図 2 高校 3 年間の流れ()高校 3 年間の流れ 4
その先: 大学で生かす
高校の国語で身につけた読む・書く・話す力は、大学ではどの学部でもレポートや発表の土台になります。国語そのものを深めたい人には文学部などの日本文学・日本語学の専攻があり、国語の先生になる道もあります。

ひとことで言うと
国語の力は、どの路線でも使える IC カード
交通系の IC カードは、どの路線に乗り換えても改札を通れます。国語の力も同じです。文学部に進んでも、法学部や教育学部、理系の学部に進んでも、文献を読み、レポートを書くたびに使います。

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大学 1 年: どの学部でも、まずレポートの書き方
大学に入ると、多くの学部で 1 年生向けの初年次教育があります。高校から大学への移行を助けるための、新入生向けのプログラムです。文部科学省の令和 5 年度の調査では、初年次教育を行っている大学は 746 大学で、全体の約 98% でした。
内容でいちばん多いのが、レポートや論文の書き方などの文章作法で、699 大学(約 92%)が行っています。次が、プレゼンテーションやディスカッションなど口頭発表の技法で、649 大学(約 85%)です。大学の最初の授業で求められるのは、読んで、書いて、話す力なのです。
高校の学習指導要領も、このことを踏まえています。解説によると、現代の国語や論理国語では、論理的な文章を書く力を充実させました。大学の初年次教育で、論文やレポートの書き方の講義が必要になっていることなどを踏まえたものです。
レポートでは、調べた事実と自分の考えを分けて書きます。例えば「文部科学省の調査によると、初年次教育を行う大学は約 98% である。このことから、大学は入学直後の学び方の支援を重視していると考えられる。」のように、出典つきの事実と考えを 1 文ずつ並べると、根拠のある文章の骨組みになります。
大学 1 年でいちばん多くの大学が教えるのは、レポートや論文の書き方です。
図解初年次教育でよく行われる内容(令和 5 年度)
文章作法
- レポート・論文の書き方
- 699 大学(約 92%)
口頭発表
- プレゼンテーション・討論の技法
- 649 大学(約 85%)
動機づけ
- 学問や大学教育への動機づけ
- 641 大学(約 84%)

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文学部で深める: 日本文学・日本語学・漢文学
国語そのものを深めたい人には、文学部などの日本文学・日本語学の専攻があります。名前は国文学科、日本文学科、日本語日本文学科など、大学によって異なります。古典から近現代までの文学を読む日本文学、言葉のしくみや移り変わりを調べる日本語学、漢詩や漢文を読む漢文学などを学べます。
多くの大学では、作品を原文で少しずつ読み、担当の学生が本文や言葉の注を調べて発表する講読やゼミの授業があります。4 年生では卒業論文を書きます。くわしい流れは、このサイトの「文学」のページの「4 年間の流れ」で紹介しています。
日本語学の研究の拠点の 1 つが、東京都立川市にある国立国語研究所です。1948 年に国語の総合的な研究機関として生まれ、中学生・高校生の見学も受け入れています。研究者の講義の例には、会話のしくみ、文字、方言、言葉の歴史的な変化、コンピュータを使った日本語の分析などがあります。
国語を専門にする道は、日本文学・日本語学・漢文学などに分かれます。


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法学・教育学から理系まで: 国語の力が生きる学問
国語の力が生きるのは、文学部だけではありません。法学では、条文や判決文を一語ずつ正確に読み、根拠を示して答案を書きます。教育学では、子どもに伝わる言葉を選び、授業の問いを組み立てます。それぞれの学問で国語がどう役立つかは、このページの図 4 で紹介しています。
社会学では人の話を聞いて書き起こし、外国語学では訳した文を伝わる日本語に整えます。理系の学部でも、実験のレポートや仕様書を書きます。どの学問も、最後は言葉で結果をまとめて人に伝えます。
高校で練習した、主張と根拠を分けて書くこと、引用元を示すこと、聞き手に合わせて話すことは、大学のどの授業でもそのまま使います。
どの学部に進んでも、国語の力はレポートと発表で使います。
図解国語の力が生きる学問
- 文学古典を原文で読み、卒業論文を書く
- 法学条文と判決文を読み、答案を書く
- 教育学伝わる言葉を選び、授業の問いをつくる
- 社会学聞き取りを書き起こし、論文にする
- 外国語学訳した文を、伝わる日本語に整える
- 理系の学問実験のレポートや仕様書を書く

