2027 年度入試(2027 年 4 月入学)で変わる点は、文部科学省が 2026 年 5 月 27 日に出した通知(8 文科高第 318 号)に「前年度からの主な変更点」として 4 つ挙げられています。総合型選抜・学校推薦型選抜で面接が必須になること、言語能力と数理的思考力に配慮すること、私立大学の入学料の負担軽減に関する記載が加わったこと、本人確認とオンライン試験の留意事項が加わったことです(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項及び大学院入学者選抜実施要項等について(通知)」2026 年 5 月)。この記事は、高校 3 年生・既卒の受験生と保護者が、この 4 つを順に確かめ、出願前に何を見ればよいかが分かるようにまとめた案内です。共通テストについても、大学入試センターの発表を前年度と照らしました。

日程や共通テストの科目、推薦・総合型の中身はすでに別の記事に書いてあるので、ここでは要点と行き先だけを示します。新しい中身は、入学料(入学金)の話です。

4 つの変更点と、どの記事を見るか

通知が挙げた変更点を、だれに関係するか、何をすればよいかとあわせて並べます。

変更点関係する人受験生がすること詳しい記事
総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価を必ず行う総合型・学校推薦型で出願する人志望する選抜区分に面接があるかを募集要項で確かめる推薦・総合型の記事
言語能力と数理的思考力の育成に配慮する大学の出題・評価の方針なので、どの受験生にも関係志望校の出題の方針と過去の問題を見るこの記事の次の節
私立大学の入学料に係る記載を追記私立大学を併願する人入学料の納付期限・返還・分納の扱いを大学ごとに確かめるこの記事の「入学料」の節
本人確認とオンライン試験の留意事項を追記試験当日・オンライン選考を受ける人本人確認の書類・環境を前もって用意するこの記事の「本人確認」の節

2027 年度入試で変わる 4 つの点と共通テスト・大学ごとの変更を区画に分け、何が変わるか、だれに関係するか、受験生が何をするか、詳しくはどの記事かを並べた一覧図。 図: 2027 年度入試の変更点の一覧(作成: 大学カタログ編集部 / もとの資料: 文部科学省・大学入試センター)

面接の必須化と、言語能力・数理的思考力への配慮

面接が必須になった:推薦・総合型を受ける人へ

総合型選抜と学校推薦型選抜は、能力・意欲・適性などを多面的・総合的に評価する入試です。その趣旨にあわせ、2027 年度入試からは面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問を含み、オンラインでの実施も含む)による評価を必ず行うことになりました(文部科学省「令和 9 年度大学入学者選抜実施要項」2026 年 5 月)。

例外は 2 つです。高校と大学が緊密に連携している非公募型の学校推薦型選抜で、合格したら入学することを確約して受けるものは、大学が面接の要否を判断できます。もう 1 つは、2026 年度入試ですでに実施されていた選抜区分で、2027 年度から面接を導入することが難しいものです。この場合も、遅くとも 2029 年度入試(令和 11 年度)までには導入するとされています。

そのため、2027 年度入試では、同じ「推薦」「総合型」でも面接がある区分とない区分が混ざる可能性があります。日程、2 月 1 日より前の学力テストへの注意、国公立大学の期限などは推薦・総合型の記事に書きました。ここでは、出願前に募集要項の「選考方法」の欄で面接の有無を確かめる、という一点だけ押さえてください。

言語能力と数理的思考力に配慮する:書かれている範囲

通知は、文理横断・文理融合教育を通じた課題解決力を育てることの重要性から、「言語能力及び数理的思考力の育成に配慮する」ことにしたと説明しています。

実施要項の本文でこれに当たるのは、教科・科目に係る個別テストの決まり(第 6 の 1 の(2))です。原文は、教科・科目は学習指導要領の中から各大学が定めるとしたうえで、「文理横断・文理融合教育を通じた課題解決力の涵養等の重要性に鑑み、高等学校における言語能力及び数理的思考力の育成に十分配慮するとともに、複数教科を統合して学力を判断する総合的な問題の出題など、工夫に努めることが望ましい」と書いています。

