図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 3
3 年: 領域を深める
ゼミに入って関心のある分野を深めながら、人を理解する心理的アセスメントと、心を支える心理学的支援法を学ぶ 1 年です。公認心理師をめざす人は、ロールプレイの演習や施設での実習にも取り組みます。

ひとことで言うと
部活で、ポジションごとの練習に分かれる
1・2 年は全員で基礎練習をして、3 年からはポジションごとの練習に分かれる部活があります。心理学の 3 年も同じで、ゼミで自分の専門を決め、アセスメントや支援法で専門の技を磨き始めます。

01
ゼミ(専門演習): 見習いの研究者になる
3 年ごろから、少人数のゼミ(専門演習)が始まる大学が多くあります。ゼミでは、先生の専門に近いテーマの論文を読んで内容を発表し、仲間と議論します。時期は大学によって異なり、和光大学の心理学専修では 3 年でテーマを探り、4 年で卒業論文を書きます。
日本学術会議の参照基準は、こうした演習で学生が「ミニ研究者(見習い研究者)」として自分で考えることを大切にしています。ほかの学生と議論する機会も欠かせないとしています。元の論文を自分で調べ、必要なら追試の実験や観察も行います。
ゼミ選びは、4 年の卒業研究のテーマにつながります。研究室を訪ねて、先輩の研究や毎週の進め方を聞いておくと選びやすくなります。
図解ゼミの 1 回の流れ(例)
- 1論文を選ぶ関心のあるテーマの研究を探す
- 2読んでまとめる目的・方法・結果を整理する
- 3発表する要点と疑問点を伝える
- 4議論する仲間や先生と意見を交わす
- 5次の問いを探すまだ分かっていないことを見つける

02
心理的アセスメント: 人を多面的に理解する
心理的アセスメントは、支援を必要とする人の状態や困りごとを、観察・面接・心理検査を組み合わせて理解することです。公認心理師の大学の科目では、その目的と倫理、方法、記録と報告の仕方を学ぶとされています。
心理検査の代表の 1 つが知能検査です。1905 年、フランスのビネーは国の依頼を受けて、シモンとともに、特別な支援が必要な子どもを見つけるための検査を作りました。これが世界で最初の知能検査とされています。
1 つの方法で分かることには限りがあります。いくつもの方法を組み合わせて、その人を多面的に理解することが大切です。検査の結果や相談の内容は大切な個人の情報なので、記録の扱い方もあわせて学びます。
図解アセスメントの 3 つの方法
観察
- ふるまいや表情を見る
- 例: 教室や遊びの様子
面接
- 話を聴いて困りごとを知る
- 例: 相談室での対話
心理検査
- 決まった手順で測る
- 例: 知能検査・質問紙


03
心理学的支援法: 話を聴き、支える方法を学ぶ
心理学的支援法では、代表的な心理療法やカウンセリングの歴史と考え方、良い人間関係を築くためのコミュニケーションの方法を学びます。プライバシーへの配慮や、心の健康教育も含まれます。
心理療法には、いくつもの考え方があります。たとえば認知行動療法は、つらい気分のもとになっている考え方のくせや行動に目を向け、別のとらえ方や行動を本人と一緒に試していく方法です。
砂を入れた箱にミニチュアを置いていく箱庭療法は、言葉にしにくい気持ちを形にする方法です。スイスのカルフが心理療法として形を整え、1965 年に河合隼雄が日本に紹介しました。
図解相談の進め方(例)
- 1気持ちを否定せずに話を聴く
- 2眠れなくなる場面を一緒に整理する
- 3考え方や生活の工夫を一緒に探す


04
心理演習と心理実習: 現場で学ぶ
公認心理師をめざす人は、心理演習と心理実習を学びます。心理演習では、具体的な場面を想定したロールプレイ(役割演技)と事例検討で、相談の受け方、心理検査、支援の計画の立て方などを練習します。
心理実習は 80 時間以上と決められています。保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働の 5 つの分野の施設で、見学などをしながら指導を受けます。当分の間は、病院や診療所での実習が必須です。
実習では、知り得た個人の秘密を守ることが強く求められます。チームで支える方法や、医師や教員など他の職種との連携、職業としての倫理と法律上の義務も、現場で学ぶ大切な内容です。

05
卒業後を見すえる: 就職と大学院
3 年の後半は、卒業後の進路を考え始める時期です。政府は企業に、広報活動を卒業の前の年度の 3 月 1 日から、採用選考を卒業する年度の 6 月 1 日から始めるよう求めています。学部で就職する人は、3 年の 3 月から就職活動が本格的に始まります。
公認心理師になる道は、主に 2 つあります。1 つは、大学で決められた 25 科目を学んだあと、大学院で 10 科目と 450 時間以上の実習を学ぶ道です。もう 1 つは、大学を出たあと決められた施設で 2 年以上働く道です。どちらも、そのあと国家試験に合格して登録します。
大学院に進むかどうかで、4 年の過ごし方も変わります。ゼミの先生や先輩に、早めに相談しておくと安心です。
図解公認心理師になるまで(大学院に進む場合)
- 1大学で 4 年決められた 25 科目を学ぶ
- 2大学院で 2 年10 科目と 450 時間以上の実習
- 3国家試験公認心理師試験に合格する
- 4登録公認心理師として働き始める
高校生のうちに試せること
友だちの話を「聴く」練習をする
友だちの話を 3 分間、途中で口をはさまずに聴き、最後に「〜ということだね」と短くまとめて返してみましょう。交代して、話しやすさがどう変わるかを確かめるのがこつです。
若者向けのメンタルヘルスのサイトを読む
厚生労働省の「こころもメンテしよう」では、ストレスと心の関係や、友だちの様子が気になるときの接し方を紹介しています。心理学的支援法で学ぶ内容の入口になります。
こころもメンテしよう(厚生労働省)志望校の科目表で 25 科目を確かめる
公認心理師をめざすなら、志望校のカリキュラムに、大学で必要な 25 科目がそろっているかを確かめましょう。心理演習・心理実習に人数の枠があるかも、あわせて見ておくと安心です。
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よくある質問
ゼミはどうやって決まりますか?
決め方は大学によって異なり、学生の希望をもとに、面談や成績などもふまえて決めることがあります。説明会や研究室の訪問で、先生の専門と毎週の進め方を確かめてから希望を出すと安心です。
実習先では何をしますか?
大学の心理実習は、見学を中心とした実習です。施設の実習指導者や大学の先生の指導を受けながら、チームで支える方法、他の職種との連携、職業としての倫理を学びます。実習で知った個人の秘密は必ず守ります。



