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図 3 仕事での生かし方仕事での生かし方 2

報道・広告・広報

取材した出来事や、商品・まちの魅力を、読み手に届く言葉に組み立てる仕事です。記者・コピーライター・広報と立場はちがっても、事実を確かめて短く正確に伝える力が共通の武器になります。

取材メモを手に飛び出す記者、ポスターの案を壁に並べるコピーライター、会見の準備をする広報担当が、ひとつのニュースルームで動き回る様子

ひとことで言うと

出来事と読み手のあいだにかける橋

世の中の出来事や商品の魅力は、そのままでは多くの人に届きません。記者やコピーライター、広報は、何を、どの順番で、どんな言葉で伝えるかを考えます。そうして出来事と読み手のあいだに橋をかけるのが仕事です。

01

どんな仕事?: 誰の立場で伝えるかで 3 つに分かれる

言葉で伝える仕事は、誰の立場で伝えるかによって大きく 3 つに分かれます。新聞社や放送局、通信社の記者は、社会の出来事を取材し、読者や視聴者に向けて記事やニュースにします。

コピーライターは、広告会社や制作会社などで、商品やサービスの魅力を短い言葉(コピー)にします。ポスターの一行や CM のせりふ、Web 広告の見出しなどが、コピーライターの仕事です。

広報は、会社や自治体、大学などの中で、自分たちの活動を外に知らせる仕事です。報道機関に向けた発表文(プレスリリース)を書き、取材を受け、自治体なら広報紙もつくります。

立場はちがっても、事実を確かめて、相手に届く言葉を選ぶ点は同じです。

図解言葉で伝える 3 つの仕事

記者

  • 社会の出来事を取材する
  • 事実を確かめて記事にする
  • 読者・視聴者のために書く

コピーライター

  • 商品の魅力を見つける
  • 短い言葉で心を動かす
  • 広告の依頼主と相談する

広報

  • 自分の組織の活動を伝える
  • 発表文を書き、取材を受ける
  • 広報紙や Web をつくる

02

記者: 現場で確かめ、結論から書く

記者の仕事は、現場に行き、人に会い、資料を読んで事実を確かめることから始まります。だれが、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように(5W1H)を押さえてから、記事にまとめます。

新聞の記事は、いちばん大事なことを最初の段落(リード)に書き、くわしい説明をあとに続けるのが基本です。忙しい読者が最初の数行だけ読んでも、要点が伝わるようにするためです。見出しは、その内容をさらに短く言い切ります。

日本新聞協会の調べでは、2026 年 4 月時点で、新聞社・通信社で働く人の 51.7% が編集部門 です。記事を書く記者のほか、写真を撮る人や、紙面に記事を割り付けて見出しをつける人もここで働いています。

確かめた事実を、大事な順に並べるのが記者の書き方です。

図解記事ができるまで(例)

入力「地元の高校の文芸部が全国大会で入賞」という知らせ
  1. 1学校に電話して、取材の約束をする
  2. 2部員と先生に話を聞き、作品を読ませてもらう
  3. 3いつ・どこで・何を・なぜを確かめてメモする
  4. 4結論を最初に書き、短い見出しを考える
結果翌日の地域面に載る記事
街路樹の向こうに、石造りの古い建物と、その後ろに高い茶色のビルが建っている
横浜情報文化センター。中に日本新聞協会が運営する新聞博物館「ニュースパーク」があり、記者になって取材する体験ゲームもあります。高校生の入館料は 200 円です。写真: J o(CC BY-SA 3.0・Wikimedia Commons)

03

コピーライターと広報: 短い言葉で人を動かす

コピーライターの仕事は、商品を説明することではなく、見た人の心を動かすひとことを見つけることです。依頼主の話を聞き、商品を実際に使い、誰に何を感じてほしいかを考えます。そのうえでたくさんの案を書き、選び抜きます。

東京コピーライターズクラブは、1958 年に始まったコピーライターの団体です。毎年、前の年に実際に使われた広告から、優れたコピーを選んで表彰しています。短歌や俳句のように、限られた字数で情景や気持ちを伝える力が問われる仕事です。

広報には、よい知らせだけでなく、困ったことが起きたときにも、正確にすばやく説明する責任があります。日本パブリックリレーションズ協会は、2007 年から PR プランナーの資格を設けています。1 次試験と書類審査に合格すると「PR プランナー補」、2 次試験まで合格すると「准 PR プランナー」になれます。

