図 2 4 年間の流れ()4 年間の流れ 1
1 年: 読み方の基礎
文学概論や文学史、英語と第二外国語、少人数の基礎演習から始まる 1 年です。作品を細かく読み、調べて、根拠を示して書く「読み方の基礎」を身につけます。

ひとことで言うと
楽器の基礎練習から始める
楽器を始めると、まず楽譜の読み方や音階を練習します。基礎ができると、好きな曲を自分なりに弾けるようになります。文学部の 1 年も、言葉を細かく読む練習と、調べて書く練習から始まります。

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1 年の科目: 文学の入口に立つ
1 年の専門科目は、文学概論と、少人数の基礎演習が中心です。近畿大学の文芸学部日本文学専攻では、基礎演習と文学概論 1・2 が 1 年の必修です。学習院大学の日本語日本文学科では、日本文学講義 I・日本語学講義 I・基礎演習 I が 1 年に置かれています。
文学概論は、文学とは何か、作品をどう読むかを考える授業です。文学史は、作品を時代の流れの中に並べて学ぶ科目です。学習院大学のように 1 年から受けられる大学もあれば、近畿大学のように 2 年に置く大学もあります。
多くの大学では、英語に加えてもう 1 つの外国語を学びます。関西大学の文学部では、英語を含む 7 つの言語のほか、ギリシャ語・ラテン語・サンスクリット語・古代エジプト語などの授業も開いています。
これが分かると、好きな作品を「面白かった」で終わらせず、どこがなぜ面白いのかを説明できるようになります。
1 年の科目は、2 年から原文で作品を読むための土台になります。
図解1 年で学ぶ科目(例)
- 文学概論文学とは何か・どう読むか
- 文学史作品を時代の流れに並べる
- 基礎演習調べて書き、発表する
- 英語原文で読むための土台
- 第二外国語ドイツ語・中国語・ラテン語など
- 教養科目歴史・哲学・情報など

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文学概論: 「文学」という言葉から考える
日本学術会議の参照基準によると、今の意味の「文学」という言葉は、明治の初めに英語の literature の訳語として使われ始めました。literature をさかのぼると、ラテン語で文字を表す littera に行き着きます。
そのため literature は、もともと文字を読み書きする力と、それで身につく教養を指していました。参照基準は、文学は元来リテラシーと同じ意味だったと説明しています。今では、言葉でつくられた芸術作品とその全体を指すのが一般的です。
参照基準は、口承文芸・演劇・映画・漫画・アニメなども、文学と構造が似ている限りで、この分野の対象になるとしています。好きなマンガやアニメの物語も、文学の学びの対象になり得ます。
読み方の基本として、参照基準は「精読」と「速読」を車の両輪に挙げています。大学の授業で特に練習するのは、一字一句をゆるがせにしない精読です。
「文学」は、もともと文字を読み書きする力を指す言葉でした。
図解読む力の両輪: 精読と速読
精読
- 一字一句をゆるがせにしない
- 語彙・文法・文体まで確かめる
- 講読やゼミの授業の基本
速読
- 細部にこだわらず大意をつかむ
- 作品全体の組み立てを見通す
- たくさんの作品に触れる

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基礎演習: 調べて、引用して、書く
基礎演習は、少人数のクラスで、大学での学び方を身につける授業です。資料の探し方、レポートの書き方、発表のしかたを、実際に作品を読みながら練習します。
参照基準は、本や論文の情報を探して集め、整理し、信頼できるかを確かめる訓練を、有用な実習に挙げています。図書館の検索や、論文を探せる CiNii Research などを使います。
書くときに大切なのは、事実と意見を分けることです。参照基準は、根拠と出どころを確かめながら書く訓練を、文章作成の導きの糸としています。事実なら情報源はどこか、意見ならどう形づくられたかを確かめます。
読書感想文との違いは、ここにあります。「感動した」で終わらず、本文のどの言葉からそう読めるかを引用して示すのが、大学のレポートです。
図解レポートができるまで(例)
- 1問いを立てる気になった表現を 1 つ選ぶ
- 2資料を探す図書館と論文の検索を使う
- 3精読する本文に線を引き、メモを取る
- 4引用して書く事実と意見を分けて書く
- 5発表する質問を受けて書き直す