総合型選抜・学校推薦型選抜の決まりにも、「言語能力及び数理的思考力を含め大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等も適切に評価する」ため、調査書などの書類だけでなく、小論文・口頭試問、教科・科目のテスト、資格・検定試験の成績、共通テストのうち少なくとも 1 つを必ず使い、その旨を募集要項に書くことが定められています。

ここで書かれているのは、大学が入試を作るときの方針です。「どの大学の、どの試験が、どう変わるか」は、実施要項には書かれていません。したがって、「文理の融合問題が増える」などと決めつけることはできません。受験生にとっては、志望校が出している過去の問題、入試の出題方針、アドミッション・ポリシーを見て、複数の教科を合わせた問題や、文章を読み書きする力を問う問題があるかを確かめるのが確実です。

入学料の負担軽減:実施要項に加わったこと

今回の変更点の中で、受験生と保護者の家計にいちばん関わるのがこの項目です。

文部科学省の通知が求めていること

実施要項が挙げている「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について(通知)」は、2025 年 6 月 26 日付(7 文科高第 491 号)で、文部科学省高等教育局私学部長が学校法人の理事長らに宛てて出したものです。

通知は、入学しない大学に納める入学料が学生や保護者の負担になっていることが国会などで度々指摘されていると述べ、併願できる総合型選抜などが増えて入学料を複数の大学に納める機会が広がっていることも背景に挙げています。そのうえで、2026 年度入試に向けて検討してほしい事項を 3 つ挙げています。

  • 各大学が設定している入学料の額や納付時期などの趣旨や考え方を、学生や保護者に積極的に説明すること
  • 入学料の額の抑制に努めること
  • 入学しない学生が納める入学料の負担を軽くする方策を講じるよう努めること。その際には、複数の大学に入学料を納めることが進路選択の幅を狭めないよう経済的に困難な学生に配慮すること、入学料を納めたあとの辞退の時期が、大学が代わりの入学者を決められる時期かどうかを考えること、入学料を納める時期を複数回に分けることなどを考慮するのが望ましい

一方で通知は、最高裁判所の判決(2006 年 11 月 27 日)により、入学料は学生が大学に入学できる地位を得るための対価であり、のちに入学しなくなっても大学は返還義務を負わないとされていることを前提にしています。入学料の額や納付期限は本来それぞれの設置者が判断するものだとも書かれています。つまり、通知は返還を義務づけるものではなく、大学に取り組みを「お願い」するものです。

文部科学省は 2026 年 3 月 13 日に更新した「考え方等」で、具体的な例も示しています。入学を辞退する時期によって入学料の全部または一部を返す、返す場合に時期に応じて額に差をつける、合格発表後に入学料の一部だけを納めて残りを年度内などの一定の時期までに納める、納付期限を後ろにずらす、といったものです(文部科学省「通知の考え方等について」2026 年 3 月 13 日更新)。また、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜のどの入試方法でも、複数の大学に入学料を納める機会が生じうるなら対応を求める、としています。

2027 年度の実施要項にどう書かれたか

実施要項(第 10 の 2 の(2))は、この通知などを踏まえ、入学料を含む学生納付金について、額の抑制と負担を軽くする方策を講じるよう努めること、設定している額や納付時期の趣旨や考え方を積極的に説明することを求めています。納付が困難な学生に対しては、独自の減免または分割納入、納付時期の猶予などを積極的に講じるよう努め、その具体的な内容を募集要項などに明記する、とも書かれています。

つまり 2027 年度入試では、各大学が入学料の扱いを募集要項などに書くことが、実施要項上も求められています。受験生にとっては、志望校の募集要項で、次の点を確かめる材料になります。

確かめること見る場所
入学料の額と、納付の期限募集要項・入学手続要項の「入学手続」「納付金」
入学料を分けて納められるか、納付を待ってもらえるか同上(減免・分納・猶予の具体的な内容が書かれているはずの欄)
入学しない場合に、入学料の一部でも戻るか同上。大学ごとに違うので、書かれていなければ入試担当に問い合わせる
入学料以外の授業料などの返還の期限同上(実施要項は、3 月 31 日までに辞退した人への授業料等の返還のしかたを明確にすることも求めています。専願や学校推薦型選抜に合格して契約した人は除かれます)

