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図 3 仕事での生かし方仕事での生かし方 3

英語を教える

中学・高校の英語の先生や英語講師として、英語で伝え合う楽しさと力を育てる仕事です。高校で身につけた英語を、生徒に「分かる英語」で届ける工夫が、仕事の中心になります。

明るい中学校の教室で、日本の若い英語の先生と ALT が黒板の前に並び、ペアになった生徒たちが楽しそうに英語で話している様子

ひとことで言うと

初めての友だちにゲームのルールを教えるとき

新しいボードゲームを初めての友だちに教えるときは、難しい言葉を避け、実際にやって見せ、分からない顔をしたら言い方を変えます。英語の先生は、これを英語で、毎時間くり返しています。

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どんな仕事?: 英語で伝え合う時間をつくる

英語を教える仕事の中心は、中学校や高校の英語の先生です。教員免許を取って採用され、教壇に立ちます。塾や予備校、英会話の教室などで教える英語講師として働く人もいます。いまの学習指導要領では、小学校でも 3 年生から外国語活動、5 年生から教科の外国語が始まりました。

英語の先生は、教科書の英文を読み込み、活動のやり方を英語で説明し、生徒の発言に英語で応え、作文にコメントを書きます。高校の英語の 5 つの領域を、すべて生徒の手本として使う仕事です。

ただし、先生の仕事は、自分が英語を話すことそのものより、生徒が英語を使う時間をつくることにあります。ペアで話す、グループで調べる、クラスの前で発表する。どの活動をどの順に置くかを考えるのが、授業づくりの中心です。

先生は、英語の 5 つの領域すべてを、生徒の手本として使います。

図解英語の先生が使う高校の英語

英語を教える
  • 聞く生徒の発言を聞き取って受け止める
  • 読む教科書の英文を深く読み込む
  • 話す[やり取り]生徒と英語で質問し合う
  • 話す[発表]活動のやり方を英語で説明する
  • 書く生徒の英作文にコメントを書く

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話す: 伝わらないときは、言い直して見せる

授業では、Make pairs.(ペアになろう)や You have one minute.(時間は 1 分です)のような短い英語で活動を進めます。生徒がもう知っている語で、短く言うのが基本です。

それでも、生徒がきょとんとすることはあります。そのときは、速さを落とし、やさしい語に言い換え、自分の例を見せます。学習指導要領の解説も、生徒の理解に合わせて先生の英語を調整するよう求めています。

たとえば environment(環境)が伝わらないときは、身の回りの物で言い換えます。the air, the water and the trees around us のように言えば、意味が見えてきます。相手の顔を見て英語を調整する力は、英語が得意なだけでは身につかない、教える人ならではの技です。

相手に合わせて英語を調整する力が、教える仕事の腕の見せどころです。

図解伝わらないときの言い直し(例)

入力先生「Describe your ideal weekend.」に、生徒がきょとんとしている
  1. 1ゆっくり、はっきり言い直す
  2. 2やさしく言い換える: What do you want to do on Saturday?
  3. 3自分の例を見せる: I want to go fishing with my family.
  4. 4黒板に Saturday と Sunday の 2 つの欄をかく
結果生徒が自分の週末の予定を英語で話し始める

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ALT と組む: 授業の中の役割分担

多くの学校には、外国語指導助手(ALT)が来ています。ALT がどこから来ているかは、このサイトの「英語で世界とつながる」のページで紹介しています。ここでは、授業の中で ALT と日本の先生がどう役割を分けているかを見ていきます。

文部科学省の 2025 年度の調査は、高校の英語の授業で ALT などが担う役割を学科ごとに聞いています。「生徒のやり取りの相手」は 95.6%、「先生とのやり取りを見せる手本」は 95.5% の学科で行われていました。「作文などへのコメント」(93.9%)や「発音の手本や指導」(93.8%)も、9 割をこえています。

一方で、英語の授業の半分以上に ALT などが加わっている学科は 12.2% でした。多くの授業は、日本の先生が一人で進めています。ALT が来る日には生の英語にふれる活動を、来ない日にはその続きを置く。1 年分の授業を組み立てるのが先生の仕事です。

ALT と力を合わせると、授業の中のやり取りの場面を増やせます。

クイズ英語の先生の仕事のクイズ

答えを 1 つ選んでください。

  1. Q1高校の英語の授業で、ALT などが最も多くの学科で担っていた役割は?(2025 年度)

  2. Q2高校で、英語の授業の半分以上に ALT などが加わっている学科は?(2025 年度)

  3. Q3英語の資格などを採用試験で加味した県・市などは、68 のうちいくつ?(2024 年度実施)

0 / 3 問に回答
誰もいない教室。前に緑の黒板と先生の机があり、黒板の上に学級の目標の掲示と時計、右に引き戸がある
秋田県由利本荘市の中学校の教室。英語の授業では、日本の先生と ALT が黒板の前に並んで、手本の会話を見せることもあります。写真: Douglas P Perkins(CC BY 3.0・Wikimedia Commons)