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1 年生の 1 週間: 語学と読書が中心
下の図は、文学部の 1 年生の 1 週間の例です。文学概論や基礎演習に、英語と第二外国語、教養の科目が加わります。実際の科目や曜日は大学によって異なります。
高校との大きな違いは、授業の前に作品を読んでおくのが前提になることです。気になる表現に線を引いておくと、演習での話し合いに参加しやすくなります。
第二外国語は、文学部では特に大切です。参照基準は、英語のほかに少なくとももう 1 つ外国語を学ぶことが、多様な世界観を得るために不可欠だとしています。フランス文学やドイツ文学に進むなら、その言語が 2 年からの原書講読の土台になります。
図解1 年生の 1 週間(例)
- 月文学概論・英語「文学とは何か」を考える
- 火第二外国語・教養文法と発音を基礎から学ぶ
- 水基礎演習短編を精読して話し合う
- 木文学史・英語作品を時代の流れで整理する
- 金第二外国語・体育短い文を辞書を引いて訳す
- 土・日読書・課題次の演習で読む作品を読む

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専攻を選ぶ: 入学のときか、1 年かけてか
専攻を決める時期は、大学によって大きく 2 つに分かれます。学習院大学の日本語日本文学科のように、学科ごとに入学する大学では、入学のときに分野が決まっています。
一方、関西大学の文学部は学部でまとめて入学し、1 年間で 12 の専修の学びに触れてから、2 年で専修に進みます。慶應義塾大学の文学部も、1 年は日吉キャンパスで幅広く学び、2 年から専攻に所属して三田キャンパスで学びます。
日本文学と外国文学のどちらに進むか迷っている人は、1 年かけて選べる大学なら、両方の授業を受けてから決められます。志望校で専攻を決める時期を確かめておくと安心です。
高校生のうちに試せること
ビブリオバトルで本を紹介する
ビブリオバトルは、1 人 5 分で本を紹介し、2〜3 分の話し合いのあと、いちばん読みたくなった本に投票する、本の紹介ゲームです。友だちと開いて、好きな本の魅力を言葉にしてみましょう。
ビブリオバトル公式ルール同じ作家の作品を 2 つ読み比べる
青空文庫では、著作権の切れた作品を無料で読めます。教科書で読んだ作家の別の作品を読み、似ているところと違うところを 3 つずつ書き出しましょう。
青空文庫好きな作家の論文を検索する
CiNii Research で好きな作家や作品の名前を検索すると、研究者が書いた論文の題が並びます。題を眺めるだけでも、どんな問いが研究になるのかが見えてきます。
CiNii Research感想を「引用つき」で書く
最近読んだ本の感想を 400 字で書きましょう。そのとき、そう感じた根拠になる本文を 1 か所引用します。基礎演習で練習するレポートの書き方の先取りになります。
「1 年: 読み方の基礎」に関連するコミュニティ
研究室・部活・サークルなど、全国の 244 件から探せます。
よくある質問
1 年から、文学の専門の授業はありますか?
あります。近畿大学の文芸学部日本文学専攻では基礎演習と文学概論が 1 年の必修で、学習院大学の日本語日本文学科でも日本文学講義 I や基礎演習 I が 1 年に置かれています。英語や教養の科目と並行して学びます。
第二外国語は、どれを選べばよいですか?
外国文学を専攻したい人は、その国の言語を選ぶと、2 年からの原書講読につながります。日本文学を専攻する人も、海外の研究や翻訳と読み比べる場面があります。選べる言語は大学によって異なるので、志望校の案内で確かめてください。
読書感想文が苦手でした。レポートは書けますか?
書けるようになります。大学のレポートでは、感じたことの上手さより、本文を引用して根拠を示すことが大切です。書き方は、基礎演習で一から練習します。
