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図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 4

4 年: 研究する

研究室に所属し、まだ答えの分かっていない問いに 1 年かけて取り組みます。卒業論文と発表で 4 年間を締めくくり、大学院に進むか就職するかを選ぶ年でもあります。

研究室の大きな机で、先生や大学院生とホワイトボードのグラフを囲んで話し合う 4 年生

ひとことで言うと

自由研究を、専門家に相談しながら 1 年で仕上げる

夏休みの自由研究は、テーマ選びから発表まで自分で進めます。卒業研究はその本格版です。研究の専門家である先生と、少し先を行く大学院生の先輩に相談しながら、1 年かけて仕上げます。

01

研究室に入る: 時期と毎日の過ごし方

多くの大学では、4 年の春に研究室に所属します。京都大学の工学部では、4 回生で研究室に配属され、特別研究(卒業研究)に取り組みます。芝浦工業大学の情報工学コースのように、3 年から「卒業研究 1・2」が始まる大学もあり、時期は大学によって異なります。

研究室には、教員と大学院生と 4 年生が集まり、それぞれの研究を進めています。過ごし方は研究室によって違い、在室する時間(コアタイム)を決めている研究室もあれば、ゼミの日以外は各自で進める研究室もあります。

4 年は授業が少なくなり、1 日の中心が研究になる人が多くなります。分からないことはまず大学院生の先輩に聞き、研究の方向は週 1 回ほどの打ち合わせで先生と相談するのがよくある形です。

図解研究室の 1 日(例)

  1. 10:00研究室に来る前の日の実験の結果を確かめる
  2. 10:30実験・プログラムデータを集め、プログラムを直す
  3. 13:00ゼミ論文の紹介や進み具合を発表する
  4. 15:00先生と打ち合わせ次の 1 週間にやることを決める
  5. 16:00実験の続き結果を表やグラフにまとめる
  6. 18:00帰宅・アルバイト就活や院試の準備をする日も

02

ゼミ: 論文を読んで発表する

ゼミは、研究室のメンバーが集まって発表し合う時間です。研究の基礎になる教科書や論文を分担して読んで説明する「輪講」と、自分の研究の進み具合の報告が中心です。

情報学の新しい論文の多くは英語で書かれていて、最初は 1 本を読むのに何日もかかることがあります。題と要旨、図と表、結論を先に見てから方法を読むと、全体をつかみやすくなります。

論文を探すときは、国立情報学研究所の CiNii Research や Google Scholar などの検索サービスを使います。読んだ論文をまとめておくと、卒業論文の「関連研究」の章を書くときにそのまま役立ちます。

図解ゼミのくり返し

  1. 1読む論文や教科書を分担して読む
  2. 2まとめる要点を図と短い文にする
  3. 3発表する研究室のメンバーに説明する
  4. 4質問を受ける分かりにくい点を指摘される
  5. 5研究に生かす自分の実験の進め方を見直す
れんが色の壁の大きな図書館の建物と、その前に並ぶたくさんの自転車
京都大学の附属図書館。大学の図書館は、研究に使う本や論文を読むための拠点です。写真: 桂鷺淵(CC BY-SA 4.0・Wikimedia Commons)

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卒業研究の進め方: テーマ決めから発表まで

卒業研究は、テーマ決め、実験、論文、発表の順に、およそ 1 年をかけて進めます。テーマは、先生が用意した候補から選ぶ場合と、自分で考えて先生と相談する場合があります。

求められるのは、世界を変える大発見ではありません。すでにある方法を新しいデータで試し、どこまで通用するかを確かめるだけでも研究になります。大切なのは、問いを立て、確かめ方を考え、結果を正直に報告することです。

多くの大学では、年明けの 1〜2 月ごろに卒業論文を提出し、発表会で研究の内容を説明します。途中で中間発表を行い、先生や先輩から意見をもらう大学もあります。

研究によっては、大きな計算機を使うこともあります。理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」は国の法律で定められた共用施設で、大学などの研究者が課題を申請して使えます。