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中学校の英語の先生の 1 日(例)

ここでは、公立中学校で 1 年生と 3 年生の英語を受け持つ先生の 1 日の例を紹介します。中学校の先生は、授業のほかに、学級担任や部活動の指導を受け持つこともあります。

ALT と一緒に授業をする日は、前もって進め方を英語で打ち合わせます。どちらが説明し、どちらが手本の会話をするかを決めておくと、授業がなめらかに進みます。

放課後は、生徒の英作文に目を通し、よく書けたところと、まちがえやすいところにコメントを書きます。次の授業で使う英語の言い方を考える時間も、この仕事の一部です。

授業の外でも、英語で考え、英語で準備する時間があります。

図解中学校の英語の先生の 1 日(例)

  1. 8:00朝の打ち合わせ職員室で今日の予定を確かめる
  2. 8:501 年生の授業ALT と好きな食べ物を伝え合う
  3. 10:503 年生の授業1 分間の英語スピーチを発表する
  4. 12:30給食・昼休み教室で生徒と一緒に食べる
  5. 13:40ALT と打ち合わせ来週の授業の進め方を英語で相談
  6. 15:30作文のコメント生徒の英作文に一言ずつ書く
  7. 16:30部活動受け持つ部の練習を見守る

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先生への道と、その先

高校のうちは、ペアやグループの活動で、友だちに英語で説明する役を引き受けてみてください。相手がどこで分からなくなるかに気づくことが、教える力の始まりです。

中学校や高校の英語の先生になるには、大学で教職課程の科目を取り、教育実習に行って、英語の教員免許を取ります。教育職員免許法施行規則は、英語の免許の専門の科目として、英語学・英語文学・英語コミュニケーション・異文化理解を挙げています。どの大学・学科で取れるかは、文部科学省の一覧で確かめられます。

公立学校の先生になるには、都道府県などの採用試験に合格します。2024 年度に行われた試験では、68 の県・市などのうち 63 が、英語の資格や留学の経験などを加味する特別の選考をしていました。経験を積むと、学校で英語の指導をまとめる立場や、教育委員会で授業づくりを支える仕事、大学院で英語教育を研究する道もあります。

教える経験は、高校の教室からもう始められます。

図解英語の先生になるまで(例)

  1. 1高校で学ぶ友だちに英語で説明してみる
  2. 2教職課程英語学・英語文学と教育の科目
  3. 3教育実習中学校や高校で授業をする
  4. 4採用試験合格して教壇に立つ

高校生のうちに試せること

  • 5 分間、英語だけで教える

    折り紙の折り方やじゃんけんのルールなど、簡単なことを 1 つ選び、家族や友だちに英語だけで 5 分間教えてみましょう。ゆっくり話す、言い換える、やって見せるの 3 つを意識すると、授業の英語の工夫が体験できます。

  • 教科書の 1 ページで授業案を作る

    英語の教科書から 1 ページを選び、10 分の授業案を作りましょう。何ができるようになれば成功か、生徒にどんな活動をしてもらうか、そのとき言う英語の指示を書き出すと、先生の目線で教科書が読めます。

  • 英語の免許を取れる大学を調べる

    文部科学省のサイトには、教員免許状を取れる大学と学科の一覧があります。中学校や高校の英語の免許を取れる学科を探し、志望する大学で取れるかを確かめましょう。

    教員免許状を取得できる大学(文部科学省)

「英語を教える」に関連するコミュニティ

研究室・部活・サークルなど、全国の 47 件から探せます。

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よくある質問

英語の先生になるのに、英検などの資格は必要ですか?

教員免許を取るのに、英語の検定の合格は条件になっていません。ただし採用試験では、2024 年度に行われた試験で 68 の県・市などのうち 63 が、英語の資格や留学の経験などを加味する特別の選考をしていました。受けたい自治体の募集要項で確かめてください。

中学校と高校、どちらの先生になるかは、いつ決めればよいですか?

多くの大学では、中学校と高校の両方の英語の免許を取れる課程があります。大学で学びながら、教育実習などを通して決める人もいます。取れる免許は大学や学科によって異なるので、志望校で確かめてください。

塾や英会話の講師と、学校の先生は何が違いますか?

学校で教えるには、教員免許が必要です。学校の先生は、授業のほかに学級担任や部活動、学校行事などにも関わります。塾や英会話教室の講師は、受験対策や会話など、目的をしぼって教えることが多い仕事です。