2027 年度入試で扱いを変えた私立大学の例

大学の公式の発表で確かめられた例を 3 校あげます。額も時期も大学ごとに違うので、同じ形ではありません。

青山学院大学は、2026 年 5 月 27 日に、2027 年度の学士課程の入学者から入学金を 20 万円から 8 万円に引き下げると発表しました。入学金は「入学できる地位の対価のみ」と位置づけ、納めた入学金は入学手続きを終えなくても返金しないとしています。入学手続き後に辞退した場合は、入学金と前期の在籍基本料(6 万円)は返金せず、これ以外の学費を返金します。あわせて授業料は年額 3 万円の増額(施設設備料を授業料に含める)、在籍基本料は年 8 万円から年 12 万円に変わります。入学金だけが下がるわけではないので、納入金の合計は学部ごとの一覧で見る必要があります(青山学院大学「2027 年(令和 9 年)度入学者の学費改定と入学手続き時の取り扱いについて」2026 年 5 月 27 日)。

東洋英和女学院大学は、2027 年度入試から、これまで一次手続のときに納めていた入学申込金 20 万円を、二次手続のときの納付に変えます。一次手続は書類の提出だけになります。他大学との併願も含めて進路を考える受験生が、早い時期にまとまった額を用意しなくてよいようにするためと説明しています。入学時に必要な納付総額は変わりません(東洋英和女学院大学「2027 年度入試より入学前から卒業までの経済的負担の軽減に向けた制度へ」2026 年 6 月 3 日)。

関西外国語大学は、総合型選抜・特別型選抜・指定校制推薦入試で、これまでの一括の入学手続を、「1 次手続(入学金の納入)」と「2 次手続(授業料等の納入)」の 2 段階に変えました。総合型選抜・特別型選抜は 1 次が 2026 年 11 月 13 日、指定校制推薦入試は 1 次が 2026 年 12 月 18 日、2 次はどちらも 2027 年 3 月 1 日が締切です(関西外国語大学「『入試ガイド2027』記載内容の変更について(入学手続締切日の変更)」)。入学金の納入は 1 次手続のままで、授業料等の納入が 2027 年 3 月 1 日まで後になります。

この 3 校は、額を下げる、入学料の納付時期を後ろにする、授業料等の納付を後ろにする、と変え方が別です。ほかの大学でも同じような見直しが行われているかもしれませんが、この記事で確かめたのはこの 3 校だけです。なお、ここに挙げた変更が通知への対応かどうかは、各大学の発表に書かれていないので、この記事では結びつけていません。

本人確認とオンライン試験:当日と出願で気をつけること

実施要項は、不正行為の防止の項目に、本人確認を適正に行うことと、オンライン試験での対応を加えています。大学に対しては、試験の監督者が巡視で注意する観点(服装、手の位置、受験者の目線など)を周知し、本人確認を適切に行うこと、オンラインで試験をするときはその特性に対応した本人確認と不正防止の措置を講じること、入学の時点でも選抜の過程で不正がなかったことが確認できるよう本人確認などの措置を講じることを求めています(第 13 の 6)。出願書類についても、記入事項や提出書類が本物であること、持ち込み禁止品や不正行為になる行為と罰則を募集要項などで周知することが書かれています。

オンラインで面接やプレゼンテーションなどを行う場合(第 13 の 7)には、通信環境の違いや技術的な不具合で特定の受験者が不利益を受けないように、通信の不具合のときに時間を繰り下げる、または予備日を設ける、通信環境を整えられない人には大学でのオンライン受験を認める、大学に連絡窓口を設けるといった配慮を行うこととされています。

受験生側は、この決まりのとおりに次の準備をしておくと安心です。

  • 出願書類の記入や提出は、自分で確かめた正しい内容にする
  • 募集要項に書かれた持ち込み禁止品と、試験中の注意を読んでおく
  • オンラインの選考がある大学では、募集要項で通信機器・場所・本人確認の方法を確かめ、事前に接続を試す。環境を整えられないときは、大学に早めに相談する