卒業研究で身につくのは、答えの決まっていない問いに、筋道を立てて取り組む力です。

図解卒業研究の 1 年(例)

  1. 14〜5 月テーマを決め、関連する論文を読む
  2. 26〜9 月実験やプログラムの実装をくり返す
  3. 310〜11 月中間発表で意見をもらう
  4. 412〜1 月卒業論文を書いて提出する
  5. 52 月発表会で研究を説明する
白い床の広い部屋に、スーパーコンピュータ「富岳」のラックが何列も並んでいる
理化学研究所 計算科学研究センター(神戸市)のスーパーコンピュータ「富岳」。大学などの研究者が、課題を申請して使える共用の計算機です。写真: Barsaka2(CC0・Wikimedia Commons)

04

学会で発表する

研究の成果を、学会で発表することもあります。学会は、研究者が集まって成果を発表し、意見を交わす場です。情報分野では、情報処理学会の全国大会が毎年 3 月ごろに開かれています。

全国大会には学生が発表する学生セッションがあり、セッションごとに優れた発表をした学生に学生奨励賞が贈られます。2027 年 3 月には、名城大学で第 89 回の全国大会が開かれる予定です。

全国大会では、中学生・高校生が情報学の研究をポスターで発表する「中高生情報学研究コンテスト」も開かれます。大学に入る前から、研究の発表を経験することもできます。

05

大学院に進むか、就職するか

4 年は、卒業後の進路を決める年でもあります。大学院の修士課程(博士前期課程)は 2 年で、研究をさらに深めます。その先には、3 年の博士課程(博士後期課程)があります。

国立大学の情報系の学科には、大学院に進む人が多い学科もあります。筑波大学の情報科学類の案内では、近年の卒業生の約 8 割が大学院に進学したと紹介されています。進学する人の割合は、大学や学科によって大きく異なります。

大学院の入試は、4 年の夏ごろに行う大学が多く、研究と並行して準備します。就職する人は、研究で身につけた「問いを立てて確かめる力」を、ソフトウェアの開発や研究開発の仕事に生かします。

図解卒業後の 2 つの道

大学院(修士)へ

  • 2 年かけて研究を深める
  • 学会で発表する機会が増える
  • 研究職や開発職を目指しやすい

就職する

  • 3 年の 3 月から就職活動が本格化
  • 研究と就職活動を両立する
  • 仕事の中で専門を深める

高校生のうちに試せること

  • 中高生情報学研究コンテストに挑戦する

    情報処理学会の全国大会の中で、中学生・高校生が情報学の研究をポスターで発表するコンテストです。応募の条件や締め切りは年度ごとに変わるので、公式ページで確かめてください。

    中高生情報学研究コンテスト
  • 論文を検索して 1 本読んでみる

    CiNii Research では、日本の論文や研究データを無料で検索できます。興味のある言葉で検索し、読める論文の要旨と図だけでも読んでみましょう。

    CiNii Research
  • オープンキャンパスで研究室を見る

    オープンキャンパスでは、研究室の公開や研究の紹介をしている大学もあります。4 年生や大学院生に、毎日の過ごし方やテーマの決め方を聞いてみましょう。

「4 年: 研究する」に関連するコミュニティ

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よくある質問

卒業研究では、新しい発見をしないといけませんか?

大発見は求められません。すでにある方法を新しいデータで試したり、条件を変えて比べたりする研究も多くあります。問いを立て、確かめ方を考え、結果を正直に報告することが大切にされます。

卒業研究は 1 人で進めるのですか?

多くの大学では、1 人に 1 つのテーマで取り組みます。ただし、先生や大学院生の先輩と相談しながら進めるので、1 人だけで抱え込む形ではありません。研究室のほかのメンバーの研究と関係するテーマを担当することもあります。

大学院に進むか就職するかは、いつ決めればよいですか?

大学院の入試や就職活動の時期を考えると、3 年の後半には考え始めておくと安心です。研究室の先輩や先生に、それぞれの道を選んだ理由を聞くと参考になります。