短い言葉ほど、ひとつひとつの言葉の選び方が問われます。

クイズ報道と広報のクイズ

答えを 1 つ選んでください。

  1. Q1日本の新聞の発行部数は、2000 年と 2025 年を比べるとどう変わった?

  2. Q2日本の日刊新聞が生まれた地とされ、新聞博物館「ニュースパーク」がある都市は?

  3. Q3新聞記事で、いちばん伝えたい結論を書くのはどこ?

0 / 3 問に回答

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地方支局の記者の 1 日(例)

ここでは、新聞社の地方支局で働く若手記者の 1 日の例を紹介します。全国に支局を持つ新聞社では、新人の記者が地方の支局から仕事を始めることがよくあります。市役所や警察、学校、地域の行事など、幅広い取材を受け持ちます。

予定された会見や行事のほかに、災害など急な出来事が起きれば、予定を変えて現場に向かいます。締め切りの時間が決まっているので、限られた時間で正確に書く力が鍛えられます。

いまは紙の新聞の締め切りを待たずに、ニュースサイトに記事を出すことも増えています。働き方は、会社や担当する分野によって大きく異なります。

限られた時間で、確かめて書く力が毎日鍛えられます。

図解地方支局の記者の 1 日(例)

  1. 9:00市役所の会見新しい事業の発表を聞く
  2. 11:00記事を送る会見の内容を短い記事にまとめる
  3. 13:00街の取材商店街の新しい取り組みを聞く
  4. 15:30写真を選ぶ撮った写真から記事に合う 1 枚を選ぶ
  5. 17:00原稿を書くデスク(上司)に送り、直しを受ける
  6. 19:00翌日の準備取材先に電話し、明日の予定を組む

05

大学の学びと入り方・その先

文学部の学びは、伝える仕事のあちこちで生きます。作品を精読して「なぜこの言葉なのか」を考える経験は、取材した話から核心をつかむ力になります。批評やレポートを書く練習は、根拠を示して筋道立てて書く力を育てます。

短歌や俳句、修辞(レトリック)の研究は、短い言葉で情景を伝えるコピーづくりにつながります。日本語学で学ぶ敬語や表記のきまりは、記事や発表文を正確に整える土台です。

新聞社や放送局、広告会社には、大学を出て新卒の採用試験を受けて入る人が多くいます。広報は、会社や自治体に入ってから広報の部署に配属される形がよく見られます。学生新聞や放送部、広告研究会で実際に書いてきた経験は強みになります。

経験を積むと、記者なら専門の分野を持つ編集委員や、原稿を直して紙面をまとめるデスクに進む道があります。コピーライターは広告全体を考えるクリエイティブディレクターに、広報は組織の発信をまとめる責任者になる人もいます。

書いて、読んでもらう経験を学生のうちに重ねておくと強みになります。

図解伝える仕事への道(例)

  1. 1大学で学ぶ精読・批評・日本語学など
  2. 2書く経験を積む学生新聞・放送部・広告研究会
  3. 3採用試験新聞社・放送局・広告会社・企業
  4. 4現場で鍛える支局での取材やコピーの案出し

高校生のうちに試せること

  • 記事に自分で見出しをつける

    新聞かニュースサイトの記事を 1 本選び、見出しを隠して本文だけ読みましょう。15 字以内で自分の見出しをつけて元の見出しと比べると、何を大事と考えたかのちがいが分かります。

  • 自治体の広報紙を読み比べる

    住んでいる市や町の広報紙と、全国広報コンクールで入賞した広報紙を読み比べましょう。このコンクールは 1964 年から毎年開かれています。表紙の写真や見出しの言葉から、読んでもらうための工夫が見えてきます。

    全国広報コンクール(日本広報協会)
  • ポスターにキャッチコピーをつける

    文化祭や部活の勧誘ポスターに、20 字以内のコピーを 10 案書いてみましょう。友だちにいちばん心が動いた案を選んでもらうと、届く言葉と届かない言葉のちがいが分かります。

「報道・広告・広報」に関連するコミュニティ

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よくある質問

記者になるには、文章がうまくないといけませんか?

入社してから、先輩やデスクに原稿を直してもらいながら書き方を身につけていきます。最初から名文を書けることより、人の話を聞き、事実を確かめる粘り強さが大切です。

新聞の部数が減っていますが、記者の仕事はなくなりませんか?

多くの新聞社は、ニュースサイトやアプリでも記事を配信しています。紙か画面かにかかわらず、現場で確かめた事実を書く記者の役割は変わりません。

コピーライターに資格はいりますか?

必要な資格はありません。広告会社や制作会社に入り、先輩のもとで学ぶ人が多くいます。東京コピーライターズクラブの新人賞のように、若手の作品を評価する賞もあります。