共通テストの本人確認は、大学入試センターの受験案内「D 試験」に具体的に書かれています。試験当日は、氏名と生年月日が書かれ、顔写真がついていて、試験日に有効な身分証明書(生徒証・学生証・マイナンバーカード・パスポート・運転免許証・在留カードなど)の持参が必須です。不正行為が疑われる場合や受験票を忘れた場合などに、本人確認のため提示を求められることがあります。試験時間中は、出願時に登録した写真と受験者の顔を監督者が確認し、顔を上げるように、またマスクや眼鏡、帽子などを一時的に外すように指示することがあります(大学入試センター「令和 9 年度 受験案内『D 試験』」)。受験票の印刷や持ち物は共通テストの記事にまとめてあります。

共通テストは前年度から変わった?と、大学ごとの変更の探し方

共通テストは前年度から変わった?

大学入試センターの令和 9 年度試験のページと実施要項を、令和 8 年度の実施要項と照らしました。出題教科・科目、試験時間、配点を示した別紙「出題教科・科目の出題方法等」は、比べた範囲では前年度と同じ内容で、文字の配置が違うだけでした。出題教科・科目と時間割は前年度と同じ形と考えてよく、中身は共通テストの記事に書いています。変わっているのは、実施日などの年度ごとの日付です。

『情報Ⅰ』は 2025 年度入試から課されるようになっており、国公立大学の課し方や大学ごとの配点の違いは情報Ⅰの記事に書きました。国公立の一般選抜の日程や手続は国公立大学の一般選抜の記事を見てください。

大学ごとの変更は、各大学の予告で確かめる

共通テストの科目や配点、学部・学科の新設や募集停止などは、国が一律に決めるものではなく、大学ごとに決まります。実施要項は、各大学が募集要項などを 2026 年 12 月 15 日までに発表することを求めています。それまでの間に変更が分かるものは、大学が入試のページで予告していることが多いです。

探し方は次のとおりです。

  1. 志望校の入試のページで、「入試の変更点」「変更予告」「令和 9 年度入学者選抜について」などの項目を探す
  2. 共通テストを使う入試は、使う教科・科目と配点が前年度と変わっていないかを見る
  3. 学部・学科の名称、新設、募集停止、定員が変わっていないかを、お知らせや要項の冒頭で見る
  4. 見つからないときは、入試担当の窓口に問い合わせる

大学のページから、都道府県や国立・公立・私立で絞り込んで調べるときは大学の一覧が使えます。

よくある迷い

面接がない推薦・総合型は、今年度はもう出願できない?

出願できます。2026 年度入試ですでに実施されていた選抜区分で、2027 年度から面接を入れることが難しいものは、遅くとも 2029 年度入試までに導入すればよいとされています。面接があるかどうかは、選抜区分ごとの募集要項で確かめます。

入学料は、通知のおかげで必ず戻るようになった?

そうとは限りません。通知は返還を義務づけるものではなく、各大学に負担を軽くする方策を講じるよう求めるものです。戻るかどうか、いつまでに納めるかは大学ごとに違うので、募集要項と入学手続要項で確かめてください。「入学金」と「入学料」は呼び方の違いで、大学によっては「入学申込金」などの名前もあります。

変更点が出そろうのはいつ?

各大学の募集要項などは、2026 年 12 月 15 日までに公表されます。共通テストの受験案内と実施要項は、すでに大学入試センターのページで公表されています。志望校が決まっている人は、いま公表されている予告から確かめ、12 月に出る募集要項で最終的に確かめるとよいでしょう。

次にすること

  • 推薦・総合型で出願する人は、志望する選抜区分の募集要項で、面接の有無と日程を確かめる
  • 私立大学を併願する人は、志望校ごとに入学料(入学金)の額・納付期限・分納や猶予・返還を一覧にしておく
  • オンラインの選考がある人は、通信環境と本人確認の方法を募集要項で確かめ、事前に試す
  • 共通テストを受ける人は、身分証明書の準備と受験票の印刷を済ませる
  • 志望校の入試のページで、共通テストの科目・配点や学部・学科の変更予告を見る