図 1 英語の広がり英語の広がり 2
話す(やり取り・発表)
その場で相手に言葉を返す「やり取り」と、準備した内容をまとまった形で伝える「発表」の 2 つの領域です。即興の会話からスピーチ、プレゼンテーション、ディベートまで、相手に伝わる話し方を練習します。

ひとことで言うと
キャッチボールと、マウンドからの投球
キャッチボールは、相手が投げた球を受けて、取りやすい球を返す練習です。マウンドからの投球は、準備した球を狙った所へ投げ込みます。英語の「やり取り」はキャッチボール、「発表」は投球に近く、どちらも練習を重ねるほど思った所へ届くようになります。

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やり取りと発表: その場で返す力と、準備して伝える力
いまの学習指導要領は、「話すこと」を[やり取り]と[発表]の 2 つの領域に分けています。やり取りは、質問に答えたり、質問を重ねて必要な情報を引き出したりする会話です。発表は、スピーチやプレゼンテーションのように、準備した内容をまとまった形で伝えることです。
学習指導要領の解説は、改訂の前の課題として、高校の授業で「やり取り」や「即興性」を意識した活動が十分でなかったことを挙げています。そこで、事前に書いた原稿を読むだけで終わらず、簡単なメモで話すことに慣れるよう求めています。台本のない会話を、少しずつ長く続けられるようにするのが目標です。
発表でも、原稿をそのまま読み上げるだけにしないことが大切です。写真やスライドを使い、聞き手に分かりやすく伝えることを意識して話します。解説は、発表のあとに聞き手と質疑応答をする活動も大切だとしています。
やり取りも発表も、原稿の読み上げで終わらせず、相手に届けることが目標です。
図解やり取りと発表のちがい
やり取り
- 相手の言葉にその場で返す
- 質問して情報を引き出す
- 例: 週末の予定を聞き合う
発表
- 準備した内容を伝える
- 写真やスライドで助ける
- 例: 1 分間のスピーチ

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言葉に詰まったら: 聞き直す・言い換える
会話を続けるための表現も、高校で学ぶ内容です。学習指導要領の解説は、会話を円滑にする言葉の働きとして、相づちを打つ、聞き直す、繰り返す、言い換える、話題を発展させる、話題を変えるを挙げています。このうち、言い換える・話題を発展させる・話題を変えるは、高校で新たに例に加わったものです。
相手の言葉が聞き取れなかったら、Sorry? や Could you say that again? と聞き直せば大丈夫です。考える時間がほしいときは、Let me see. や Well, とつなぎます。短いひとことで、会話は止まらずに続きます。
単語を忘れたときは、言い換えが役に立ちます。「消しゴム」の eraser が出てこないときは、使い道を説明します。It's for removing pencil marks. と言えば、相手が eraser? と教えてくれることがあります。知っている易しい語で説明する力は、大学で専門の話をするときにも使えます。
聞き直す・言い換えるための表現を持っておくと、言葉に詰まっても会話を続けられます。
図解言い換えで伝える(例)
- 1使い道を言う: It's for removing pencil marks.
- 2形や大きさを言う: It's small and soft.
- 3ある場所を言う: It's in my pencil case.

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スピーチの型: 伝えたいことを 1 つにしぼる
学習指導要領の解説は、スピーチを「あるテーマについて自分の考えや主張をまとまりのある形で述べる活動」と説明しています。暗記した文章を言うだけでなく、内容を自分で考えて整理し、聞き手に効果的に伝えることが求められます。
スピーチの型の 1 つに、最初に言いたいことを述べ、理由と具体例を続け、最後にもう一度まとめる組み立てがあります。最初の 1 文で結論が分かると、聞き手は話の行き先を知って安心して聞けます。
世界中で見られている TED のトークは、1984 年に開かれた 1 つの会議から始まりました。技術(Technology)・娯楽(Entertainment)・デザイン(Design)の会議で、TED はその頭文字です。今の TED のトークは、1 つのアイデアを 18 分以内で伝える動画です。長く話すより、何を伝えるかを選ぶことが、短いトークの力になっています。
スピーチは長さより、伝えたいことを 1 つにしぼる組み立てが大切です。
図解1 分スピーチの組み立て(例)
- 1言いたいこと最初に結論を 1 文で言う
- 2理由なぜそう考えるかを述べる
- 3具体例自分の体験や数字を挙げる
- 4まとめ結論をもう一度言う

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ディスカッションとディベート: 深め合う話し合いと、競う話し合い
高校の「論理・表現」では、スピーチやプレゼンテーションとともに、ディスカッションとディベートを学びます。どちらも意見を言い合う活動ですが、目的が違います。
学習指導要領の解説によると、ディスカッションは、情報や意見を出し合って話題の理解を深め、互いの意見のよい点や直すべき点を伝え合う活動です。司会の役割や進め方の手順をはっきりさせると、意見を出しやすくなるとしています。
ディベートは、賛成か反対かの立場をはっきりさせ、自分の側の意見のほうが妥当だと示す活動です。ディスカッションは一緒に考えを深め、ディベートは立場を分けて競うと覚えると、区別しやすくなります。どちらも、相手の意見を最後まで聞いてから話すことが出発点です。
目的に合わせて、深め合う話し合いと競う話し合いを使い分けます。
図解ディスカッションとディベートのちがい
ディスカッション
- 情報や意見を出し合う
- 話題の理解を一緒に深める
- 司会が進め方を整える
ディベート
- 賛成か反対かを決める
- 自分の側の妥当さを示す
- ルールに従って議論する


05
大学では: 英語で発表し、質問に答える
大学では、ゼミや授業で英語の発表をする機会が増えます。研究の学会では、ポスターの前で研究を説明し、その場で質問に答える発表もよく行われます。高校で練習する「発表のあとのやり取り」が、そのまま役立ちます。
交換留学では、少人数で意見を出し合う授業に参加することもあります。留学の制度や時期は大学によって異なりますが、高校の「論理・表現」で練習するディスカッションが、その準備になります。
高校生のうちに試せること
1 分スピーチを録音して聞き返す
好きな食べ物や部活について、スマートフォンの録音機能を使って英語で 1 分間話してみましょう。聞き返して、最初の 1 文で言いたいことが伝わるか、同じ言葉ばかり使っていないかを確かめます。
TED のトークの最初の 1 分を読む
TED の公式サイトで好きなトークを 1 本選び、書き起こし(Transcript)を開きましょう。最初の 1 分で、話し手が何を伝えると予告しているかを 1 文でメモし、最後のまとめと比べます。
TED「TED Talks」言い換えゲームをする
友達とカードに英単語を書き、その語を使わずに英語で説明して当て合いましょう。eraser なら It's for removing pencil marks. のように、使い道や形から説明します。
「話す(やり取り・発表)」に関連するコミュニティ
研究室・部活・サークルなど、全国の 125 件から探せます。
よくある質問
スピーチの原稿は、全部書いてから覚えたほうがよいですか?
全部を書いてもかまいませんが、本番で原稿を読み上げるだけにならないことが大切です。学習指導要領の解説も、事前に書いた原稿をそのまま読み上げるだけで終わらないよう求めています。原稿からキーワードだけを抜き出したメモで練習すると、聞き手を見て話せるようになります。
プレゼンテーションのスライドは、どう作ればよいですか?
解説は、写真や実物、ポスターやスライドなどを使うと、聞き手の注意をひき、理解を深められるとしています。1 枚のスライドには写真や図を大きく 1 つ置き、文字を少なくすると、聞き手は話に集中しやすくなります。



