初めて経験すると説明されています。