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国語の先生になる: 国語学・国文学・漢文学を学ぶ
中学校や高校の国語の先生になるには、大学の教職課程で学び、教員免許状を取ります。国の規則である教育職員免許法施行規則は、国語の免許状に必要な専門の分野を定めています。高校の国語は、国語学・国文学・漢文学の 3 つで、それぞれ 1 単位以上を修得します。
中学校の国語は、この 3 つに書道が加わります。書道は「書写を中心とする」と定められています。中学校の国語の授業には、文字を整えて書く書写も含まれます。国語学には話し言葉や文章表現、国文学には国文学史も含まれます。
高校で学んだ現代の文章、古文、漢文は、大学では国語学・国文学・漢文学という学問として深まります。教職課程では、ほかに国語の指導法や教育実習なども学びます。どの学部で国語の免許状がとれるかは大学によって異なるので、志望校の教職課程の案内で確かめてください。
国語の先生をめざす人は、国語学・国文学・漢文学を大学で深めます。
図解国語の免許状で学ぶ専門の分野
中学校の国語
- 国語学(音声言語・文章表現を含む)
- 国文学(国文学史を含む)
- 漢文学
- 書道(書写を中心とする)
高校の国語
- 国語学(音声言語・文章表現を含む)
- 国文学(国文学史を含む)
- 漢文学


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国語を生かす進路と、高校生のうちにできること
国語の力を直接生かす仕事には、本や記事をつくる編集やライター、ニュースを伝える記者や広報があります。国語の先生や図書館の司書、条文を扱う法律や行政の仕事もそうです。それぞれの仕事は、このページの図 3 で紹介しています。
高校生のうちにできることもあります。志望する大学のシラバス(授業の計画)で、1 年生の「文章表現」や「日本語表現」のような授業を探すと、大学でどんな書き方を学ぶのかが分かります。国語の先生をめざす人は、国語の教職課程があるかも確かめておくと安心です。
国語が得意でなくても、心配しすぎることはありません。初年次教育は、ほとんどの大学で行われています。レポートの書き方は、大学に入ってから一から学べます。
高校生のうちに試せること
志望校のシラバスで文章の授業を探す
志望する大学のサイトで、1 年生の授業の計画(シラバス)を開きましょう。「文章表現」「日本語表現」「アカデミック・ライティング」などの授業を探し、どんな課題が出るかを読んでみてください。
国立国語研究所の見学を先生に相談する
国立国語研究所は、中学生・高校生向けに、研究者の講義と所内の見学を組み合わせたプログラムを用意しています。申し込みは学校の先生からなので、興味があれば国語の先生に相談しましょう。
国立国語研究所「見学・出前授業(小・中・高)」レポートの「問い」を立てる
身近な疑問を 1 つ選び、「〜は、なぜ〜なのか」という問いの形に書き直しましょう。調べ方と、使えそうな資料を 3 つ書き出すと、レポートの計画になります。
国語が生きる学問のページを読み比べる
このサイトの「文学」「法学」「教育学」のページで、高校の国語がどう役立つかを読み比べましょう。自分の興味のある分野で、どんな文章を読み書きするのかが分かります。
「その先: 大学で生かす」に関連するコミュニティ
研究室・部活・サークルなど、全国の 533 件から探せます。
日本語日本文学研究室
熊本大学(熊本県)
文学部 東アジア言語文化学コース・日本語学・日本文学
日本語の歴史や方言、古代から近代までの日本の文学作品を研究する。
中国文学語学分野
広島大学(広島県)
人間社会科学研究科 人文学プログラム・中国文学語学・川島 優子 教授
明清の白話小説など、中国の古典文学を研究している。
日本文学語学分野
広島大学(広島県)
人間社会科学研究科 人文学プログラム・日本文学語学・下岡 友加 教授
近代から中古中世までの日本文学と、日本語学・日本語史を研究している。
日本文学・文化研究室
石巻専修大学(宮城県)
国語教育研究室
岡山理科大学(岡山県)
中国文化・文学研究室
石巻専修大学(宮城県)
よくある質問
国語の先生になるには、文学部に入る必要がありますか?
文学部でなくても、国語の教職課程がある学部なら免許状をめざせます。教育学部に国語の先生を育てるコースを置く大学もあります。どの学部で国語の免許状がとれるかは大学によって異なるので、志望校の教職課程の案内で確かめてください。
国語が苦手でも、大学のレポートは書けるようになりますか?
なります。文部科学省の令和 5 年度の調査では、約 98% の大学が初年次教育を行い、約 92% の大学がレポートや論文の書き方を教えています。高校のうちに、主張と根拠を分けて書く練習をしておくと、入学後の授業に入りやすくなります。
日本語学では、どんなことを研究するのですか?
言葉のしくみや、時代や地域による言葉の違いを調べます。国立国語研究所の研究者による講義の例には、会話のしくみ、文字、方言、言葉の歴史的な変化、コンピュータを使った日本語の分析などがあります。


